東京の声とシンクロするTOKYO FMの番組「シンクロのシティ」。ボイス収集隊が東京の街に繰り出し、さまざまな人々に声をかけ、ひとつのテーマについてその人の意見や思いを聞き出します。その声を聴き、リスナーと共に考えるのはパーソナリティの堀内貴之。
11月30日(木)のテーマは「有楽町の靴磨き職人に聞きました!」でした。靴磨き集団「千葉スペシャル」をご存知でしょうか。ヒゲにメガネにハンチング帽、クラシカルなベストにジャケット。有名企業の会長さんや昔からの常連さんが靴を磨きに訪れ、混雑時には行列になることもある話題の靴磨き集団です。今回はそんな「千葉スペシャル」のみなさんと常連さんに、靴磨きの極意について聞いてみました。

※写真はイメージです



有楽町の靴磨き職人に聞きました!

【千葉スペシャル有楽町 店長の大村さん】

千葉スペシャル有楽町 店長の大村さん



――靴磨き業界には何年くらいいますか?

約10年ほどです。それまでは趣味で靴磨きをしてたんですけど「これを職業にできたらいいな」って発想で。それが34歳のときです。その思いが強くなりまして、靴磨きの情報を得ながら今の師匠に出会った感じです! 有楽町のガード下で目が留まりまして、師匠の磨く姿に一目惚れしました。今のようにスタイリッシュな服装でもないですし、道具も簡素。ただ、内容は今と変わってはないです! 私も素人なりに靴磨きをやっていたので、本当に靴磨きを学びたいと気持ちが強かったものですから弟子入りを志願しました。

――靴にも人となりがでますか?

足元まで気を配れるということは、気配りができるんじゃないかなって。とても大切なことは、汚れって埃がメインなんですね。埃は、少し湿らせた布で拭くのが一番なんです。まずは、そこを重点的にやっていただくことが第一歩ですね!

――大村さんが得意とするテクニックは?

姿勢ですね! つまり、座り方。いかに疲れないようにするかというところにもこだわりを持っています。手先よりも自分のコンディションを最大限に発揮したときに、初めて手先に伝わると思っています! この仕事は定年ありませんし、80歳、90歳でもやれるところまでやっていきたいと思ってます。有楽町の文化として続けていけたらって。大きな夢ですね!

【千葉スペシャル代表 千葉尊さん】

千葉スペシャル代表 千葉尊さん



――千葉さんと靴磨きとの出会いは?

きっかけは、仕事をさぼって遊んでて不忍池で寝ていたら、ある人と出会ったんですね。それが靴磨き職人。そこからがスタート。41歳のときですね。「何かやらないか?」って声をかけられたんです。そのときに、足台を作ってくれって言われたんです。それがきっかけですね。

――師匠はどういう方ですか?

一般的には遊び人でしたね。靴磨き職人としては上手でした。非常に上手だった。真面目だったら名を残す方でした。真面目じゃなかったからね(笑)。初めて靴磨きをしたのは銀座です。その後、有楽町でやり始めて、出たり入ったりを繰り返したんです。転々としましたね。有楽町の駅をぐるっと一周しました。もう20年になるね。お金もないし、名声があるわけでもないし、財産や学歴があるわけでもないし。そこからスタートするには、お金がないとね。イトシア(有楽町にある商業施設)ができるときに、あるところの協力によって区役所に申請が出せたんです。それがなければ、今は入れてない。

――お弟子さんにはどういう教え方をするんですか?

まず、フォームです。フォームを作らないと話にならない。磨きに適したフォーム。数を上げるために若い方でないとダメ。体が硬いと磨きには適さない。アスリートの感覚で物事を考えていかないと、長く続けられないです。

――お客さんは若い方も多いですか?

今、若い方が増えてるんです。これは、ネットの影響。特に団塊の世代の人は、靴磨き職人は自分たちが育てたんだという感覚で、小馬鹿にする方が多いんです。だから、年齢のいった方は増えない。若い方にはそういう方がいないし、話し方から全部違います。若い方のほうが、気持ちいいです。若い方の中にも荒くれ者はいるけどね(笑)。靴磨きをやる方たちは純粋な気持ちで来てるので、荒くれ者はいないです。年齢が上の方はそうじゃない。昔は路上靴磨きなんてどこにでもいたから、足蹴にするようなカタチの方が多いんです。

――千葉さんにとって靴磨きは?

時代を示してるんではないでしょうか。今までいろんなものに圧されていたのが、靴磨きをやることによって、靴だけじゃなくて、いろんなものを汚されなくなる。心も汚されなくなる。汚してる方が多いから、それを変えなくちゃいけないですね、やっぱり。

【40歳の男性の常連さん】

よく来ます。ペース的には、2週間に1回ですね。仕事のアポイントとかの合間で時間があるときとか。有楽町で仕事があったときによく来ます。

――やはり千葉スペシャルの腕は、ほかとは違いますか?

全然違います! 今までの靴磨きの概念でいると、説教されるくらい(笑)。普通は磨きをかけて輝きを出すことが目的ですが、千葉スペシャルさんのやり方は、靴に栄養を与えるような感じ。生き物とかと一緒で、栄養をあげないと死んじゃうじゃないですか。そういうことをよく言われています(笑)。自分で変なことをせずに、磨くときはこちらにだけ来るようなカタチ。普段の手入れで一番いいのは、水拭きなんだそうです。千葉スペシャルさんが、普段は水拭きで十分だとおっしゃってました。ここに来るまであまり知らなかったというか、「それでいいんだ」って思いました。今は、習慣になってますね。仕事の合間に「あ! 行こう!」って。足元を見て、行こうかなと。

【靴をピカピカに磨けば、心もシャンとする】

インタビューをしたボイス収集隊もお話を伺いながら足元をピカピカにしてもらい、その仕上がりに感動! 堀内貴之は「毎日仕事が忙しいけれど、それでもオシャレに気を遣っている人たちがここに立ち寄って、靴をピカピカにしてもらってる。ただ新しいだけの靴にはない、栄養を与えられた豊かな靴。それはとても特別だし、キラキラ輝いてるんだろうなと思いました」とコメントしていました。

<番組概要>
番組名:シンクロのシティ
放送日時:毎週月〜木曜15:00〜16:50
パーソナリティ:堀内貴之、MIO
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/city/