さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYOFMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。2月17日(土)放送のテーマは「ソリ」。スキーやスノーボードといった雪山のアクティビティは非日常感に溢れていてとても楽しいのですが、それなりに技術が必要ですよね。その点、ソリは気軽に楽しめる遊びとして雪遊び初心者にもおすすめ。最近は昔ながらのソリとはひと味違う、バイクや浮き輪のような形をしたソリもあるようです。今回は「ソリ」の魅力について、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えていただきました。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2018年2月17日(土)放送より)


※写真はイメージです。



◆「ゲレンデでスノーモトに乗ろう!」
スノーモトライダー 木村亜美さん

── スノーモトってどんなものなんですか?

スノーモトは、身近なところでいえばマウンテンバイクに似た乗り物です。マウンテンバイクの前後輪をそれぞれスノーボードにした感じでしょうか。ハンドルやサドルもありますが、サドルは座るためではなく、乗るときにバランスをとるためについています。

実は私はスキーもスノーボードも経験がないので、その2つとどう違うのか説明しづらいのですが(笑)、とりあえずスノーモトは足が固定されていません。フレームのデッキと呼ばれる部分に両足を揃えて置きます。そして体重移動とバランスで乗りこなす乗り物です。

── 今でもスキーもスノボもやったことがないんですか!?

そうなんです。初めてゲレンデで乗ったのがスノーモトで、それですっかりハマってしまいました。もともと高校生の頃からオートバイに乗っていたので、その延長線上でスノーモトが好きになったのかもしれません。山や林道を走って、ジャンプしたりする感覚は、オフロードバイクに似ていると思います。

スノーモトは2004年にアメリカで発表された乗り物で、新しいウィンターギアとして一躍注目を集めました。よく似た乗り物でスノースクートもあります。こちらはスノーモトのサドルがないバージョンで、両方を合わせてスノーバイクと呼ばれるのですが、スノースクートは1990年代からあったそうです。

── スノーモトはどれくらいスピードが出るものなんですか?

速い人なら時速50kmくらいは出ます。私の最高記録で時速77kmです。かなりドキドキしましたが、それくらいスピードを出すときはニット帽じゃなくてヘルメットが必要ですね。服装はスキーやスノーボードとほぼ同じで、靴はスノボブーツか、雪山を歩くためのスノートレッキングブーツ。私はコンパクトで動きやすい後者をいつも履いています。

近年、スノーバイクで滑走できる場所がどんどん増えていて、スキーやスノーボードに次いでゲレンデで見かけるくらいになりました。私が好きなゲレンデは野沢温泉スキー場と栂池高原スキー場です。栂池は初期からスノーモトの滑走を認めたスノーモトの聖地。道具はレンタルできるので、気軽に挑戦してみましょう!


◆「感染症の大流行を救った犬ぞり」
ドグタウン工房株式会社 平井寧さん

── ソリを引く犬ってどんな犬種なんですか?

アラスカンハスキーが多いですね。アラスカンハスキーはシベリアンハスキーやポインター、昔からアラスカにいた土着の犬たちなど、いろんな種類が交じった犬種です。もともとソリ犬を総称でハスキーと呼ぶのですが、力やスピード、スタミナ、ガッツなどをすべて併せ持っているのがアラスカンハスキーと言えるでしょう。

本格的なレースはハスキーが多いのですが、世界中で行われているファンレースは、小さなダックスフントから大きなシェパードまで、いろんな種類の犬がいろんな種目で楽しんでいます。ソリなしで人間も一緒に走るレースや、人間も一緒になってソリを押すレースもありますから。ダックスフントなんて足が速いし根性もあるので、意外とソリレース向きです。

── 犬ぞりって、もともとは移動手段だったんですよね?

