気象庁は、10日「エルニーニョ監視速報」を発表しました。今後、春の間にラニーニャ現象が終息する可能性が高く、夏は平常の状態である可能性が高くなっています。

2月の実況

2月のエルニーニョ監視海域の海面水温は、基準値より低い値で基準値との差は−0.6℃、ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の12月の値は−0.9℃となり、6か月連続して−0.5℃以下となってラニーニャ現象の基準を満たしました。太平洋赤道域の海面水温は中部から東部にかけて平年より低く、西部で平年より高くなりました。海洋表層の水温は東部で平年より低く、西部で平年より高くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より強くなりました。このような海洋と大気の状態はラニーニャ現象の特徴を示しており、昨年夏からラニーニャ現象が続いています。

今後の見通し

太平洋赤道域の西部から中部で海洋表層の暖水の東進が始まっており、今後も暖水が東進して、東部の海面水温が平年より低い状態は解消に向かうと考えられます。エルニーニョ予測モデルでは、エルニーニョ監視海域の海面水温は春の間に次第に基準値に近づき、夏にかけて基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測しています。以上のことから、今後、春の間にラニーニャ現象が終息する可能性が高く(80%)なっています。夏は平常の状態である可能性が高く(70%)なっています。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

西太平洋熱帯域:2月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後春の間に次第に基準値に近づき、夏にかけて基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測されます。
インド洋熱帯域:2月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値でした。今後春から夏にかけて基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。

ラニーニャ現象とは

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ラニーニャ現象が発生している時は、太平洋赤道域で吹く東風が、平常時よりも強くなります。その結果、太平洋赤道域の西部では、強い東風によって吹き寄せられる「暖かい海水の層」がより厚くなり、インドネシア近海の海上では、積乱雲がより盛んに発生します。
一方、太平洋赤道域の東部では、冷たい水の湧き上がりが、平常時より強くなります。そのため、太平洋赤道域の中部から東部では、平常時よりも海面水温が低くなるのです。このラニーニャ現象が発生すると、世界中の天候に影響を及ぼします。