ミュージシャン、デザイナー、作家、俳優、職人など、異なるフィールドを舞台に活躍する“ふたり”が語らうTOKYO FMの番組「三井ホーム presents キュレーターズ〜マイスタイル×ユアスタイル〜」。
今回のゲストは、井浦新さん(俳優)×今泉力哉さん(映画監督)。現在公開中の映画「かそけきサンカヨウ」で初めてタッグを組んだお二人が、お互いの印象を語りました。


井浦新さん、今泉力哉さん



井浦さんは、1998年に是枝裕和監督の映画「ワンダフルライフ」の主演で俳優デビュー。その後も映画、テレビドラマなど幅広い作品に出演し、アパレルブランドのディレクターとしても活動。カメラ、登山、美術、音楽など多趣味なことでも知られています。

今泉さんは、2010年に商業監督デビュー。等身大の人々の日常を描くことに長け、これまでに「サッドティー」「愛がなんだ」「アイネクライネナハトムジーク」「あの頃。」など次々とヒット作を発表。恋愛映画の名手とも言われています。

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映画「かそけきサンカヨウ」は、作家・窪美澄さんの同名短編小説を今泉監督により映画化された作品。
幼い頃に母が家を出て、父親の直(井浦新さん)と2人暮らしをしている高校生の陽(志田彩良さん)を中心にストーリーが進んでいきます。父が再婚し、義母と4歳の連れ子による4人家族の新たな暮らし。家族について悩みながら成長していく陽の姿が丁寧に描かれています。

◆俳優・井浦新、監督・今泉力也…お互いの印象は?

今泉:僕は、(井浦さんのお名前が)「井浦新」さんになる前の「ARATA」さんのときから一映画ファンとして観ていましたし、是枝監督の「ワンダフルライフ」(1999年)とか、「ピンポン」(2002年)しかり、ずっと観ていました。

「青い車」(2004年)を上映していた当時、アミューズCQN(現・ヒューマントラストシネマ渋谷)の劇場でずっとバイトをしていたので、今回ご一緒できたのもご縁というか、本当にうれしいなと思っています。

「かそけきサンカヨウ」の現場で初めて会ったのが、衣装合わせのときだったと思うんですけど、新さんが髪型やメガネ、衣装、直というお父さんのキャラクターについても(事前に)考えてきてくださっていて。「パリッとした服ではなくて、柔らかいほうかな」とか、アイデアを出してくださったことを覚えています。

現場に入ってからも、言われたことだけをやるのではなく、本当にちょっとしたセリフの部分でアイデアを提示してくれたりと、助けられたのを覚えています。

井浦:今泉監督作品は、ほぼすべて拝見していて、作品から伝わってくる監督のイメージ像は、ご本人と重なっているところもあるのですが、やっぱり作り方は監督のみなさんそれぞれですので。今泉監督が現場の中心でどのようにしているのかは楽しみなところでもあり、そこで争うわけではないですけど、やっぱり俳優はぶつかっていかなければいけないので。「(今泉監督は)どういうタイプなんだろう」「どういうリズムなんだろう」とか(を考えながら提案しました)。

今泉:新さんに見られるのは、めちゃくちゃ怖いですけどね(笑)。しかも基本、(僕は)現場では迷っていて、決めていく側ではないので、みんなに助けてもらいながら作っています。

井浦:僕の(撮影)初日に、監督が台本に夢中になって、格闘しながらも縮こまって床に台本を置いて書き込んだり、自分の世界に入ってずっと目を見開いたまま考えたりしている姿を見て、素敵だなと思って。

だから、始まる前にああだこうだ(と言うの)ではなくて、カメラが回っているなかで、対話して、お芝居を見てもらって、そこで足し算や引き算をし、まずはテスト……のような感じでやっていきました。

監督ご自身は悩んでいるとか言いますけど、それをひっくるめて、スタッフやキャストのみんなが夢中になって映画作りをしている姿が、きっと力になっているんだなと感じました。だから僕は、作品と監督自身はやっぱりちゃんと重なっていて、すごく伝わってきました。

今泉:それはすごくうれしいです。

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次回12月3日(金)放送のゲストは、稲垣えみ子さん(フリーランサー)山極寿一さん(総合地球環境学研究所 所長)です。

<番組概要>
番組名:三井ホーム presents キュレーターズ〜マイスタイル×ユアスタイル〜
放送日時:毎週金曜 17:00〜17:25
ナビゲーター:田中麗奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/curators/