本部長・マンボウやしろと秘書・浜崎美保がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「Skyrocket Company」。毎月第2水曜日に、我々が知っているようでよく知らない「お金」や「経済」の仕組みなどを、専門家の方に詳しく解説してもらうコーナー「スカロケ資産運用部」をお届けしています。

3月10日(水)の放送では、愛と経済の伝道師“宗さま”こと三井住友DSアセットマネジメントの宗正彰(むねまさ・あきら)さんに、「東日本大震災から10年、あの頃と今のコロナ禍の違いについて」というテーマでお話を伺いました。

(左から)マンボウやしろ、宗正彰さん、浜崎美保


◆東日本大震災後の株式市場を振り返る

浜崎:お話を伺うのはこの方、愛と経済の伝道師“宗さま”こと三井住友DSアセットマネジメントの宗正彰さんです。今回は「東日本大震災から10年、あの頃と今のコロナ禍の違いについて」をお話いただけるということですが。

やしろ:東日本大震災からまる10年になります。震災を受けて、当時の日本の株式市場は、どういった感じだったんでしょうか?

宗正:日経平均株価がまだ1万円水準だった頃です。震災当日の株式市場が終わったときの日経平均株価は、前日と比較して179円安の1万254円。意外と下がっていないですよね。

それはなぜかというと、震災が発生した時間が午後2時46分ごろ、つまりあと14分で株式市場が閉まるタイミングということで、事態が当日中に充分に織り込まれなかった。そして週明けの月曜日になると、震災発生当日の金曜日と比べて633円安の9,620円。ついに日経平均株価は1万円の大台を割りこみました。

ただ、週明けの月曜日の時点でも震災の規模のわりには、それほど下がっていないことがわかります。その理由は、日本の株式市場は外国人投資家の割合が大きく、海外で事態を把握して、実際に日本株を売り始めたのが火曜日からだったんですね。

やしろ:そこから急激に下がったんですか?

宗正:前日の月曜日と比べて、火曜日は1日で1,015円安の8,605円でした。

やしろ:今の水準の日経平均株価が1,000円下がるのとでは、話が全然違いますね。

宗正:その通りです。当日の下落率10.55%は、1987年のブラックマンデー、2008年のリーマンショックに次いで過去3番目の下落率でした。東証一部上場銘柄の97%が値下がりして、新聞の株式欄は下げを意味する下向きの黒い三角印が紙面を埋めつくしていました。同時に日本円は戦後最高値を更新、むしろこちらの方がダメージとしては大きかったです。

その後の17日の海外市場では、1ドル76円台前半まで円高が進みました。普通であれば、日本が大被害を受けているわけですから、日本円は売られて円安が進まなければおかしいですよね。

やしろ:円の信用が下がるというか、そういうことですよね。

宗正:そうなんです。ところがその時の為替市場では、日本の保険会社が被災者に保険料を支払うために、海外で保有している資産を売り払って円に換える、結果として円高が進むだろうという噂が出ていたんです。

ところが、これは事実ではない。為替市場の噂に乗じて、少ない取引の中で円買いが進んで、その結果円高になったということです。

◆格差を是正する必要がある

やしろ:東日本大震災、そして今の新型コロナ。同じく予想できなかった「被害」と言えるのかもしれませんが、株式市場や景気に与える影響の違いはどういったところなんでしょうか?

宗正:東日本大震災の時には、被災地以外のエリアでも、全国で自粛ムード一色になりましたよね。テレビもラジオも通常のCMをほぼ流さなくなりました。

やしろ:そうでしたね。

宗正:一定期間を経て、経済活動を止めるのは実は良くないのではないかということで動き始めたのですが、一旦止まってしまったことで、景気は落ち込んでしまいました。そして今のコロナ禍は、主体的な自粛というよりも活動制限ですよね。しかも日本だけではなくて、世界中で同時に課された活動制限です。

ここが震災とは大きく異なるわけです。世界中で同時に発生したリスクなので、為替市場はほぼ動かない。どちらの国の通貨が高くてどちらの国の通貨が安いってわけではないですから、この一年、為替市場はほぼ横ばいでした。

