あす17日(金)は、発達する低気圧や寒冷前線の影響で、荒れた天気になりそうです。前線通過時を中心に短時間に強い雨の降るおそれがあります。18日(土)〜19日(日)は冬型の気圧配置が強まり、警報級の暴風や高波・大雨となる所がありそうです。また、冬のミニ台風とも呼ばれることもある「ポーラーロウ」が発生し、局地的に非常に強い雨、雷、降ひょう、竜巻などの激しい突風、山間部では急激な積雪をもたらすおそれがあります。

17日(金) 低気圧急発達、寒冷前線通過 南寄りの強風、短時間の強い雨に注意

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17日(金)は、低気圧が日本海を急速に発達しながら進むでしょう。低気圧から南に延びる寒冷前線が北陸地方を通過する見込みです。(図の北側の弧状の赤枠が寒冷前線による雨雲です)また、本州南岸を別の低気圧(図中の南側の赤丸枠部分)が進むでしょう。

寒冷前線通過前は、低気圧や前線に向かう南寄りの風が強まり、特に南北に流れる川沿いの地域では局地的に非常に強い風が吹くおそれがあります。

また、低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が不安定でしょう。前線通過時は、1時間に20ミリ以上の強い雨の降る所があるでしょう。落雷や竜巻等の激しい突風、ひょうにも注意が必要です。

週末は山間部で強い雪か 警報級の暴風や高波・大雨のおそれも

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寒冷前線通過後は、冬型の気圧配置が強まるでしょう。海上や沿岸部を中心に西寄りの風が強く吹き、波も急激に高まるでしょう。警報級の暴風や高波となる所もありそうです。鉄道など運転見合わせの可能性もありますので、最新の交通情報などに注意して下さい。

上空には西廻りで寒気が流れ込むでしょう。上空1500メートル付近でマイナス3度以下の寒気が北陸地方の西部を中心に流れ込む見込みです。白川郷や五箇山・白山の白峰方面などは雪となるでしょう。路面状態の変化に注意が必要です。

上空5500メートル付近にはマイナス30度以下の真冬並みの寒気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となります。発達した積乱雲が発生しやすく、降水量が多くなるでしょう。警報級の大雨となるおそれもあります。土砂災害などに注意・警戒が必要です。
また、平地でもアラレやひょうが降り、積もるおそれもあるでしょう。アラレやひょうは雪と比べて積もるスピードが速く、ほんの数分で一気に路面が白くなることがあります。この時期はまだノーマルタイヤの方も多く、運転中の方はできるだけ速やかに安全な場所で停車することが必要です。

冬のミニ台風「ポーラーロウ」発生か 過去に重大事故を引き起こしたことも

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ポーラーロウは「寒気内小低気圧」とも呼ばれます。大陸方面から強い寒気が相対的に暖かい日本海上に吹き出す時にしばしば発生する低気圧となります。温帯低気圧や台風などと比べて水平スケールが小さいものの、発達すると台風のように中心付近に明瞭な眼が確認できることがあり、「冬のミニ台風」「極域のハリケーン」などと呼ばれることもあります。また、南北に温度差がある場合はコンマ状の発達した雲が形成されることもあります。

ポーラーロウは大きさこそ小さいものの、局地的に竜巻等の激しい突風、雷、アラレ・ひょう、大雪や短時間に強い雪(気温が高い時は大雨や短時間強雨)などシビアな現象を伴うことが多く、過去には、列車の脱線・転落事故や海難事故など、重大な事故を引き起こしたこともあります。

日本海の海面水温は引き続き高く、平年より2〜3度高い所も多くなっています。北陸の沿岸の海面水温は20度以上となっています。一方、18日(土)は、上空約3000メートル付近でマイナス15度前後、上空約5500メートルではマイナス30〜33度前後の寒気が流れ込みますので、大気の状態は非常に不安定となります。このようなときに上空の気圧の谷が通過する場合、ポーラーロウが発生・発達しやすくなります。

18日(土)は日本海に複数のポーラーロウが発生する可能性があり、これに伴う発達した雲も北陸地方に断続的にかかる予想となっています。急激な気象変化をもたらすこともあるので、最新の気象情報や交通情報をよく確認するようにしてください。