第3セットから、一気に流れを変えたジョコビッチが大逆転勝利

現地7月5日、ウィンブルドン男子シングルス準々決勝、大会3連覇中の第1シード、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク3位)は、第10シードのヤニック・シナー(イタリア/同13位)と対戦。ジョコビッチは2セットダウンから、5-7、2-6、6-3、6-2、6-2で大逆転勝利。11回目の準決勝進出を決め、「鏡に映る自分に対して𠮟咤激励し、自分の考えを組み立て直して最高のプレーで戦うことが必要」だったと語った。



今大会4回戦、ワイルドカード(主催者推薦)で出場のティム・ファン・ライトーフェン(オランダ/同104位)をセットカウント3-1で下し、準々決勝進出を決めたジョコビッチ。対する20歳のシナーは、4回戦で第5シードの19歳、カルロス・アルカラス(スペイン/同7位)を下して、初のベスト8進出を果たしている。

立ち上がり、シナーは緊張からかアンフォーストエラーが続き、第2ゲームでいきなりブレークを許す。しかし、第4ゲームでキープに成功すると硬さも取れて良いプレーが出るようになる。すると、第7ゲームで今度はジョコビッチにミスが続いてブレークバックに成功。その後も、リスクを冒して先に角度を付けていき、ブレークして7-5でセットを先取する。今大会初めて第1セットを落としたジョコビッチは、第2セットに入っても調子が上がらず。シナーが6-2でセットを連取した。

ジョコビッチがグランドスラムでセットカウント0-2となるのは、昨年の全仏オープン決勝以来。しかし、見事カムバックしてステファノス・チチパス(ギリシャ)を下している。そのきっかけとなったのが、第2セット終了時に取ったトイレットブレークだ。今回も同様にトイレットブレークを取ると、第3セットではジョコビッチの調子がアップし、第4ゲームでブレークに成功。リードを保って6-3で取り返す。このセット、ジョコビッチのアンフォーストエラーはわずか3本(第1セットは12本、第2セットは7本)だった。

調子をキープするジョコビッチは、第4セットも先に2度のブレークに成功。5-2でサービング・フォー・ザ・セットを迎える。30-40とシナーにチャンスがやって来たが、続くポイントでシナーが転倒。左足首を抑える。すぐにジョコビッチも駆け寄るが、なんとか立ち上がってプレーを続行。ジョコビッチが6-2で第4セットを奪取する。

勝負の最終セット、先にブレークしたのはジョコビッチ。第3ゲームで15-40とすると1本では決められなかったが、シナーのミスを引き出してブレークに成功する。これで余裕が生まれたジョコビッチは、際どいショットも決まっていく。ジョコビッチはさらに第7ゲームでもブレークして6-2。

またも2セットダウンからジョコビッチが勝利をものにした。この勝利でウィンブルドン通算84勝目(10敗)となり、ジミー・コナーズ(アメリカ)と並ぶ歴代勝利数2位に(1位はロジャー・フェデラーの105勝)。ウィンブルドンでの連勝記録を歴代単独4位となる26に伸ばした。

オンコート・インタビューで、シナーの素晴らしい戦いを祝福したジョコビッチは、「最初の2セットと最後の3セットではまったく違う試合になったね。きっかけは(第2セット終了時に取った)トイレットブレークなんだ。鏡に映る自分に対して𠮟咤激励し、自分の考えを組み立て直して最高のプレーで戦うことが必要なんだ。大きな舞台でテニスをしてきたとはいえ、もう20年もプロとしてプレーしているのだから恵まれている。他の選手と同じように迷うこともあるけど、一番は内なる自分との戦いで、いつも試合をひっくり返すことができると信じている。グランドスラムでは、2セットダウンからでも逆転したことが何度もあるし、経験のおかげか、トイレットブレークのおかげなのか、すべてが重なってそれを信じることができたんだ」と、逆転勝利のきっかけは“自分を信じること”だったと語っている。

続く準決勝、ジョコビッチは、第9シードで地元のキャメロン・ノリー(イギリス/同12位)と対戦。ノリーは、準々決勝でダビド・ゴファン(ベルギー/同58位)を3-6、7-5、2-6、6-3、7-5のフルセットの末に勝利している。


■ウィンブルドン2022 [THE CHAMPIONSHIP WIMBLEDON]
・大会日程/2022年6月27日(月)〜7月10日(日)
・開催地/イギリス・ウィンブルドン:オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(時差8時間)
・賞金総額/4035万ポンド(66億6160万円)
・男女シングルス優勝賞金/200万ポンド(3億3030万円)
・サーフェス/グラス(芝)コート
・TV中継・放送予定/WOWOW、NHK


著者:Tennis Classic 編集部