コロナ禍で働き方や暮らし方を見直す人が増える中、夫婦で築100年越えの古民家を購入してDIYしながら暮らしはじめました。地方移住にあこがれを抱く人も多いと思うのですが、大変なことも多いのが現実です。きょうは家庭菜園・半農半Xをするときにおすすめな、鉢植えでも育てられる果樹について解説していきます。

※ 半農半X:生活の半分を農業、もう半分を別の仕事をする暮らし方や生き方のこと。

初心者にも栽培が簡単なブルーベリー

ブルーベリー
入手しやすさ:★★★★★
育てやすさ :★★★★☆
美味しさ  :★★★★★
収穫時期  :6月〜8月頃

病気や虫の被害が比較的少なく初心者にもおすすめなのがブルーベリー。ブルーベリーは大きく分けて次の3つのグループに分かれます。

・ノーザンハイブッシュ
・サザンハイブッシュ
・ラビットアイ

さらにブルーベリーは育てる地域の気温によって最適なグループがあるんですよね。おおむね以下のような地域区分を生育の目安とする場合が多いようです。

・ノーザンハイブッシュ系
(寒冷地・高冷地に向いている:北海道〜東北地方・標高の高い地域)
・サザンハイブッシュ系
(温暖地に向いている:南東北〜沖縄)
・ラビットアイ系
(温暖地に向いている:南東北〜九州)

筆者の自宅は比較的温暖な地域にあるため、サザンハイブッシュ系やラビットアイ系をメインに育成しています。ホームセンターなどで売られている商品には、カレンダー形式で植え付けや収穫のシーズンが載っていることが多いので購入の前にはチェックしてみましょう。購入の際には、育成する地域の緯度や標高などによって気候が異なるので、育ちにくい品種を誤って買わないように注意が必要です。特に以下のような気象特性がある地域は気をつけましょう。

暑さに強いグループが最適な地域
・緯度が低く気温があがりやすい地域
・標高が低く気温があがりやすい地域
・日当たりがよく気温があがりやすい地域

寒さに強いグループが最適な地域
・緯度が高く気温があがりにくい地域
・標高が高く気温があがりにくい地域
・日当たりが悪く気温があがりにくい地域

ブルーベリーは同じグループの中で2品種以上育てると実がつきやすいと言われています。個人的にはラビットアイ系の

・ブライトウェル
・ラヒ

という品種が甘く美味しかったです。わからないことがあれば、ホームセンターや農業組合などで家庭菜園に詳しいスタッフさんに尋ねてみるのがおすすめ。地域の気象特性を踏まえたうえで、どれを育てるのが良いか教えてもらいましょう。


1本でも簡単に実がなるイチジク

イチジク
入手しやすさ:★★★☆☆
育てやすさ :★★★★★
美味しさ  :★★★★★
収穫時期  :7月〜10月頃

食べたことがない人も多いかもしれませんが、イチジクは病気や虫に比較的強く、1本でも実がなる初心者にはおすすめの果実です。ベランダでも育てやすく、挿木で増殖が簡単に可能なので、お子さんのいる家庭にもピッタリ。イチジクは傷みやすく、スーパーで売られているものは早くに収穫されて美味しくないことも少なくないのですが、樹上で完熟したイチジクはジャムのような甘さで格別です。

ただし低温に弱く、冬の凍害や春先の霜によりダメージを受ける場合があるので、気温が氷点下になるような地域では室内に鉢植えを引越しさせておくのがよいでしょう。個人的には

・桝井ドーフィン
・ロングドゥート(バナーネ)
・ビオレソリエス

あたりは比較的ホームセンターで手に入りやすく美味しかった品種です。冬場の気温低下に気をつけながら、お庭やベランダで育ててみてください。

ちょっと難しいけれど甘くておいしい桃

モモ
入手しやすさ:★★★★☆
育てやすさ :★★☆☆☆
美味しさ  :★★★★★
収穫時期  :6月〜9月頃

桃はブルーベリーやイチジクと比べて病気や虫に弱く栽培が難しいのですが、鉢植えで育てられるおすすめの果物です。雨風にさらされると病気になりがちなので、梅雨や台風シーズンは特に雨の当たらない場所で栽培をするか、雨の時には部屋の中に避難させておくのが上手に育てるためのポイントです。樹上で完熟した桃は果汁がすさまじく本当においしいんですよね。個人的には

・大玉白鳳
・あかつき

あたりが比較的育てやすく、とても甘い品種でおすすめです。どうしてもうまく栽培ができない人は「ひめこなつ・はなよめ」などの梅雨が本格的に始まる前に収穫ができる品種を購入して育てると失敗しにくいようです(筆者も育て中です)。

家庭菜園・半農半Xにおすすめの果樹まとめ

今回は「家庭菜園・半農半Xにおすすめな果樹」を紹介しました。果樹を育てはじめて3年ほどたちますが、ポイントは

・育てる場所の気象特性にあわせた果樹を選ぶ(気温・雨・風)
・病害虫に強く育てやすい果樹を選ぶ
・まずは少量多品種でいろいろ育てる

の3つです。本格的に農地や設備を整えなくても大丈夫。鉢植え1つ、ベランダでも育成可能です。日常生活の中に1本果樹があるだけで心が豊かになるのでぜひチャレンジしてみてください。