中西哲生と横山ルリカがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「TOKYO TEPPAN FRIDAY supported by Ginza Sony Park」。3月19日(金)の放送では、ホットペッパーグルメ外食総研 上席研究員の稲垣昌宏さんを迎え、コロナ禍における“飲食”や“美容”の最新の傾向、今後の注目ポイントについて伺いました。

(写真左から)ホットペッパーグルメ外食総研 上席研究員の稲垣昌宏さん、横山ルリカ、中西哲生


◆コロナ禍の飲食店の現状、今後の課題は?

リクルートグループは、「コレカラ会議」と題し、“日本の良い未来につなげる兆し”を情報発信しています。

稲垣さんは、コレカラ会議の開催理由について、「コロナ禍で当たり前の生活もままならないという方が多いと思います。私共は飲食や美容を事業領域としているなかで、“なんとかお店を続けたい”“お客さんによろこんでもらいたい”“従業員を守りたい”といった思いで経営をされている方々も多く、リクルートとして日々そんな方々とお仕事をさせていただいており、今までサービスを通して「街を元気にしたい」「集客をしたい」などお店の想いに寄り添っていきましたが、いまから少し先の未来を領域を横断して不可逆な変化から見える兆しを情報発信していくことで、さらにお役に立てるのではないかと考えました」とコレカラ会議開催の思いを語ります。

コロナ禍でさまざまな業界が影響を受けているなか、今回スポットを当てたのは“飲食”。飲食は、お店で飲食する「外食」、テイクアウトなどで買ってきたものを家で飲食する「中食」、自炊して家で食べる「内食」の3つの大きな枠組みに分けられます。

東京・名古屋・大阪の三大都市圏で、およそ1万人の消費者を対象に実施した調査では、「上半期(4〜9月)の間で、外食の回数は半減している」と稲垣さん。対して、中食は約14%増。そのデータから「外食が減った分を中食で補えていなくて、おそらくその差分だけ自炊(内食)が伸びているのではないか」と推察します。

稲垣さんによると、飲食業界におけるここ10年の動向についても「外食市場よりも中食のほうが伸びていた。コンビニスイーツなどが、すごく充実してきているように、各社が中食に非常に力を入れている。お弁当類や専門的なメニューなどもどんどん増えている状況」と説明。

飲食店は、コロナ禍で従来の営業スタイルでは立ち行かなくなった状況のなか、「いま家で食べざるを得ない状況にある多くの方のためにも、なんとか外食の味を家に届けようということで、デリバリーやテイクアウトが伸びている」と変化を語ります。

ホットペッパーグルメ外食総研が実施した調査によると、夕食を買ってきて食べる中食の平均額は832円。ところが、「飲食店でのテイクアウトになると、夕食は1,708円と倍以上の単価のものが買われている」と稲垣さん。「ちょっと贅沢したいときは、飲食店でテイクアウトをしたり、“お店を守りたい”という気持ちから飲食店で購入したり、“生産者を守りたい”ということで、生産者から直接購入したりする消費行動も、最近では多くなっているのも特徴的」と話します。

そんな飲食の“コレカラ”について、稲垣さんは「残念ですが、おそらく外食と中食のバランスは元通りになることはないと思う」と推察。「今リモートワークが推奨されていますが、“コレカラ”も定着していくと思います。そうなると、出社しないで済むという良い面がある一方で、会社近くの飲食店にとっては(ランチなど)お客様が戻りきらない可能性がある」と言い、「100%には戻らない。ただ、その代わりに(ちょっと贅沢して)“高いものを買って帰ろう”というような新しい市場が定着すると思う」と予見します。

続けて、「飲食店にとっては外食のイートインと、テイクアウトやデリバリーなどの中食進出を、どのように組み合わせて考えていくのか……ということが、非常に悩ましくもあり、未来志向の問題でもある」と指摘。

