青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。6月27日(日)の放送では、法務省 法務総合研究所 国際協力部・須田大(すだ・ひろし)さんに、「顔の見える国際協力 法制度づくり支援の世界」をテーマに話を伺いました。


青木源太、須田大さん、足立梨花



◆日本がおこなっている“寄り添い型の支援”とは

法律は、国民の権利を守ったり、義務を定めたり、秩序ある社会を維持するために必要なものです。しかし、開発途上の国のなかには、法律が十分に整っていなかったり、法律があってもきちんと運用されていなかったりする国があります。

そうした国では、法律づくりや、検察官、裁判官といった人材の育成などを支援する国際協力が必要とされており、日本による国際協力のことを“法制度整備支援”と言います。

法務省では、1994年からアジアの国々の法律づくりを支援してきました。次第に「我が国も支援してほしい」という要請が各国から寄せられるようになり、法制度整備支援を専門におこなう部署として、2001年4月にICD(The International Cooperation Department)と呼ばれる、法務総合研究所 国際協力部が設置されました。

20年にわたり、アジアの国々で法律づくりなどの支援をおこなってきたICD。須田さんは、「日本の支援は『寄り添い型の支援』と言われていて、この手法が多くの国々で評価されていただいています」と胸を張ります。

一口に法制度づくりと言っても「支援するときに大切なことは、相手国に根付くように配慮すること」と須田さん。そのためにも「私たちは、その国の法律分野に携わる関係者の方々と対話をしながら、その国の歴史、文化的背景を尊重し、実情に合った法律や制度を共に考えています。そうした過程を通じて、法律づくりのノウハウなどを学んでいただき、相手国が主体となって制度を構築し、運用できるよう支援している」と言います

国際協力と聞くと、道路や橋の建設などハード面の支援をイメージしがちですが、須田さんは「人材育成はソフト面の支援の典型。なかでも日本の法制度整備支援は、人と人との協力によっておこなわれている『顔の見える国際協力』と言われています」と説明します。

◆ラオスでの“法制度整備支援”で感じたこと

須田さんは、2015年から2年9ヵ月ほどラオスに滞在し、現地で裁判官、検察官、弁護士の育成や改善に携わりました。

ラオスでは、1986年から市場経済化が進み、先進国や世界銀行などの支援を受けて複数の法律が制定されました。しかし、法律の間に矛盾が生じるなど、ラオスの実情に合わない状況が発生し、“実情に合った法律を作らないといけない”という気運が高まり、日本の民法のような法律を作ることに。日本は、1998年から法律の教科書づくりなどでラオスを支援しており、そこでの“寄り添い型の支援”が評価され、要請につながりました。

須田さんによると、ラオスでは弁護士や検事、裁判官になりたい人は、それぞれ別々の研修所で学び、別々にキャリアを積んでいくシステムだったため、法解釈に食い違いが生じるケースがあるなど、そうした問題意識を抱えていたそうです。

また、ラオスの学生や裁判官、検察官などと話をしてみると、法律の条文の内容については知っていたものの、法律の成り立ちや主旨・目的まで理解できていない人が多かったと言います。

これらの課題を改善するため、法曹(裁判官・検察官・弁護士)になりたい人が一緒に学べる新しい研修所が2015年に設立され、ラオスの質の高い人材育成のために、カリキュラムの組み方、教科書づくり、教え方など、研修所のシステムづくりを日本が支援しました。

須田さんは、「こうした国際協力をすることで、相手国の方々が日本を好きになってくれます。実際に私は、ラオスの方々からたくさんの感謝の言葉をいただきました」と振り返ります。なかでも、心に残っている言葉が2つあると須田さん。1つは、「日本の支援は、“釣った魚を与えられるものではなく、自分で魚を捕れるようにしてくれるものだ”」という言葉。

これはラオス特有の表現だと言い、「ラオスの人々が自立できるように、日本が支援してくれたということを顕著に表している言葉だと思います」と話します。そして、もう1つは「日本の支援は、すべての日本人からの支援であり、友人として支援いただいたと思っている」という言葉です。

そんな2つの言葉を紹介し、須田さんは「日本の法制度整備支援は、国際社会の平和と安全に貢献する活動です。そして、国際社会の一員としての日本の責務であり、同時に他国からの信頼を培うものとして非常に重要。ICDは、その法制度整備支援の一翼を担う機関として、今後も『寄り添い型の支援』を続けていきます」と力強く語ってくれました。

足立は、須田さんのラオスでの体験談に「すごく素敵な関係を築けているなと思いましたし、日本の『寄り添い型の支援』がとても印象に残りました。法制度づくりだけでなく、寄り添い型の支援って大事なんだとあらためて思いました」と感想を述べます。

一方、青木は「“ICD”の活動に今後も注目していきたい」と期待を寄せ、「(支援の)活動をして、ラオスの方々に感謝される。草の根ではあるかもしれないけど、そういうふうに日本に対して好印象を持ってくれる国や人々が増えるのはうれしいこと。本当に素晴らしい国際貢献、国際協力だなと思った」と感服していました。


足立梨花、青木源太




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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30〜7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/collection/