手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。6月12日(土)の放送では、京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授の鎌田浩毅(かまた・ひろき)名誉教授に、「富士山噴火と都心の被害予想」について伺いました。


※写真はイメージです



7月に山開きを迎える「富士山」。この富士山は、活火山です。活火山とは、おおむね過去1万年以内に噴火した火山や、現在も活発な噴気活動のある火山のことを言います。

現在、日本全国にある活火山は、近畿、四国を除くほぼ全国に111個あると言われています。

噴火に伴って災害を引き起こす火山現象には、大きな噴石や融雪型火山泥流、溶岩流、火砕流などさまざまなものがあります。そして、もう1つ、大きな被害をもたらす恐れがあるのが、“火山灰”です。

鎌田さんは、「火山灰はただの灰ではない」と指摘します。

「(火山灰は)火山の灰って書くので、タバコの灰や木の燃え殻みたいに水に流せると思われているんですよ。でも、実際の火山灰ってガラスの欠片(かけら)なんです。ガラスのコップを砕いたら火山灰になるんですよ。目に入ったら炎症を起こすし、喉に入れば気管支炎を起こします。花粉症どころじゃなく目や鼻、喉を痛める。それが火山灰の正体です」と警鐘を鳴らします。

火山の灰は、たばこの灰のようなものではなく、“ガラスの欠片”なんですね。

政府の中央防災会議の作業部会は、1707年に起きた宝永噴火と同規模の噴火が起き、偏西風が吹いた場合、火山灰は3時間で首都圏の広範囲を直撃すると予測。

東京・新宿区でおよそ10センチ、三鷹市で20センチ弱、神奈川県横浜市で2センチ程度積もるという結果を公表しています。

鎌田先生は、都心に火山灰が降ると、私たちの生活に大きな影響を与えると話します。

「コンピューターに(火山灰が)入ると、結局ライフラインを止めてしまうんですよ。大都市の電気、ガス、水道のライフライン全部が使えなくなる。それから、交通もそうです。電車もそうだし、自動車やバスもフィルターを火山灰が詰まらせると動かなくなる。

首都圏には火力発電所がたくさんありますが、火山灰が入るとタービンを止めてしまう。飲み水も、浄水場に火山灰が降ると水が汚れるわけですよね。つまり、都市生活が基本的に全部ストップする可能性があるわけです」

例えば、道路に積もるとわずか0.5ミリの厚さでもセンターラインなどが見えにくくなったり、スリップしやすくなったりします。火山灰が雨を含んで電線に付着すると、その重さのために電線が切れたり、導電性が高まるので漏電などを起こして送配電機器を故障させたりして、停電を引き起こすこともあります。

鎌田さんの著書『富士山噴火と南海トラフ』(講談社ブルーバックス)では、富士山噴火や、今回お伝えした内容がわかりやすく解説されていますので、気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。

<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25〜8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/