また、飲食業界では、中食に対する新たな取り組みも生まれてきていると言い、「専門店が何店舗も集まって、フードコートのような注文の仕方ができるようなデリバリーもできています。例えば、1回の注文・配達料で、お父さんは焼き鳥、お子さんはピザ……と、家族で別のお店から注文できるような仕組みです。また、ワインのボトルを飲みきれない人や、料理に合わせて赤・白ワインを1杯ずつだけ買いたいという人もいるので、ボトルを100mlに小分けして売ってくれるような、新しいサービスの兆しも出てきています」と事例を紹介してくれました。

◆コロナ禍の美容業界…キーワードは“シン密サロン”

続いて、“美容”についてもフィーチャー。2020年5月の調査では、「サロンで受けている施術の一部を、一時的に自宅ケアに切り替えた」と回答した人は、およそ5割。なかでも「白髪染め」と「前髪カット」が多く、およそ4割の人がサロンではなく自分でケアしたというデータも。

とはいえ、これまでサロンで受けていた施術を「今後も自宅ケアでやり続ける」と回答した人は5%以下だったそうで、「自宅でセルフケアを試みたものの、やはりプロの方にやっていただかないと……と、みなさんが感じられたのだと思います」と稲垣さん。

コロナ禍における美容業界について、「ヘアサロンを選択する理由として、信頼が重要だということが分かりました。ヘアサロンでは多くの工夫がなされている」と言います。例えば、「Zoom」を活用して、お客様の髪の悩み相談などをオンラインでカウンセリングをおこなったことで、緊急事態宣言が解除された後の集客につなげたという店舗も。

また、「カラーリングの持ちが良くなるようにオリジナル商品の開発をしたり、担当美容師がアプリでお客様のお悩みに合わせた商品をおすすめしたり、そういった取り組みをして顧客満足度を上げたサロンもあるようです」と例を挙げます。

さらには、あれもこれも1か所でおこないたいという消費者のニーズに対応し、他業種とコラボレーションするサロンも。例えば、ヘアサロンと同じビルにスポーツジムをオープンし、ジムでシャワーを浴びた後、濡れた髪のままヘアサロンへ行き、そのまま施術を受けられる流れをつくったヘアサロンもあるそうです。「ジムに通ってもらうことで、髪型だけでなくトータルビューティーを提供するという取り組みをされていて、お客様の来店頻度の向上につながっています」。

そのほか、花屋やテイクアウト専門の飲食店を併設する例も。「ヘアサロンのお客様が、花屋やテイクアウト店に立ち寄ったり、逆に花屋やテイクアウト店を利用した人にヘアサロンを知ってもらったり、相互送客の効果を生んでいるお店もある」と稲垣さん。

美容業界は“リピートビジネス”という側面もあることから、「(お客様に)いかに信頼してもらうか、通い続けてもらうかが大切という点は、以前も“コレカラ”も変わらないと思う」と明言。一方で、「サロン内での施術だけではなく、信頼獲得方法がさらに広がっています。

サロン内では、クチコミへの返信や店舗販売など、技術以外のサービスの質を高めることで、より良いサービスを提供する。サロン外では、オンラインの活用や異業種を取り込み消費者ニーズに対応していく。

そうやって、お客様との間に“新しい信頼”を生み出して、“心の信頼”の絆を強め、“深い信頼”へと進化させていく。信頼が密になる“シン密サロン”がキーワードになってくる」と声を大にします。

飲食店やヘアサロンを存続するために、私たちにできることとして「どちらも同じ日常消費ではありますが、美容はお店に行かないと施術が受けられないのに対して、飲食店は家でも(サービスを)利用することができるという大きな違いがあります。コレカラ会議の発表では、経営者に向けて飲食・美容共通する経営のヒントもご紹介させていただきました。お店に行く・利用する場合は、お店に貢献するような活動を意識していただけると、お店側はよろこぶのではないでしょうか」と提言しました。

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聴取期限 2021年3月27日(土) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:TOKYO TEPPAN FRIDAY supported by Ginza Sony Park
放送日時:毎週金曜 15:00〜16:55
パーソナリティ:中西哲生、横山ルリカ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/teppan/