本部長・マンボウやしろと秘書・浜崎美保がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「Skyrocket Company」。毎月第2水曜に、我々が知っているようでよく知らない「お金」や「経済」の仕組みなどを、専門家の方に詳しく解説してもらうコーナー「スカロケ資産運用部」をお届けしています。

9月16日(水)の放送では、愛と経済の伝道師“宗さま”こと三井住友DSアセットマネジメントの宗正彰(むねまさ・あきら)さんに、「菅政権の経済政策ポイントと気になるデジタルトランスフォーメーション(DX)加速」というテーマでお話を伺いました。

(左から)マンボウやしろ、宗正彰さん、浜崎美保


◆菅総理が安倍政権の経済政策を引き継ぐ利点とは?

浜崎:宗さま、今回はですね、「菅政権の経済政策ポイントと、気になるデジタルトランスフォーメーション加速」についてお話いただけるということですが。

やしろ:今日(9月16日)、菅政権が誕生しました。率直に今、宗さまはどう思っていらっしゃるのでしょうか?

宗正:先ずは、安倍政権の経済政策を引き継ぐという方向性は良いと思います。7年8ヵ月前の第二次安倍政権発足時の国内の経済情勢は決して良くありませんでした。デフレは進み、あらゆる経済指標からは今後の先行きが見えない状況でした。現在もすべての人が満足できるという状況ではありませんが、あの頃からは随分と変わりました。

やしろ:株価が上がったり。

宗正:はい。特に新型コロナの対応、これは人の行動を制限したり緩めたり、まさに経済政策そのものです。引き続き最重要課題であり、これまでの対応方針を引き継ぐことは大事です。

やしろ:安倍政権の経済政策を引き継ぐということを一言で表すとすれば、何でしょうか。

宗正:安心感と安定感ですよね。

やしろ:安心感、なるほど。

宗正:安倍総理の在任中、国民からはいろいろな不平不満がありました。ところが退任の発表以降、なんだか寂しくないですか?

やしろ:なんとなく、はいはい。

宗正:辞任の発表以降、実は支持率が急上昇しています。それがまさにその安心感、安定感ということです。特に景気は目には見えないものの、日々体感することで内閣の支持率に反映されます。7年8か月の在任期間中に実は景気の回復も71か月連続していました。

これは戦後最長の「いざなみ景気」の73か月には2か月ほど及ばなかったのですが、内容を見ると多くの経済指標はかなり良くなっています。特に、アベノミクス効果ですよね。今やアベノマスクの方が有名になってしまいましたけど。

マンボウやしろ:本当ですね。

宗正:特にアベノミクスの3本の矢の「1の矢」の大胆な金融政策。これによって2011年に1ドル75円台の超円高水準から、その後1ドル125円台まで円安が進みました。併せて株式市場も大幅に上昇しました。それに連れる形で国内景気も徐々に回復に向かいました。

そしてあまり触れられていないのですが、国内経済の活路のもととなる外交政策。そこでも大活躍しています。例えばG7先進国首脳会議のような各国の首脳が集まる会議でも、常にリーダーシップを取り続けていたのは安倍総理なんですよ。途中から暴れん坊のトランプ大統領が入って来たりしたんですけど、複数の国の間の揉めごとを収めていたのも実は安倍総理でした。

やしろ:それを引き継いでいく菅総理でございますけども。当面の重要課題とそれを解決する具体的な動きとは、どういったものなのでしょうか?

宗正:やはり目先の「Go Toキャンペーン」を成功できるかどうか、というところですね。「Go Toキャンペーン」というのは既に始まっている「Go Toトラベル」の他に、「Go Toイート」「Go Toイベント」「Go To商店街」が今後始まる予定です。菅総理は縦割り行政をとにかくなくすと発言しています。

やしろ:そう言っていましたね。

宗正:「Go Toトラベル」というのは国土交通省の所管なんですよ。「Go Toイート」は農林水産省の所管。「Go Toイベント」と「Go To商店街」は経済産業省の所管なんですね。今後、(キャンペーンの)内容を固めるときに、この縦割りがネックになってくると思います。景気の回復には非常に大事なことなので、まずはここをうまくクリアして、「Go Toキャンペーン」を成功させてほしいと思いますね。

◆「デジタルトランスフォーメーション」と競馬の関係性

やしろ:そして、今経済に欠かせないキーワード「デジタルトランスフォーメーション」、これはDXなんですか?

