本格的な夏が到来し、一気に暑さが厳しくなってきました。熱中症の危険度が高い場合は、無理をせず運動を控えてください。運動前には「暑さ指数」を確認し「注意」レベルの場合でも運動する際は、暑さに万全な注意を払い、運動前後の体重減少率が2%以内におさまるよう、自由に水分補給ができる環境作りが必要です。

スポーツ活動中の熱中症に注意

公益財団法人日本体育協会が発行している「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」には、スポーツ活動中の熱中症予防5か条がまとめられています。

それによると、まず1つ目に「暑いとき、無理な運動は事故のもと」とあります。
運動の前には、必ず熱中症予防運動指針に基づいて、運動をして良いレベルかどうかを判断してください。運動して大丈夫な条件であるかを見極めるのには「WBGT(暑さ指数)」を見るのが望ましいとされています。

暑さ指数は、熱中症予防を目的に1954年にアメリカで提案された指標です。単位は気温と同じ摂氏(℃)で示されますが、気温に加えて、湿度、 日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境も取り入れた指標となっています。気温が低くても湿度が高い場合は高い値が出ることがあります。


特に梅雨明け直後の猛烈な暑さが危険!熱中症に要警戒

運動前には「暑さ指数」を確認しましょう。
特に、指導者にあたる方は必ず確認してください。

「熱中症警戒アラート」の発表時や「運動は原則中止」「厳重警戒」という際には、危険度が高いため運動を控えてください。「警戒」や「注意」の場合も、暑さに十分気を付けて、適宜、適切な水分補給がすることが欠かせないでしょう。tenki.jpでは熱中症情報で確認することができます。

スポーツ活動中の熱中症予防5か条、2つ目は「急な暑さに要注意」です。
梅雨の晴れ間、梅雨明け直後は、体がまだ暑さに慣れていないために、熱中症にかかりやすく、特に危険です。また、熱中症は、学校の部活練習中における合宿初日や休み明け、低学年に多く見られるというデータがあります。

暑い環境の中で、繰り返しトレーニングを行うことで、体が暑さに慣れる「暑熱順化」が行われ、熱中症にかかる危険性が低くなります。夏に運動を行う際には、まずは朝早い時間や夕方以降など時間帯を選んで、暑さの中で少しづつトレーニング量を増やし、徐々に体を慣らしていく必要があるでしょう。

参考資料 スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック

適切な水分・塩分補給を

スポーツ活動中の熱中症予防5か条3つ目は「失われる水と塩分を取り戻そう」とあります。

スポーツ時には、脱水にならないように適度な水分補給が必要です。汗の量は体のサイズや運動強度によって、人ぞれぞれ大きく異なります。ポイントは「運動後の体重減少量が2%以内」におさまるように「自由に水分補給」をできる環境が必要です。

体重50キロの人が、運動前、運動後の体重の減少が1キロを超えないことが必要です。1キロを超えてしまう場合は、水分の摂取量が足りていないことになります。
ちなみに、体重の3%を超える水分を失った場合「汗が出なくなります」。
水は体内で主に「溶解」「運搬」「体温調節」の3つの働きをしていますが、「体温調節」で水を使いすぎた場合は、「溶解」、「運搬」に使う水が少なくなり、身体を正常に維持することができなくなるため「いったん汗がとまります」。これは、命に関わる危険な状態です。

冷たいスポーツドリンクを自由に給水

のどの渇きを感じてから給水するのでは遅いため、適切に水分補給を行ってください。

摂取する飲料は、5℃〜15℃に冷やしたものが体温上昇を抑えられるのでオススメです。
スポーツドリンクのように飲料の0.1%〜0.2%の食塩と4〜8%程度の糖質を含んだものがエネルギー補給もできて効果的です。ただ、あまり糖質濃度が高いと胃にたまりやすくなるため、好ましくありませんし、水分のとり過ぎもよくありません。自分の飲みやすい好みのもので、適宜水分補給を行ってください。

夏季のスポーツ活動時には、水分補給タイムを作るなど、誰もがいつでも自由に水分補給をできる環境を作ることが第一です。

4つ目に「薄着スタイルでさわやかに」
5つ目に「体調不良は事故のもと」とあります。
涼しく汗が乾きやすいウェアで、マスクは外すようにしてください。
また、これから夜間も気温が高く、寝苦しい日が続きますが、寝不足など体調不良のまま運動を行うことのないようにしましょう。

夏の運動時には十分に熱中症に気をつける必要があります。
熱中症が疑われるような症状があり、少しでも意識に障害がある際には、すみやかに救急車を要請し、涼しい場所で体を冷やすようにしてください。

参考文献:基礎から学ぶ!スポーツ栄養学