アーティストの坂本美雨がお届けするTOKYO FM「坂本美雨のディアフレンズ」。7月19日(月)の放送は、芸人・漫画家の矢部太郎さんがゲストに登場。6月に発売した最新作「ぼくのお父さん」(新潮社)について語りました。


矢部太郎さん



矢部さんは芸人としての活動のほか、現在はドラマや俳優、ナレーターなどマルチに活躍しています。2017年に出版したマンガ家デビュー作「大家さんと僕」(新潮社)で、第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞。シリーズ累計120万部の大ヒットを記録しています。

◆最新作は父との心温まる物語

坂本:手塚治虫文化賞短編賞の受賞は感慨深かったのでは?

矢部:そうですね。小学生の頃、手塚先生のファンクラブに入っていたので。憧れの方の名前がついた賞をいただき、しかも今年からは選考委員もさせてもらっているんです。

坂本:手塚治虫さんのようなベレー帽をかぶって写真を撮られていましたよね(笑)。

矢部:ちょっと調子に乗りました(笑)。

坂本:6月に新作「ぼくのお父さん」が誕生しました。絵本作家・紙芝居作家であるお父さま(やべみつのりさん)と幼い頃の矢部さんの物語で、とても心温まる1冊でした。

『#ぼくのお父さん』と僕と父でツイッター用に写真を撮らせてとお願いしたら、父が自分の絵本をたくさん持ってきてこんな写真になりました。。#父の日 pic.twitter.com/Z6o12saaal

— 矢部太郎 カラテカ (@tarouyabe) June 19, 2021

矢部:本当ですか。僕とお父さんの日々あったことを書いているので、ほかの方にどう読まれるかわからないところがあったので……。すごくうれしいです。

坂本:これを読むと、お父さまは子どもの頃の矢部さんと同じ目線で日々いろいろなことを発見し、一緒に遊んでいたんですね。

矢部:子ども向けの絵本や紙芝居を作っていたので、子どものことを尊敬しているというか、「子どもはおもしろい」ってよく言っていて。いつも子どもと一緒に遊んだり、絵を描いたりしていました。

坂本:大人になって創作をしていると、“子どもには本当に敵わないな”っていうときがありますもんね。

矢部:子どもが描いた絵っていいですよね。何気なく描いた絵でもとても素敵で、大人では描けないなって。

坂本:お父さまは矢部さんが小さい頃に描いた絵など、いろいろなものを残してくださっているんですよね。

矢部:そうなんです。モノを捨てない人っていうか、全部残しておいてくれていて、僕が描いた絵もずっと飾ってくれています。(ある日)それらを父が送ってきてくれたんです。そこから今回の漫画が描けるんじゃないかと思って。

坂本:作品のなかにも出てくる「太郎ノート」。これは記録というか、育児日記のようなものですか?

矢部:絵とちょっとした文章で日々あったことが細かく書いてあって、いろいろな発見がありました。例えば、僕はウサギを飼っていたんですけど、そのウサギが死んでしまったときに、お父さんが僕に(そのウサギを)抱っこさせて絵を描いてくれた記憶があるんです。でも、太郎ノートにはお父さんとウサギを埋めに行って、そのとき僕が歌を歌っていたって詳しく書いてあって。そんなことはまったく覚えていないので不思議な気持ちでした。自分を客観的に見るような感じでした。

坂本:記憶が立体的になっていく感じがしますね。

矢部:写真とはまた違う感じがしますよね。

坂本:この作品のなかで、お父さまは写真を撮ると同時に、同じ風景の絵を描いていたことが印象的でした。

矢部:「写真だと映りすぎるから」みたいなことを言って、絵を描いていましたね。写真だと、そのときの風景や洋服は全部映るかもしれないけれど、例えばお母さんの気持ちとか、もっと残すものがあったら……っていうことかもしれないです。

坂本:だからこうして絵に残し、それをまた矢部さんが読んで新たな作品になることが素晴らしいですね。

矢部:これをまた父が作品にして……って、無限にループできるかもしれない(笑)。

<番組概要>
番組名:坂本美雨のディアフレンズ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時:毎週月〜木曜11:00〜11:30
パーソナリティ:坂本美雨
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/dear/