台風2号や活動が活発な前線の影響で、記録的な雨になった所がありました。東海や関東を中心に、南風が強まりました。この後も、四国から関東甲信では、線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。

記録的な雨 30メートル超の風も

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きょう2日は、台風2号が奄美付近を進みました。本州付近に停滞する前線に向かって、台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発になりました。

午後5時までの12時間降水量の日最大値は、高知県土佐清水市358.5ミリで、2005年の統計開始以降、年間を通しての1位の値を更新しました。三重県鳥羽市307.0ミリ、愛知県新城市作手292.5ミリなど、統計開始以降、6月の1位の値を更新しました(統計開始は、鳥羽市1977年、新城市作手1976年)。

東京都心では、午後4時50分までの10分間降水量19.5ミリを観測しました。単純に1時間降水量に換算すると、117ミリに相当する雨ということになりますので、この10分程度は、傘は全く役に立たず、恐怖感を感じるほどの雨が降っていたことになります。

東海や関東を中心に、南よりの風が強まり、午後5時までの最大瞬間風速は、神奈川県横浜市30.6メートル、静岡県御殿場市28.4メートルなどを観測しました。東京都心でも22.1メートルと、20メートル以上の風を観測しました。強風で、横殴りの雨になりました。

四国〜関東甲信 線状降水帯が発生する可能性

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あす3日にかけて、台風2号は、日本の南を進み、前線は本州を南下するでしょう。
四国から関東甲信では、雷を伴った非常に激しい雨が降り、大雨になる所がある見込みです。四国と近畿では今夜まで、東海と関東甲信ではあす3日午前中にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。

あす3日午後6時までの24時間に予想される雨量は、多い所で、
東海地方      250ミリ
関東甲信地方    200ミリ
四国地方、伊豆諸島 150ミリ
近畿地方      100ミリ
です。
線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増える恐れがあります。
九州から東北の太平洋側の沿岸部を中心に風も強めに吹くでしょう。特に東北の太平洋側では今夜まで、暴風に警戒が必要です。

大雨 土砂災害の前触れは

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大雨の恐れがありますが、大雨によって土砂災害が発生する時には、前触れとなる現象があります。いざという時のために、ぜひ覚えておいてください。

1つめは、がけや地面にひび割れができることです。
2つめは、木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえたり、土のにおいがしたりすることです。
3つめは、井戸や川の水、湧き水が濁ることです。湧き水が止まる場合も、前触れの一つです。
4つめは、がけや斜面から水が湧き出たりすることです。

そのほか、小石がバラバラと落ちてくる、地鳴りや山鳴りがする、雨が降り続いているのに川の水位が下がる、樹木が傾く、などがあります。このような時は、土砂災害の危険が高まっています。すぐに周りの人に声をかけて、安全な所へ避難してください。