放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。3月7日(日)の放送では先週に引き続き、アル株式会社・代表取締役CEOの古川健介さんが登場しました。


左から、高須光聖、古川健介さん



◆テレビの時代が再びやってくる!?

高須:けんすうさんはインターネット関連のお仕事をずっとされていますよね。今は日本と海外との差ってあると思うんですけど、今後インターネットとテレビってどうなっていくと思われますか?

古川:テレビの価値がこれから上がっていくんじゃないかなと思っています。昔はモノ消費(商品所有に価値を見出す消費)からコト消費(イベントや体験に価値を見出す消費)と言われていたのですが、今は“トキ消費”、つまりリアルタイム性があるものに人々が価値を見出しているんですよね。

テレビって、放送する時間が決まっているからリアルタイム性があるんですよ。番組を観ながらTwitterとかで感想をつぶやくことに楽しさを見出している方が増えてきています。低コストで多くの人に届けることができるメディアは強いんじゃないでしょうか。

高須:インターネットの世界でも、テレビのようなセットが作られたりだとか広告費を投入していく流れになっていますよね。つまり、テレビとインターネットの境目がなくなってきているでしょ?

インターネットの世界で素人の学園祭のノリみたいな感じで楽しんでいた人たちにとっては、境目がなくなることで“あれ?”と思う人が出てくるんじゃないかなぁ。その境界が融合したときに、これから先どんな変化を迎えるのかなって思っています。

古川:そうですね。でもやっぱり、ブランド的なものはあると思っています。インターネットって、誰でもできるぶん、ブランド的な価値は低いと思うんです。さらに刺激が強いことをやったほうが低コストでウケるから、そういったものが増えてきちゃう傾向があるんですよね。一方テレビに関しては、そういうことに“歯止め”があるんですよ。そういった点に可能性を見出しています。

◆今後の“YouTubeの世界”を考察
高須:今のYouTubeって芸能人やYouTuberが増えてきているし、「中田敦彦のYouTube大学」のような、手短にいろんなことを教えてもらえて知的な欲求を満たしてくれるコンテンツも出てきていますよね。YouTubeは今後どういう流れになってくると思いますか?

古川:YouTubeというプラットフォームの癖として、一極集中を避ける傾向にあるんですよ。例えば、中田敦彦さんはすでにテレビで成功されている方だから、そんなに露出をしなくても大丈夫じゃないですか。なので視聴者は、新しく参入したYouTuberにチャンスを与える。

そして、そのYouTuberが一定の成功をおさめたら、また次のYouTuberに意識が向かうんですよね。そうなってくると、YouTubeの世界でしか通用しない勝者が生まれてくるんじゃないかなと思うんです。

高須:なるほど。

古川:月収100万円ぐらいをもらうようになると、もう辞めるに辞められなくなりますよね。

高須:YouTubeって、これから先すごくつらい状況になるんじゃないかなって僕はすごく感じているんですよね。

古川:思いますね。今後、YouTubeの世界で大化けする人は出にくい状況になってくるのではないでしょうか。

◆「次のSNSはダンスだ!」

高須:今までいろんなインターネットのサービスをされてきて“失敗したな”って思ったものはありましたか?

古川:やってきたサービスのほとんどが失敗していますね(笑)。インターネットの世界って残酷で、一生懸命作ったサービスを出しても、どんなに宣伝しても“ピン”とくるものじゃないと、批判すらされないし見つけてもくれないんですよね(笑)。

高須:それって悲しいですね。せめて文句ぐらいは言ってほしいですよね。

古川:そうですね。けっこうそういうものが多いですね。たとえば、2013年ぐらいに「次のSNSはダンスだ!」って言ったら周りから笑われて。それでも、ダンスを通じて世界中と繋がるサービスの時代がくるはず、と思って作ったものがあったのですが大コケしました。

高須:TikTokみたいでよさげじゃないですか。

古川:そうなんですよ! そして、その数年後にTikTokがブレイクしたんですよね。(流行らなかったのは)自分の実力不足でした。

高須:悔しいですね。作りたいラインはわかっていたのに、ヒットに手が届かなかったんですね。

古川:なので、アイデアじゃなくて実装がとにかく大事だなと感じました。

高須:やっぱり、みんなで手直しを何度もしながら、納得のいくものを仕上げるまで粘らないといけないんですね。

古川:そうですね。しかも残酷なことに、ダメなサービスはどんなにいじってもダメなんですよ。

高須:そうなの!?

古川:いいサービスは、出して1分ぐらいでわかっちゃうんですよ。反応が違いますから。一生懸命作ったものが1分で判断されちゃう世界です。

高須:悲しい! 頭のなかではみんなが素晴らしいと思ったはずのものなのに。

古川:不思議ですよね。

高須:自分の作ったサービスが失敗したあとに、発見できたものってありました?

古川:“こういうのがいいんだ”っていうのは、今までの失敗からたくさん気付けましたね。ほかの人がやっていたものですと、キングコングの西野亮廣さんが深夜に仕事をしている様子をただ映していたものがあったんです。それがものすごくウケていたんですよ。喋りが上手な人だから絶対トーク配信のほうが面白いはずなのに、面白くないほうがウケていたのはどういうことなんだろう”と思ったんです。その疑問が自分のアイデアに繋がりましたね。

◆「退屈なコンテンツのはずなんですよ」
高須:けんすうさんのなかでお知らせしたい面白いことって何かありますか?

古川:クリエイティブ活動をする人が作業風景を配信する「00:00 Studio(フォーゼロスタジオ)」が面白いので、ぜひそちらをチェックしてほしいですね。

高須:僕も一度、時間があるときにしっかり覗いてみます。需要があるからこそ、登録者が3,000人を超えているんですもんね。この需要って、何かのヒントになるような気がするんですよ。

古川:そうですね。普通に考えたら、すごく退屈なコンテンツのはずなんですよ。

高須:なのにこれだけの人が集まるということは、惹きつける“何か”があるんでしょうね。

古川:僕もまだ、それが何なのかを掴めていない段階です。

高須:いいコンテンツを見つけられましたね。

<番組概要>
番組名:空想メディア
放送日時:毎週日曜 25:00〜25:29
パーソナリティ:高須光聖
番組公式Facebook:https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/