モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。4月20日(水)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「日立が給与を減らさずに“週休3日”を導入へ」。学習院大学 非常勤講師・塚越健司さんに解説していただきました。


※写真はイメージです


日立製作所が、給与を減らさずに「週休3日」にできる、新たな勤務制度を導入することが分かりました。対象は「フレックス制」と「裁量労働制」が適用される従業員、およそ1万5,000人です。

1日の「最低勤務時間」を今年度中に廃止し、これによって一定の日数を長めに働き、就業しない日を設けることで、総労働時間を維持したまま「週休3日」の働き方も可能になります。また、労働時間が変わらないため、給与も下がることはないということです。

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吉田:“給与はそのまま”で「週休3日」にできるというところがポイントですが、塚越さんはこの制度をどのようにご覧になりましたか?

塚越:基本的には良い印象があるのですが、細かいところで注意が必要かなと思います。若い人は自分磨きの時間に使えたり、子育て世代は平日の子どものイベントなどに出席できたり、介護の時間にも利用できたり、時間を有効に使えることは重要です。ただし、自分で選ぶということは「自己マネジメント力」も必要になってくるかなと思います。

吉田:また、パナソニックホールディングは4月18日(月)、社員の希望により週に3日間休める「選択型週休3日制」を試験的に導入する方針を明らかにしました。今年度中の導入を目指すということです。

NECも「週休3日制」の導入を検討しています。「週休3日制」の導入をめぐる動きが活発になっている印象を受けますが、これにはどのような背景があるのでしょうか?

塚越:社員がすぐに辞めて転職するなど、企業の労働力不足が問題となっています。「労働環境の改善」という意味で、この制度が注目されているという点があります。また、会社に出社し、一定時間働くといった企業の慣例を見直し、より生産性を上げようという試みでもあります。

実際に欧米ではそのような働き方が進められています。例えば労働者が自分の裁量で平日に休みを設けることで生産性が上がり、結果的に企業全体の生産性が上がることも注目されています。さらにコロナ禍でのリモートワークが増え、時間の見直しが大事だということが注目されたのが背景にあると思います。

ユージ:「週休3日制」と言っても、日立のように「総労働時間を変えず、給与を維持する」パターンや、「総労働時間が減って、給料が減る」パターンなど、いくつかパターンがありますよね?

塚越:はい。おっしゃる通り3つのパターンがあります。

(1)圧縮労働型……週の労働時間や業務量の総量は変えない(今回の日立のような例)
(2)報酬削減型……週の労働時間や業務の量を削減する代わりに報酬も削減する。
(3)報酬維持型……労働時間を減らしても、生産性を上げることで報酬を維持する。

こう聞くと(3)の「報酬維持型」がいいなと思いますよね。実際に欧米では増えてきているのですが、日本企業の場合はどちらかというと(1)(2)があるかなというところです。現状においては、さまざまな企業が試行錯誤している段階かなと思います。

ユージ:「週休3日制」、今後、多くの企業に広がり、日本社会に定着していくと思われますか?

塚越:なかなか難しい点はあるかなと思います。業界によって働き方が違いますし、非正規の方や中小企業はどうなるのか、などの問題もあります。コロナ禍でオンライン業務が増えましたが、「感染者数が落ち着いたら、すぐにオンラインから出社を強要された」という話が昨年、少し問題になりましたよね。

こういう問題を考えてみると、日本的な企業文化を変えるには、まだまだ時間がかかるのかなと思います。さらに言うと、制度として認められていても、なかなか言い出しにくかったり、人間関係の問題や、業務のしわ寄せが増えてきてしまうなど、まだまだ課題はありますね。

ユージ:フレキシブルになっていき、選択肢が増えるのは良いことなのかなと思いました。ある意味、企業にいながらフリーランスというか、“在籍フリーランス”に近づいていると言いますか。

塚越:そういった動きも加速していくと思います。それに応じた問題も出てきますが……。一番重要なのは、個人・企業を含めて生産性が上がらないと、この制度の意味がなくなってしまいます。全体として生産性を上げることをベースに、こういったことを考えていくことが今後必要になってくると思います。

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聴取期限 2022年4月28日(木) AM 4:59 まで

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番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月〜金曜6:00〜9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイトhttps://www.tfm.co.jp/one/