ロジャー・フェデラー(ウィンブルドン2021)
画像提供:Getty

男子テニスで元世界ランク1位のR・フェデラー(スイス)が15日、自身の公式サイトを通じて現役を引退することを発表した。

ウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)で8度の優勝を含むグランドスラム通算20勝、生涯グランドスラム達成、ツアー通算103勝を誇るフェデラーは現在41歳。ここ数年は膝の故障と手術に多くの時間を費やし、昨年のウィンブルドン以降ツアーを離れている。

フェデラーは公式サイトおよび自身のSNSにコメントを投稿し、引退を決意した理由、ファンや家族、ともに戦ってきた選手、チームスタッフらへの感謝の言葉をつづった。

【ロジャー・フェデラー引退コメント全文】

私のテニスの家族とその他の方々へ

長年にわたってテニスが私に与えてくれた贈り物の中で、間違いなく最も偉大なものは、その道のりの途中で出会った人達である。それは、友人達であり、対戦相手であり、そして何よりテニスというスポーツに人生を捧げているファンの方々である。今日、あるお知らせを共有したい。

皆さんのほとんどが知っているように、ここまでの3年間はけがや手術という形で自分に挑戦状を叩き付けてきていた。競技として万全に戦える形に戻るためにかなりの努力をしてきた。しかしながら、自分の体の能力と限界も知っている。そして最近のそのメッセージも明確なものだった。自分は今、41歳。24年間にわたり1500試合以上プレーしてきた。テニスは夢に見ていたよりも自分のことを寛大に扱ってくれたし、今は競技として戦うテニス人生を終わらせる時だと受け入れなければならない。

来週ロンドンで行われるレーバー・カップがATP大会の最後となる。もちろん将来もっとテニスをするだろうが、グランドスラムやATPツアーではない。

これはほろ苦い決断である。なぜなら、これまでのツアーが自分に与えてくれた全てのことを恋しく思うはずだから。しかし同時に祝福することもとても多い。自分自身のことを地球上で最も幸運な人間の1人だと思っている。テニスをプロとしてプレーする特別な才能を与えられたし、想像以上のレベルでそれができた。そして考えられるよりはるかに長きに渡って。

私の素晴らしい妻であるミルカに特にありがとうと言いたい。彼女はどの瞬間も共に過ごしてくれた。決勝戦の前に自分を温めてくれたし、妊娠8ヶ月の時でも数えきれないほどの試合を見てくれたし、20年以上チームと共に自分の愚かな一面も耐え抜いてくれた。支えてくれた4人の素晴らしい子ども達にも感謝したい。常にここまでの道のりで新しい場所を見付け出したり、素敵な思い出を作ってくれた。ファミリー・ボックスから応援してくれる家族の光景は一生心に焼き付いているだろう。

また、感謝し称えたいのは愛する両親と愛しい姉であり、彼らがいなかったら何も叶えられなかっただろう。正しい道へと案内してくれたかつてのコーチにも多大な感謝を送りたい。あなた方は本当に素晴らしかった。そしてスイス・テニス協会も若い頃から自分を信じてくれて、理想のスタートを切らせてくれた。

私の最高のチームにも本当に感謝とお礼を言いたい。イヴァン、ダニ、ローランド、そして特にスティーブとピエール。あなたは自分へベストのアドバイスを与えてくれて、常に共にいてくれた。そして17年間に渡り自分のビジネスをクリエイティブに運営してくれたトニーにも。あなた方はみんな最高だったし、共に歩んだどの瞬間も愛している。

誠意あるスポンサーにも感謝したい。みんな自分のパートナーだったし、そして勤勉なチームと、優しさともてなしで我々をいつも迎えてくれたATPツアー大会にも。

またコートで戦ってくれた選手達にも感謝したい。今後も忘れられないような数々の壮大な試合を戦うことができたのは十分にラッキーだった。情熱と激しさを持って必死に戦い合い、テニスの歴史に多大な敬意を示すためにベストを尽くしてきた。非常に感謝している。お互いを高め合い、共にテニスを新しいレベルへと導いた。

何よりも信じられないファンの方々へ特別な感謝の気持ちを送らなければならない。どれほどの強さと自信を自分へ与えてくれたかは一生分からないだろう。満員のスタジアムやアリーナへ入場する時の奮い立たせてくれる感覚は人生に於いて最も感動させてくれるものの1つだった。あなた方がいなかったら、ここまでの成功が、喜びやエネルギーに満ちたりせず孤独に感じてしまったはず。

ここまでの24年間のツアー生活は、信じられない冒険だった。時にはそれが24時間だったように感じたりするなかで、既に一生を生きたかのようにとても深く魔法のようでもある。40以上の国々でみなさんの前でプレーできたという計り知れない幸運に恵まれた。笑いもしたし泣いたりもしたし、喜びも苦しみも感じ、そして何よりも信じられないほど生きていると感じていた。世界を転戦する中でこれからもずっと友人としていられるような多くの素晴らしい人々と知り合った。彼らはいつも世界のあちこちで、忙しいスケジュールの中でも時間を作って自分の試合を見に来てくれて応援してくれた。本当にありがとう。

テニスを愛し始めた時、地元のバーゼルでボールボーイだった。かつては選手達を不思議な気持ちで見ていた。自分にとっては巨人のようでだったし、夢に見始めていた。そんな夢はより激しく練習する気持ちに導いてくれて、自分自身を信じ始めさせてくれた。ある成功は自信を与えてくれたし、今日この日へ導いてくれたような最も素晴らしい旅に立たせてくれた。

だから、若いスイスのボールボーイの夢が現実になることを助けてくれた世界中の人達へ心の底から感謝したい。

最後にテニスというスポーツへ。あなたを愛しているし、あなたから離れることは一生ありえない。

ロジャー・フェデラー

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フェデラーが最後の舞台に選んだレーバーカップ(イギリス/ロンドン、室内ハード)は今月23日から25日にかけて行われ、R・ナダル(スペイン)、N・ジョコビッチ(セルビア)、A・マレー(イギリス)のビッグ4が揃って出場することが発表されている。

また、このフェデラーの引退発表に対して、ともに男子テニスを牽引してきたナダルや世界ランク1位のC・アルカラス(スペイン)ら多くの現役選手、A・ロディック(アメリカ)、J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)ら同時代をともにした元選手らがSNSを通じて感謝や労い、応援のメッセージを送っている。

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