ウィンブルドンの決定に対して両ツアーが決断

現地5月20日、男子ツアーを統括するATP、女子ツアーを統括するWTAがそれぞれ声明を発表。ロシア、ベラルーシ両国選手のエントリー拒否を表明しているウィンブルドンで、選手たちに“ポイントを付与しない”と決定したと伝えた。



共に、ロシアによるウクライナ侵攻を非難したうえで、ATPは「どんな国籍の選手であっても、実力に基づき、差別なくトーナメントに参加できることは、我々のツアーの基本。また、我々のランキング協定とも矛盾しているため、非常に残念かつ不本意ではあるが、2022年のウィンブルドンからATPランキングポイントを削除する以外の選択肢はないと考えている」と発表。

WTAは「個々のスポーツに参加する選手が、国籍やその国の政府が下した決定だけを理由に、ペナルティを受けたり、競技を妨げられたりしてはならないと考えている。ウィンブルドンへの参加にWTAランキングを使用する義務を守らず、実力に基づかない部分的なフィールドで進めるというAELTC(オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ)の主張により、今年のウィンブルドンでWTAランキングポイントを付与しないという難しい決断を下した」と発表している。ウィンブルドン前哨戦としてイギリス国内で開催される大会については、同州に他地域で同等のプレー機会があるため、共にポイントは付与する予定だという。また、ATPは、規律違反を行ったイギリスのローンテニス協会に対して、制裁をかける予定とも記している。

一方、WTAは声明の最後に「私たちは、すべての関係者が合意し、選手が統一された環境で競技する機会を与えられる解決策が見つかれば、ポイントの発行を見直すことを希望し、その意向を持ち続けている」と記し、ウィンブルドンの決定撤回があれば、ポイント付与を考えたいとしている。

また、同じタイミングでITF(国際テニス連盟)も、ATP、WTAと同様の理由でウィンブルドン・ジュニアと車いすテニスの競技に対して、ポイントを付与しないと決定、イギリスでのITFツアー、ジュニア大会、車いすテニス大会については同等の出場機会が存在するケースのみポイントが付与されると声明を発表している。

WTAは声明の最後に、「ロシアの侵略により、ウクライナの何百万人もの罪のない人々に対して行われている残虐行為は、非常に恐ろしくおぞましいもの。ロシアの継続的な攻撃を強く非難し、何よりもまず、私たちは平和とウクライナの戦争が終わることだけを願っている」と綴っている。これまでの経緯は、あの侵攻さえなければ、起きなかったもの。悲劇の連鎖を止めるためにも、1日でも早く戦争が終わること、一人でも多くの命が助かることを願いたい。

著者:Tennis Classic 編集部