新緑の中、ランニングをしたくなる快適なシーズンですが、急な暑さには注意が必要です。この時期に運動を行う際の注意点をまとめました。

「暑熱順化」とは?

新緑を吹き抜ける風が、心地よい風薫る5月。
良く晴れる日は、「清々しい」という言葉がぴったりな季節ですが、気温もぐんと上がりやすくなり、時には真夏日に迫ることもあります。

ちょうど今の時期に行っておきたいのが「暑熱順化」です。
暑熱順化とは、体が暑さに慣れること。暑さに慣れていないと熱中症にかかる危険性が高まるために、暑熱順化が必要になります。
本格的に暑くなる前から暑熱順化をして、熱中症にかかりにくい体づくりをしておくことが大切です。

日本気象協会は各地域で暑熱順化が必要なタイミングの目安をお知らせする「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線」を発表しています。

それによると暑熱順化前線は、4月下旬に九州を北上し、5月上旬には、中国、四国、近畿を通過、5月中旬には東海や関東に達し、5月下旬には北陸や東北、北海道を北上する見込みです。

西日本では、ゴールデンウィーク中には暑熱順化をするための対策を始めたいところです。東日本や北日本も徐々に暑さに慣れるように、無理のない範囲で、日常生活に運動や入浴を取り入れて汗をかくことが大切です。実際には、週に5回程度を目安にウォーキングなら30分、ジョギングなら15分程度の運動を行うことなどが挙げられます。

5月は毎年1000人以上が熱中症で搬送

総務省消防庁では、「夏期における熱中症による救急搬送人員の調査」を行っており、通例5月1日を含む週から実施し、今年度の調査については4月25日から開始しています。
通年、 熱中症で搬送される方の数は、7月から8月にかけてが最も多く、年間では5万人から10万人に上ります。清々しい5月でも全国で1000人以上もの方にが毎年熱中症で搬送されていて、体力に自信があるランナーでも、体が暑さに慣れていない中でのランニングは大変危険です。

まずは、運動しても大丈夫なレベルの暑さなのかを調べることが大切です。
tenki.jpでは、熱中症情報を提供していますので、これからの時期は、ぜひ運動前にご確認ください。日本体育協会では、暑さ指数が21℃以上になると、スポーツ時の熱中症の死亡事故が起こる恐れがあるとしています。「注意」と表示される日には、熱中症に十分注意し、運動に慣れている方も、少しいつもよりペースを落としたり、距離を短めにするなど暑さを考慮した走り方で様子を見て、控えめに行うようにしましょう。

軽めの運動で、暑さに体を慣らしていくためには、無理をせずに少しずつ続けて行うことが必要です。体が暑さに慣れるまでには個人差があり、数日から2週間程度かかるため、本格的な暑さになる前の今、早いうちから無理なく、習慣づけておくのがベストです。

水分補給はこまめに自由に

春先よりも気温が上昇しやすくなり、少しの距離でも走れば汗がどっと出るようになってきました。汗が流せるほど、満足度の高いランニングができたと感じる人も多いかもしれませんが、それだけしっかりと水分、塩分を補給することが大切です。

水分補給は、体から失われる水分量、すなわち発汗量に相当する量を補えば良いのですが、汗の量は個人の身体サイズやそのときの気象条件、運動強度によって大きく異なり、一律には決まりません。そこで勧められるのが、「のどの渇き」に応じた自由な飲水です。
それによって、ちょうど適量の水分が補給されることが多くの研究調査で明らかにされています。自由飲水では少量の不足分が生じる傾向にありますが、2%以内であれば十分許容できる範囲と言えます。体重50kgの人であれば、練習後の体重減少量が1kg以内に収まればよいことになります。

自由に給水と言われても、忘れてしまいがちだという方は、15分〜20分おきに、200ml(コップ1杯分)のスポーツドリンクで給水するなどと給水のルールを決めておくのも良いでしょう。木陰や涼しい場所で、水分補給の休憩を挟むようにすると熱中症対策になります。

安全にランニングをして暑熱順化を行い、夏の暑さに強い体作りをしておきましょう。

参考資料 公益財団法人日本スポーツ協会 熱中症予防のための運動指針