青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30〜7:55)。11月12日(日)の放送では、厚生労働省 老健局 総務課 課長補佐の菊池一(きくち・はじめ)さんを迎えて、「今から知っておきたい介護保険制度」をテーマに話を伺いました。


(左から)青木源太、菊池一さん、足立梨花



◆高齢者の介護を社会全体で支える「介護保険制度」

介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支える制度です。現在の日本は、65歳以上の高齢者が人口の約3割を占め、これから先、さらに少子高齢化が進むと見られています。また、介護を必要とする高齢者を支える家族をめぐる状況も時代によって変化し、介護のために仕事を辞めざるを得ない状況に追い込まれる、いわゆる介護離職をする方は、毎年9万人いるとも言われています。そんな背景を受け2000年に創設されたのが、市区町村が運営する「介護保険制度」です。

この制度によって、40歳で自動的に介護保険にも加入して介護保険料も納めることで、介護が必要になったときのホームヘルパーによる訪問介護や、デイサービスなどの介護施設の利用、車椅子やベッドのレンタルなど、さまざまな介護サービスが受けられます。

こうしたサービスが受けられることで、「介護するご家族の身体的、精神的、そして経済的な負担を軽減することができます」と菊池さん。なお、介護保険料は所得に応じて算出するため、一律ではありません。40歳〜64歳の介護保険料は、2021年度では、ひと月当たり平均5,788円ほどで、その一部は事業主などが負担することになっています。また、2021年度から2023年度までの65歳以上の全国平均は6,014円です。

また、介護保険サービスを利用した場合に利用者が負担する費用は、その所得に応じて、かかった費用の1割から3割までのいずれかとなり、40歳から64歳までの方は、所得を問わず1割負担となります。

では、どんな場合に介護サービスを受けられるのでしょうか? 菊池さんは「65歳以上の方は、原因を問わず“介護や支援が必要”と認定を受ければ、介護サービスを受けることができます。また、40歳から64歳までの方は、パーキンソン病や若年性認知症など、加齢をきっかけとする特定の疾病により“介護や支援が必要”と認定を受ければ、介護サービスを受けることができます」と解説します。

実際に介護保険サービスを受けるには、まず住んでいる市区町村の窓口で要介護認定の申請をおこないます。その後、市区町村の職員などから訪問を受け、聞き取り調査がおこなわれます。また、市区町村からの依頼により、かかりつけの医師に心身の状況について意見書を作成いただいた後、認定調査の結果や主治医意見書に基づき、市区町村の審査会が要介護度を判定します。

この要介護度は、要支援1、要支援2、要介護1〜5の合計7段階に分かれています。判定後は、要介護度に応じて受けられるサービスを元に“どんな介護サービスを受けるか”“どういった事業所を選ぶか”についてサービス計画書を作成し、それに基づいてサービスの利用が始まります。

◆「地域包括支援センター」とは?

市区町村への申請やサービスの計画書の作成などは、その立場になって初めて対応していくことでもあるため、最初は戸惑ってしまうことも少なくありません。そんなときに活用してもらいたいのが「地域包括支援センター」です。

地域包括支援センターは、地域の高齢者が健康で安心して暮らせるように、医療、福祉、介護の面から総合的に支援するための機関で、「介護についての不安や悩みについて安心して相談することができ、もちろん相談や支援は無料です」と菊池さん。市区町村、または市区町村が委託する組織により公的に運営されており、現在は各市区町村に1つ以上、全国に約5,400ヵ所あります。

同施設には、医療、福祉、介護の専門家である保健師、社会福祉士、主任ケアマネージャーなどのスタッフがいて「それぞれの得意分野を活かして連携を取りながら、相談内容に応じて、制度の概要の説明や相談窓口の紹介など具体的な解決策の提案をします。また、必要であれば、関係機関と連携を取り、介護サービスやいろいろな制度が利用できるように支援します」と説明。

また、介護に関する相談に乗るだけではなく、地域の高齢者の健康づくりに関することや高齢者の権利に関することなどの相談にも乗ってくれます。いわば、地域包括支援センターは“高齢者のよろず相談所”です。なお、高齢者に関することであれば、地域の方からの相談も受け付けています。

日本の65歳以上の高齢者数は、2025年には約3,657万人となり、2042年にピークを迎え、医療や介護の需要はさらに増加することが見込まれています。そのため政府では、2025年を目処に、重度な要介護状態となっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、さらには、認知症の高齢者を支えられるように、医療、介護、予防、住まい、生活支援が包括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築を進めており、そのシステムの重要な一端を担っているのが地域包括支援センターです。

最後に菊池さんは、「ぜひ、この機会に介護保険制度や地域包括支援センターについて理解を深めていただければ」と呼びかけるとともに、“事前に準備しておいたほうがいいこと”として、「親御さんが元気なうちは、介護について親子で話題にすることは少ないと思いますが、突然の病気やケガで介護が必要になる可能性があります。そこで、例えば、親御さんが介護保険の保険証が届く65歳を迎えたとき、あるいは、みなさんが介護保険料を納付し始める40歳を迎えたときなどをきっかけに、介護について親子で話し合ってみてはいかがでしょうか」と話していました。

今回のテーマを通して、足立が地域包括支援センターの話が一番印象に残ったそうで、「ここは“高齢者に関する総合相談窓口”と覚えておきたい。介護に関する相談だけでなく、健康づくりや権利に関することなども相談できるので、何か困ったらここに相談しに行きたいと思いました」とコメント。

一方、青木は、「突然、介護が必要な状態になってしまう可能性もあるので、そういうときに“自分の仕事をどうするか”“親の介護をどうするか”など、悩む前に普段からコミュニケーションを取り、確認すべきことを確認しておくことが大事だと思いました」と話していました。


(左から)青木源太、足立梨花



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11月12日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)聴取期限 2023年11月20日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30〜7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/collection/