今月の満月は、1年のうちで地平線に最も近い軌道を通ります。大気の影響を受けやすくなるため、赤みを帯びた月が見られるかもしれません。6月中旬から下旬にかけては、夜明け前の空にすべての惑星が姿を見せ、またとない華やかな眺めとなります。
今回は、6月に注目したい星空情報をご紹介します。

【6月14日】夏至間近の満月「ストロベリームーン」。赤い色に染まるタイミングは?

6月の満月は「ストロベリームーン」。ネイティブアメリカンが毎月の満月に付けていた名前に由来し、6月は野イチゴの収穫時期とされていました。月の色とは関連のない呼び名ですが、実際に月が赤みを帯びて見えるタイミングがあるかもしれません。

太陽は夏至の日に最も南中高度が高くなり、冬至の日は低くなります。満月になるのは、地球を中心にして太陽と月の位置が一直線上に並ぶ時。地球の地軸には傾きがあるため、夏至の頃の満月は南中高度が低く、冬至の頃の満月は高くなり、太陽とは逆になります。

そのため、夏至(2022年は6月21日)を間近に控えた今回のストロベリームーンは、1年のうちで地平線に最も近い軌道を通ります。地平線に近い夕陽が大気の影響を受けてより赤く見えるように、出始めの低い位置にある月は赤みを帯びて見える可能性があります。6月14日の月の出は18時59分頃。今回の満月は、早めの時間帯に観測してみてはいかがでしょうか。

画像:国立天文台
画像:国立天文台


【6月18日】宇宙の広がりを感じる壮大な眺め!太陽系の7惑星と月が一列に並ぶ

今月の中旬から下旬は、明け方の空にすべての惑星が勢ぞろいする珍しい機会となります。特に注目したいのが18日の星空。日の出1時間前、南の空にある月から東の地平線にかけて、土星、海王星、木星、火星、天王星、金星、水星が一列に並びます。肉眼で容易に見ることができるのは、水星、金星、火星、木星、土星の5つの惑星。水星は低空にあるため、やや見つけるのが難しいかもしれません。隣に明るく輝く金星を目印にして探してみましょう。

海王星は約8等と暗いため、残念ながら肉眼で見ることはできません。観測するためには望遠鏡が必要になります。約6等の天王星は、夜空が暗い時間帯であれば、肉眼でも見ることができるかもしれません。双眼鏡や望遠鏡を使う場合は、事前に正確な位置を調べておきましょう。

すべての惑星が直線状に並んで見えるのは、惑星がほぼ同じ平面上で太陽の周りを公転しているため。それを、やはり同じ平面上を運行する地球から私たちが眺めているのです。月が地球の周りを公転する平面も、惑星が公転している平面とほぼ同じです。そのため、日を追うごとに、月が惑星の近くを通って移動していくように見えるのですね。

画像:国立天文台
画像:国立天文台

【 6月18日〜27日 】最大離角を迎える水星。肉眼で観測するチャンス!

16日に「西方最大離角」を迎える水星。6月中旬から下旬にかけて、日の出直前の東の低空に見ることができます。水星は太陽系の一番内側を公転しているため、太陽から大きく離れることがありません。水星が見つけやすくなるのは、太陽からの見かけの距離が大きくなる「最大離角」の前後になります。

低空ながらも高度8度を超える6月18日から27日が、観測しやすい期間です。空が暗いうちに、目印となる金星の左下を探すと見つけやすいでしょう。27日以降は高度が徐々に低くなっていきますが、逆に明るさは増していきます。東の空の視界が開けた場所で、低空に雲のない晴れた日に、ぜひ観察にチャレンジしてみましょう。


・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2022』 アストロアーツ

・参考サイト
国立天文台「ほしぞら情報」
アストロアーツ「いろいろな月の呼び方」
国立天文台「月の南中高度」

画像:国立天文台
画像:国立天文台