(左から)アルカラスとシフィオンテク
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男女テニス界で新たな時代の幕が開けるか。今シーズン行われた「ATP1000」5大会と「WTA1000」5大会の全てで、決勝に必ず男女ともに3名いずれかの名前がある。男子はC・アルカラス(スペイン)、H・ルーネ(デンマーク)、J・シナー(イタリア)。女子はI・シフィオンテク(ポーランド)、A・サバレンカ、E・ルバキナ(カザフスタン)。この男女3名がツアーを牽引し始めている。

>>ルーネらBNLイタリア国際 組合せ・結果<<

>>ルバキナらBNLイタリア国際 組合せ・結果<<

昨年の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)でグランドスラム初優勝を果たし、最年少で世界1位の座に就いた20歳のアルカラスは今シーズン、BNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、ATP1000)とムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、ドクレー、ATP1000)で優勝。今季すでにタイトルを4つ獲得している。

アルカラスと同い年のルーネは今季、ロレックス・モンテカルロ・マスターズ(モナコ/モンテカルロ、レッドクレー、ATP1000)で準優勝。現在行われているBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)でも20日に行われた準決勝で勝利し決勝に駒を進めた。

21歳のシナーは今季、マイアミ・オープン(アメリカ/マイアミ、ハード、ATP1000)で準優勝。決勝でD・メドベージェフに敗れたものの準決勝でアルカラスを破った。

一方の女子は、グランドスラムですでに3勝を挙げており、昨季4月から世界1位の座を守っている21歳のシフィオンテクが、ドバイ・デューティ・フリー・テニス選手権(アラブ首長国連邦/ドバイ、 ハード、WTA1000)とムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、レッドクレー、WTA1000)で準優勝。今季「WTA1000」では優勝を逃しているものの、そのほかの大会で今シーズン2勝を挙げるなど安定した強さを見せている。

今シーズン、全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)で初優勝を果たしたサバレンカは現在25歳。「WTA1000」では3月のBNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、WTA1000)で準優勝すると今月のムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、レッドクレー、WTA1000)でシフィオンテクを破り優勝を果たした。

昨年のウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)女王の23歳ルバキナは今季、全豪オープン決勝でサバレンカに敗れ準優勝となったものの、BNPパリバ・オープンでは決勝でサバレンカに雪辱を果たし優勝。マイアミ・オープン(アメリカ/マイアミ、ハード、WTA1000)と現在行われているBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、WTA1000)で決勝に駒を進めている。また、今季シフィオンテクには3戦負けなしとなっている。

男子は長くツアーを牽引してきたR・フェデラー(スイス)、R・ナダル(スペイン)、N・ジョコビッチ(セルビア)のBIG3にA・マレー(イギリス)を加えたBIG4時代が長く続き、その後、世代交代が期待されながらも抜き出る存在がなかなか現れずにいた。

一方女子は、S・ウィリアムズ(アメリカ)という絶対的な女王がいなくなると、「誰が優勝してもおかしくない」という混戦の時代が続いた。

男女ともに新たな「BIG3」時代の幕開けとなるか。これからこの男女3人が紡いでいく大きな歴史の始まりを、我々はいま目にしているのかもしれない。

【男子3人の対戦成績】
アルカラス 1勝−1勝 ルーネ
アルカラス 3勝−3勝 シナー
ルーネ 2勝−0勝 シナー

【女子3人の対戦成績】
シフィオンテク 5勝−3勝 サバレンカ
シフィオンテク 1勝−3勝 ルバキナ
サバレンカ 4勝−1勝 ルバキナ