つまり日経平均株価の前提となる為替市場の動きが、円高が進んだ東日本大震災当時と今のコロナ禍とでは大きく違うわけです。さらに株式市場の関連で言えば、株式を持っている層と持ってない層の保有資産の二極化も進んでしまった。違う観点ですが、これも大きな問題だと思います。

やしろ:確かに、このコロナで進んだと思います。

宗正:そして新型コロナの感染拡大が向かい風になる業種と追い風になる業種、これも大きく2つに分かれています。新型コロナのワクチン接種が効いて、そして活動制限が緩和されたときには、まずは特に政治の力で、個人にしてもそうですし、企業にしてもそうですが、それぞれに生じた格差を是正する必要がありますね。

◆3回目を迎えたニューノーマル?

やしろ:来月から新年度が始まります。2021年度はどのような1年になりそうでしょうか?

宗正:来年度は、新しい生活様式の本格的なスタートになると思います。

やしろ:この1年が準備期間というか、慣れるような1年だったという感じですね。

宗正:来年度はニューノーマル元年。実は近年でニューノーマルというキーワードが使われたのが、今回で3回目なんですよ。1回目が2000年代の初頭、インターネットが普及し始めた頃です。

やしろ:IT革命的な、あの時代の動きですね。

宗正:はい。あの頃を境に、従来の経済的な考え方やビジネススタイルの常識が大きく変わっていきました。そして2つめが2008年のリーマンショックの頃です。金融業界の構造リスクや非倫理的な経営スタイルが問題視されました。これをきっかけに、企業は社会的な責任も負ってるんだと、そしてそこで働く個人の意識も問われるような時代になりました。

その次が今のウィズコロナ、アフターコロナを見据えたニューノーマルです。今回の特徴は、短期間で大きく何かが変わったのではなくて、これまで緩やかに進んできたIT化やDXつまりデジタルトランスフォーメーションのような変化が一気に加速したことです。

やしろ:何年間分かが早送りされている実感がありましたし、10年に1度くらいのタームで、世界的な価値観が変わるような大きな変化がありましたね。

宗正:そうですね。そしてこれまでも日本という国は、ピンチをチャンスに切り替えながら大きく変化してきたんですね。たとえば江戸時代まで遡ると、1853年に黒船が来たときに、鎖国を解いたことでガラッと日本は変わったわけです。でも実は黒船が来る100年くらい前から、諸外国によって「開国しろ」とずっと迫られていたんです。

やしろ:そうなんですね。

宗正:でも黒船が来て、いよいよ開けなきゃダメだということで一気に開国したんです。ということで、今の3回目のニューノーマルと、わりと特徴的な変化が近いかもしれません。

やしろ:例えば、デジタル庁ができるようなことも含めて、もしかしたら官民が一体化されて、日本がどこか良い方向に飛躍的に進むきっかけになる可能性も高いですよね。

宗正:そうなって欲しいし、そうしなきゃダメですよね。これだけみんなで頑張っているんですから。ピンチをチャンスに変えないと損です。私も仲間との飲酒と会食をどれだけ我慢しているか。

やしろ:個人的に飲酒を我慢しすぎて、宗さまが「うわーっ」ていう感じなんじゃないですか?(笑)

宗正:一日のリズムが変わってしまったというか、あまりしゃべらないせいか体力が余っちゃって夜中に目が覚めるんですよね。

やしろ:飲んでないから?(笑)

宗正:あの飲みながらの楽しく緩いしゃべり方も忘れちゃいますよね。人が変わっちゃいますよ私、このままだと(笑)。

やしろ:気をつけてください、本当に。

そして、もっといろいろな経済のお話が聞きたいという方は、宗さまのAuDee(オーディー)でも聴けます。「宗正彰の愛と経済と宗さまと」は毎月10日、20日、30日に配信していますので、そちらをぜひチェックしてください。宗さま、今回もありがとうございました。

宗正:ありがとうございました。

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<番組概要>
番組名:Skyrocket Company
放送日時:毎週月〜木曜17:00〜19:52(※コーナーは毎月第2水曜18:15ごろ〜)
パーソナリティ:本部長・マンボウやしろ、秘書・浜崎美保
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/sky/