アーティストの坂本美雨がお届けするTOKYO FM「坂本美雨のディアフレンズ」。3月18日(木)の放送は、エッセイストの内田也哉子さんがゲストに登場。内田さんの母・樹木希林さんに関するエピソードを語ってくれました。


内田也哉子


◆強い母の元で育てられたという共通点

坂本:質問です。也哉子さんはどんな子どもでしたか? 1月7日(木)に発売された、内田さんが翻訳を手がけたイギリスの絵本「こぐまとブランケット 愛されたおもちゃのものがたり」のあとがきでは、お母様の樹木希林さんの教育方針が書かれていましたね。「子どもにおもちゃはいらない」という内容でした。

内田:極端な人でねえ。

坂本:(笑)。本当に何もなかったんですか!?

内田:1個もなかったです。それが子ども時代のトラウマと言いますか(笑)。でも、大人になって自分が子どもを育てるようになってからは、母が伝えたかったことが、なんとなくわかるようにはなりました。

母は戦後、ものがない時代に生まれ育って、大人になった頃には、もので溢れた時代になっていた。高度成長期や消費社会に対するアンチテーゼというか、なるべく少ないもののなかで、子どもをあまり子ども扱いし過ぎない。そういう教育方針でしたね。

家のなかにあるお鍋とか椅子とか傘を広げて、お家を作って遊んだりしましたし、絵を描くことも、その環境下で好きになりました。オモチャがないぶん本を読みましたし、数冊あった絵本にも大きな影響を受けました。

情報が少なかったぶん、当時見聞きしたり、触ったりしたものが自分のなかで色濃く残り続けています。極端な教育方針ではありましたけれど、「こういうのもアリかな」って思うようになりました(笑)。

坂本:お互い似た環境と言いますか、強いお母様のもとで育ってきたのかなと思っております(笑)。

内田:うちはそうでしたけれど、美雨さんも?

坂本:はい。強くて宇宙人な母(矢野顕子さん)に育てられました。

内田:(笑)お母様は偉大なアーティストですもんね。

坂本:もちろん、“全然理解できないな”ってところもあるんですけど、歳を重ねると“似てきたな”って思うところもあって。也哉子さんはいかがですか?

内田:私は、どこに行っても「話し方や雰囲気が母にソックリ」と言われますね(笑)。小さい頃は「やだなぁ」って思っていましたけど、神隠しにあったみたいに突然いなくなってしまいましたから。

なので、母が言ってくれた言葉を、ふとした瞬間に思い出すんです。母の生前は、“自分の人生を自分で歩いていく”って思っていたのに、今はふとしたときに記憶のなかから母の言葉を手繰り寄せていることが多いですね。

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内田さんが翻訳を手がけたイギリスの絵本「こぐまとブランケット 愛されたおもちゃのものがたり」(L.J.R.ケリー (著)、たなかようこ (絵)/早川書房)は現在発売中です。ぜひ、チェックしてください!

次回4月5日(月)のゲストはゴスペラーズ・酒井雄二さん、6日(火)は山田邦子さん、7日(水)はTENDREさん、8日(木)は崎山蒼志さんです。どうぞお楽しみに!

<番組概要>
番組名:坂本美雨のディアフレンズ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時:毎週月〜木曜11:00〜11:30
パーソナリティ:坂本美雨
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/dear/