犬ぞりは大きく2〜3種類に分類できます。冬の間、北極圏で猟をするときに使っていた移動手段もそのひとつ。馬のような大きな動物だと雪に沈んでしまって走れないので、体の小さな犬が役に立ったんです。それから重い荷物を運搬するのにも犬ぞりが使われました。でも、現在はスノーモービルやクローラーなどの機械があるので、犬ぞりはスポーツとして残っています。

北米やヨーロッパはもちろん、日本でも年間に6〜7レースが開催されています。日本では基本的にファミリーレースとして短い距離を走って楽しみますが、海外では本格的なレースもあります。短距離のスプリントレースなら1日30〜40kmを3日間走るのですが、だいたい時速30kmくらい出ます。

── 短距離が30kmとなると、長距離はどれくらい走るんですか?

長距離のディスタンスレースは1200kmくらいの距離を1週間から10日間くらいかけて旅するレースです。夜になると−20〜−30℃まで冷え込む中で人も犬も一緒になって旅をするので、かなり過酷ですね。

このディスタンスレースが誕生するきっかけになったのが、1925年にアラスカで起きた感染症の大流行でした。街に血清がなかったため、犬ぞりのリレーで1000kmもの距離を走って血清を届けたのですが、その偉業を記念して、1970年代の初頭に初のディスタンスレースが開催されたんです。かつてはリレーだった距離をひとつのチームで走りきるのですから、本当に過酷なレースです。


◆「秒速30m以上のスピードが出るソリ競技」
平昌五輪スケルトン日本代表監督 山夲忠宏さん

── 五輪のソリ競技はどんな種目がありますか?

ボブスレー、リュージュ、スケルトンの3つです。ボブスレーは覆いの付いた大きなソリでご存知の方も多いと思いますが、スケルトンは1名だけの種目で、板状のソリに腹ばいになって頭から滑っていきます。リュージュは1〜2名ですが、仰向けになってつま先から降りていくのがスケルトンとの特徴的な違いです。さらにスタートもスケルトンは自分の足で走って助走をつけるのに対して、リュージュはスタート地点のバーを腕で引っ張って滑り出すのが大きく違います。

リュージュは幼い頃からトレーニングを重ねないと五輪に出るような一流選手にはなれないと言われています。でも、スケルトンは高校生から始めても五輪選手になれる種目です。それでも最終的には技術の差でタイムが違ってくるので、単なる度胸試しをしているわけではありません(笑)。

── スケルトンやリュージュの技術って何をするんでしょう?

ソリ競技は人間の力で加速できるのがスタートだけなので、その後はソリを操作して一番良いコース取りをするのが技術です。リュージュはソリの先端部分を足で操作できますし、スケルトンは主に左右の肩を動かして操作します。さらにスケルトンはうつ伏せなので、つま先を氷に当てることで微妙な操作をすることも可能です。スケルトンは1/100秒を競う競技ですが、リュージュに至ってはそれが1/1000秒。ですから数cmのコース取りで勝ち負けが変わってしまいます。

── 頭から滑っていくスケルトンって、ものすごく怖そうですが……。

みなさん、そうおっしゃいますね(笑)。でも、本当はリュージュが一番危険で、スケルトンが一番安全です。スピードは時速130kmくらいでそんなに変わらないのですが、スケルトンは両足のつま先で氷に触ってバランスを調整できるのでまだ操作しやすいんです。リュージュはそれがいっさいできない中でソリを操作しなければいけないので、かなり難しくなります。

もともとソリ競技は曲がりくねった山道をソリで下る遊びでした。それがどんどんスピードを求め、競技として発展する中で、現在のように人工的に作ったコンクリートの凍結トラックをコースとして使用するようになったんです。しかし、スイスのサンモリッツは今でも山道のコースを使用しています。大会が開かれるとコース脇でカウベルを持った人々が大声援を選手に送る、ソリ競技の発祥の地にふさわしい場所です。


TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人(!)のエヌ博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・新一クンと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。

あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。2月24日(土)の放送のテーマは「UFO」。お聴き逃しなく!


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聴取期限 2018年2月25日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:ピートのふしぎなガレージ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週土曜17:00〜17:50(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/garage