西野亮廣さん



脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMの番組「Dream HEART」(毎週土曜 22:00〜22:30)。2月13日(土)、20日(土)は、2週にわたってお笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんがゲスト出演。13日(土)放送は、絵本「えんとつ町のプペル」制作のきかっけや、製作総指揮・脚本をつとめた映画「えんとつ町のプペル」でブルーノの声を担当した立川志の輔さんについて語りました。

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1980年に兵庫県に生まれた西野さん。1999年に梶原雄太さんと、漫才コンビ・キングコングを結成します。西野さんの活動はお笑いだけにとどまらず、絵本執筆やソロトークライブ、舞台の脚本執筆を手がけ、海外でも個展やライブを開催しています。2015年には、東京・渋谷の“ハロウィン翌日のゴミ問題”の娯楽化を提案。区長や企業、500人ほどの一般人を巻き込む異例の課題解決法が評価され、広告賞を受賞。ほかにも「街づくり企画」「世界一楽しい学校作り」など未来を見据えたエンタメを生み出して注目を集めています。そして2016年に絵本「えんとつ町のプペル」を発表。累計発行部数69万部(※2021年2月現在)の大ヒットとなり、2020年12月には映画化もされて話題を集めています。

西野亮廣さん、茂木健一郎




◆“バランサー”になりたくてこの世界に入ったわけじゃない

茂木:映画「えんとつ町のプペル」は、声優さんたちも素晴らしくてね。主人公のルビッチが女優の芦田愛菜さんで、ゴミ人間プペルが俳優の窪田正孝さん。そして、立川志の輔師匠も出ています。

西野:立川志の輔師匠のポジションが非常に重要な役割なんです。ルビッチという主人公の少年に「この煙の向こう側には星があるよ」ということを伝える役割なんですよ。誰も信じていないんですけれど、お父さんのブルーノさんだけは、そういうことを言うんです。

茂木:真実を伝えるんですね。

西野:実は、これは白状すると、「えんとつ町のプペル」は僕の自叙伝で、自分の半生を投影しているんです。25歳のときに、“このままテレビをやっていても、あんまり先はないな”って思い始めていたときだったんです。

茂木:(ビート)たけしさんとかタモリさんとか、(明石家)さんまさんとかの上にはいけないと?

西野:そうですね。これはテレビに限らず世の中の理(ことわり)だと思うんですが、競争に参加すると、最終的にその競技を作った人にポイントが入っちゃうんです。例えば、テレビ番組で結果を出せば出すほど、その番組が続く、みたいな話で。結果を出せば出すほど、大元が延命していくんです(笑)。それはそういうものだな、と思っていますが…。

茂木:それが、えんとつ町から出ているあの煙なんだ! 今腑に落ちた!

西野:(笑)。それで、この先どうしたらいいか………って考えたときに、その競争で自分の名前を売るためには、どこかまでは乗らないといけないんですけど、どこかのタイミングで自分で舵を取って、自分の競争をしなきゃいけないな、と思い始めたんです。それが25歳のときです。

とは言え、どうしたもんかな……と思っていたときに、志の輔師匠の「志の輔らくご」を観に行かせていただいたんです。そこでの一挙手一投足が、もう最高で。僕はテレビをずっとやっていたので、白状するとやっぱり折り合いをつけてやらなきゃいけない仕事が結構あったんです。深夜番組でやっていたときは別によかったんですけど、ゴールデンに上がれば上がるほど、消化しなきゃいけないこと、お仕事としてやらなきゃいけないことが結構あったんです。でも、「志の輔らくご」だけは、志の輔師匠が、“僕がおもろいと思っているものはこれです!”っていうのを全部バーンって出して。そこを地軸に星が回っているくらいの。

茂木:芸術だもんね。

西野:“これが許されるんだ!”と思ったんです。でも考えてみたら、別にバランサーになりたくてこの世界に入ったわけじゃなくて、自分が面白いと思ったことをバーンとやって、“どうだ!”っていうのをやりたくてこの世界に入ったのに、求められることに応えると、すごく褒められるので、どこかのタイミングで少しずつズレていっていて。

ですが、志の輔師匠の落語を観たときに、志の輔師匠の“おもろい”にお客さんが集まり、スタッフさんが集まり、それで回っていたので、“こんな世界があるんだ”と思いました。僕にとっては、“こういう「おもしろい」があるよ”、つまり“「星」があるよ”って見せてくれた人なので、ブルーノ役は志の輔師匠しかいないと思って。

茂木:依頼しにいったとき、どうでした?

西野:もう、むちゃくちゃ緊張しました。でも1つ決めていたのは、スタッフさんからオファーを出してもらって断られたときに、一生後悔するなと思ったんですよ。だったら自分がちゃんとお願いをして、思いを伝えて、それで断られたら、それはまあ仕方がないかなと思えるので。

まず、志の輔師匠にご連絡させていただいて麻布の鰻屋さんに行きました。「実は師匠、こういう思いがありまして、映画『えんとつ町のプペル』のブルーノっていう役で声優をやっていただけないですか?」ってお願いをしたら、2つ返事で「そんなん全然やる」って。「そんなありがたい話やらせていただきたいです」って言っていただいて。

ただし、やっぱり条件がついて。「『えんとつ町のプペル』という作品は、西野くんと、西野くんの周りのスタッフ、そしてファンの方がすごく大事に育ててきた作品。僕は西野くんよりもだいぶ先輩だから、おそらくアフレコの収録のときに、西野くんが僕に気を遣うことがあると思う。でもそれはやっぱり、スタッフの皆さん、ファンの皆さん、西野くんが育ててきた作品にそんなものが混ざってしまったらよろしくないから、僕の技術が至らなかったら、何度でもやり直しを申しつけてください、それができないのであればお断りします」って言っていただいて。

茂木:さすが志の輔師匠。“ガッテン”だな、これは!

西野:ガッテンなんですよ。そこで背筋がシャンって伸びました。それで本当にアフレコの収録のときなどに、僕が大師匠に「そこはそうじゃないです」って。

茂木:ちょっと、ダメ出ししたの?

西野:ダメ出ししたんですよ! そういう約束だったんで。



映画「えんとつ町のプペル」は、全国で絶賛公開中です。詳しい情報は、作品の公式Webサイトをご確認ください。

次回2月20日(土)の放送も、引き続き西野さんをお迎えしてお送りします。お楽しみに!

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聴取期限 2021年2月21日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYO FMをはじめとするJFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00〜22:30
パーソナリティ:茂木健一郎
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/dreamheart/