「これが流行りにならないように願う」

ロジャー・フェデラーは昨年の6ヵ月の“休業”について、ウィンブルドンで通算19回目のグランドスラム優勝を果たした翌日に言ったが、どうやらその願いに反する事態が起きている。

なんとなく疲れたとかそんな気分で自分は半年もツアーから離れたのではないのだということを強調したが、フェデラーの休養宣言から1年後のちょうど同じ日に、ノヴァック・ジョコビッチが右肘の故障の完治を目的に今シーズンいっぱいの休養を発表した。そして10日後、今度はスタン・ワウリンカが膝のケガを理由に、やはり来シーズン開幕での復帰を目指した長期休養を明らかにしたのだ。

フェデラーを積極的に真似したわけではないにせよ、フェデラーが示した前例がなかったら、この段階で年内の活動休止という選択に思いは及ばなかったのではないだろうか。そして、彼らだからできることでもあっただろう。

ジョコビッチはすでに12のグランドスラム・タイトルを持ち、キャリア・グランドスラムも達成している。トータルで223週ナンバーワンにも君臨した。次に願うことは、この先できるだけ長くトップレベルで戦うということだ。まさにフェデラーがそうだったように。

晩成だったワウリンカはジョコビッチのキャリアとは異なるが、すでにグランドスラムのうちの3つを獲得している。世界ランキングは3位が最高だが、彼もまた、今必死で1位を狙うことよりも、たとえいったんトップ10から落ちたとしてもリフレッシュして来年仕切り直すほうが、自分の目指す32歳のプレーヤーのあり方に近づけると見たに違いない。

30歳を過ぎ、テニスプレーヤーとして夢だったものをすでに「成した」彼らだからこそ決断できたことだ。ウィンブルドン後のフェデラーは、多くの選手たちが長期休養をとることに釘を刺しつつ、こうも言っていた。