宗正:そうですね。DXは今、投資の世界では最も重要視されているキーワードの1つです。デジタルトランスフォーメーションを略してDX。これはDTじゃないのはなぜかってよく質問を受けるんですけど、普通はトランスなのでTじゃないですか。でもこのXというのは、トランスを英語で略すときによくXで表すことに由来します。なので、DXです。

そしてDXはIT化のことですか? って聞かれることが多いのですが、それもちょっと違います。デジタル技術の進展による業務やビジネスの変革なんですよね。つまりウィズコロナの時代に入って、DXの動きが更に加速しているという話です。
それによってビジネスモデルがどう変わるのか、そこが今注目されています。わかりやすい所で言うと、競馬です。競馬って4、5年前からネット投票がどんどん入ってきて、今や馬券の売り上げが前年の同じ時期の売り上げを超えてしまったと。

やしろ:とてつもない額が動いていると。

宗正:コロナ禍で無観客競馬が続く中、ネットの売り上げだけで、8月には売り上げが前年の同じ時期を上回ったんですね。中央競馬の話です。

やしろ:去年の同じ時期の中央競馬の売り上げを?

宗正:はい。昨年まではまだ現金の売り上げが3割ぐらいあったんですよ。つまり7割がネット投票だったんですけど、無観客競馬が続いて現金での売り上げがほぼ無い状態でも、ついに前年の同じ時期の売り上げを超えました。その要因の一つはコロナ感染拡大以降、ネットで競馬をする新規のお客さんが入ってきたことです。今や「競馬場って何なんだ?」っていう話です。

そして地方競馬も中央競馬と同様に今ではネットで馬券を購入できるのですが、やはり同じように売り上げが伸びています。

やしろ:えーっ、そうなんだ!

宗正:全国の地方競馬のレースをネットでやる人が増えている。これこそまさに「じゃあ地方競馬場の『地方』って何なんだ?」ってなりますよね。

やしろ:もう地方じゃないですよね。だって普通にパソコンの画面で見ながら買えるんですもん。

宗正:これこそが非常にわかりやすい、身近なデジタルトランスフォーメーションだと思うんです。こういうビジネスモデル自体が変わっていくことが、世の中でこれからどんどん広がり続けるという。

やしろ:本格的にもう始まっていたとはいえ、それがさらに加速していくってことですね。

宗正:そういうことです。

やしろ:そこを見極めなきゃだめですね。もっと言えば、どの企業がどういう動きをいち早くやっているか、どういう展開があるかとか、株を買うのであればそういった所を見て判断するとか、そういうことですね。

宗正:そういうことです。私、先週末にラジオ業界のレジェンドの中西哲生さんとイベントをやったんですけど、昨年までは4,5千人ほど集まるイベントだったんですよね。投資のイベントですけど、今回はコロナ禍ということで実際のお客様は200人に抑えて、あとはオンラインでイベントを生配信したら、北海道から沖縄まで1万人を超えるお客様が集まったんです。生配信後の動画の視聴者を加えれば、今後その数は更に増えることは間違いありません。

やしろ:いや、すごい!

宗正:これがデジタルトランスフォーメーションですよね。

やしろ:僕もトークライブをやっているんですけど、前は100人入るところでお酒を飲みながら話をしていたのが、オンラインになってやっぱりお客様が増えているんですよね。

宗正:一度そういうインフラを構築すると、もうそのインフラを捨てて後戻りはできないですからね。オンラインを使って薄く広く「課金」ができる良い機会だとも思っています。

やしろ:なるほど。もうあそこでお酒を飲んでやらないのかな……。今日もいろいろなお話をしていただいて、宗さまありがとうございました。

宗正:ありがとうございました。

<番組概要>
番組名:Skyrocket Company
放送日時:毎週月〜木曜17:00〜19:52(※コーナーは毎月第2水曜18:15ごろ〜)
パーソナリティ:本部長・マンボウやしろ、秘書・浜崎美保
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/sky/
番組公式Twitter:@Skyrocket_Co