今年の冬は雪が少ないので、北海道民である筆者にとっては除雪をする必要がなく、過ごしやすい冬となっていますが、スキー場関係者は困惑、雪関連のイベントは中止が相次ぎ、農業への影響も出ています。この冬、旅行やスキーを計画している方も多いと思いますので、気になるところですよね。雪不足を取り巻く様々な状況をご紹介します。

「土が見える…」。スキー場のコースが閉鎖。除雪業者も仕事がない

1月11〜13日は、スキーをするには絶好の連休でした。家族で雪遊びを計画していた人も多いのではないでしょうか。ところが、この冬は気温が高く雪も少ないため、すべてのコースを開放できず、思うように営業できなかったスキー場が多くなっています。
みやぎ蔵王セントメリースキー場では、営業の開始自体が元日にずれこみ、さらに、5コースのうち1コースしか開放されていません(1月20日現在)。
豪雪地帯で知られる新潟県の南魚沼市では1月20日現在、市内のスキー場10ヵ所のうち、営業できているのは6ヵ所(一部滑走可も含む)しかありません。このため、宿泊施設にキャンセルも出ていると聞きます。
また、冬の時期は除雪を行う建設業なども仕事が減少し、大打撃を受けているようです。
〈参考:TBC東北放送 1月10日「3連休前なのに 宮城県内スキー場は雪不足」〉
〈参考:北海道 NHK NEWS WEB 1月10日「雪不足でスキー場やホテルに打撃 緊急融資始まる 新潟 南魚沼」〉

写真はイメージです
写真はイメージです


雪に埋める越冬野菜が凍ってしまい、越冬できない

冬になると、大根やキャベツ、ニンジンなど、野菜を畑の雪の下に埋めて保存する越冬野菜がおいしくなります。外気がマイナス20℃を下回っても雪の中の温度は0℃。しかも湿度が適度に保たれるので、野菜がみずみずしいままで保存できます。さらに、雪の下に野菜を長く保存するとデンプンが分解して糖分になるので糖度が増し、野菜があまくなります。この時期の越冬野菜を楽しみにしている人も多いでしょう。
ところが今年は、野菜を保存できるほどの十分な雪が畑にありません。北海道では例年だと、3月まで越冬野菜の出荷が続きますが、今年の畑は雪が少ないため土壌が凍結してしまい、畑に保存している野菜は温度も湿度も保たれず、凍ってしまっています。また、土の下に埋めて春に収穫する長イモも、長イモ自体が凍結してしまい、一部は出荷できなかった、という農家もあるそうです。
さらに、水田に山の雪解け水を使う農家では、このままでは春先の水不足が心配されるなど、雪が少ないと農業への影響も出てきます。
〈参考:北海道新聞2020年1月11日 1面「少雪 凍える越冬作物」〉

写真はイメージです
写真はイメージです

雪のイベントが中止や規模縮小。さっぽろ雪まつりの準備も急ピッチ

冬はイベントが目白押しとなる北海道ですが、雪不足の影響で各地のイベントが中止になっています。
55年前から続く「あばしりオホーツク流氷まつり」ですが、今年ははじめて雪像が作られないことが決まり、4日間ある日程も2日間に短縮されました(2月8日・9日)。
「あばしりオホーツク流氷まつり」公式サイト
1月26日に開催が予定されていた美幌町の「びほろ冬まつり」は、長さ30mの巨大な雪のすべり台と屋外のジンギスカンが目玉ですが、今年の雪不足ですべり台やイベントステージが製作できず、中止を決めました。
また、雪の上をバイクで滑走する十勝スピードウェイのバイク耐久レースは、雪上ならではの人気競技ですが、1月12日に行われるはずだった第1戦が雪不足のため中止となりました。
「十勝スピードウェイ」公式サイト
北海道でもっとも大きい冬のイベント「さっぽろ雪まつり」にも雪不足の影響が出ています。大通公園の大雪像を作るのには長い時間がかかるため、毎年札幌近郊から大量の雪が運び込まれますが、今年は札幌では足りないため、さらに遠くの自治体から、例年の2倍のトラックで雪が搬入されました。大通会場の雪像に使う雪はなんとか確保できたものの、今後は大きなすべり台などがある、つどーむ会場への雪の搬入が急がれます。
〈参考:北海道ニュース(UHB 北海道文化放送) 1月9日「積雪ゼロ…アスファルトや地面むき出しに 記録的雪不足で北海道各地の冬イベント 中止相次ぐ」〉
〈参考:北海道 NHK NEWS WEB 1月13日「びほろ冬まつり 雪不足で中止」〉
〈参考:読売新聞ニュース 1月9日「雪不足の札幌、雪まつり開幕までにトラック3千台分の雪搬入〉
新潟や富山など、特に日本海側のスキー場では雪不足のため、コース縮小あるいは閉鎖が相次ぎ、長野など雪が積もっているスキー場に競技大会が集中しています。
日光の天然氷は例年だと厚さが14cm必要ですが、今年はまだ6cmほどしかありません。雪景色が美しい白川郷も、今年はまだ雪が積もっていません。
2月上旬に行われる横手かまくらも、雪が積もっていないので、周辺の山から雪を運んでかまくらを作っています。かまくら1基を作るのに30tの雪が必要なので、遠くから雪の運搬が急ピッチで行われています。
このように、雪と氷がないことには始まらない冬のイベントですが各地で中止、あるいは規模が縮小されています。雪がないと通勤や通学がスムーズになり、雪かきの必要もないので、雪国に暮らす一般市民からすると生活は楽になりますが、観光や農業、季節の行事などに大きな影響が生じています。
冬を楽しみにしていたスキーヤーにとっては雪不足は本当に残念なことです。今後のゲレンデの積雪状況を見守っていきたいですね。
スキー場の天気と積雪状況はこちらでチェック

さっぽろ雪まつりの準備。地面が見えるけど(イメージ)
さっぽろ雪まつりの準備。地面が見えるけど(イメージ)

写真はイメージです
写真はイメージです