お笑いコンビ・麒麟の川島明がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ」。「あなたの心を、ここではないどこかへ」をテーマに、ゲストの「ココロが動く(=エウレカ)思い入れのある場所」へと案内していきます。6月19日(土)放送のお客様は、女優・尾野真千子さん。今回の放送では、苦労を重ねた下積み時代について訊きました。


尾野真千子さん



1981年、奈良県出身の尾野真千子さん。中学生のときに、地元で撮影をおこなっていた河瀨直美監督にスカウトされ、映画「萌の朱雀」で女優デビュー。高校卒業後、本格的に女優活動をスタートさせ、2007年には再び河瀨監督とタッグを組んだ映画「殯の森」に出演。この作品は「カンヌ国際映画祭」コンペティション部門でグランプリを受賞しました。

2011年にはNHK連続テレビ小説「カーネーション」のヒロインに抜擢され、2014年には映画「そして父になる」で、「第37回 日本アカデミー賞」優秀主演女優賞を受賞。その後も、数々のドラマ・映画に出演をされています。


TOKYO FMの番組「SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ」。6月19日(土)ゲスト:尾野真千子さん


◆上京するもオーディションに落ち続ける日々

川島:本格的に俳優になりたいと思ったのはいつですか?

尾野:ちゃんと思うようになったのは東京に出てきてからですね。それまでは、俳優業でご飯を食べられるようになりたいとはあまり思っていなくて。

川島:東京に来られたのは何歳の頃ですか?

尾野:18です。高校を卒業後、すぐに出てきました。

川島:上京してから30歳ぐらいまでは、かなり苦労されたとお聞きしました。

尾野:オーディションに全然受からなかったんですよね。上京するときは、“東京に行けば仕事はある”って思っていたのに(笑)。

川島:夢を叶える街ですしね。

尾野:そうそう。なんなら“アイドルになれるんちゃうか?”って思ってたぐらいです(笑)。それが、待てど暮らせど仕事が全然来ないし、どう頑張っていいのかもわからなかった。とりあえず事務所から言われたオーディションを受けるんですけど、芝居をちゃんと学んできたわけではないから、そもそも、やり方がわからなかったんです。1、2枚ぐらいの台本を渡されて芝居をやるってなっても、気持ちをどこに持っていけばいいのかが全然わからなかったから、オーディションがすごく苦手でした。なんなら嫌いででした。嫌いな感じで行ってるので、顔付きも嫌いな感じが出ていたんでしょうね(笑)。

川島:面接官は“自分から受けに来て、なんであんなに不機嫌なんだろう”って思いますよね(笑)。

尾野:結局、それでオーディションに落ち続けて。全然仕事がないから、1ヵ月で500円あるかないかの生活でした。

川島:東京へは1人で来たんですか?

尾野:1人です。

川島:1ヵ月で500円って、どないしますの?

尾野:実家から(食材などが入った)段ボールが送られてくるので。

川島:とはいえ、18歳だと服もほしいし、遊びたいこともたくさんあったでしょう?

尾野:でもね、お金の仕送りはくれなかったんですよ。姉たちは働いてお金を稼いでいたので、家族みんなが“自分のことは自分。やりたいことがあるなら自分で頑張ってお金を貯めましょう”って方針だったんです。

川島:いい教育だと思います。お金以外のものを送ってくれたんですね?

尾野:野菜だけは送ってくれたので、それで食い繋ぎました。家賃は(大家さんに)待ってもらって、あとはバイトをしていました。

川島:オーディションに行くための服もいりますしね。

尾野:ずっと毛玉のついたトレーナーを着ていましたね(笑)。

◆知人の何気ない言葉が心の支えになった

川島:お金がない生活のなかで、“やっぱ(俳優は)無理だな”とは思わなかったんですか?

尾野:変な自信だけはあったんですよ。

川島:売れると思ってた?

尾野:そう(笑)!

川島:根拠はないんですか?

尾野:何にもなかったです。でも、「萌の朱雀」に出たときに、なぜか自分に自信を持ってしまったんですよね(笑)。

川島:いきなりの主演ですし、ロケットスタートだったわけですからね。

尾野:そうなんですよ。“私には伝える力があるんじゃないか?”と思っていた。実力なんてないのに、自信だけがあった。だから、帰りたいとか辞めたいと思ったことは一度もないんですよ。

川島:いくらオーディションに落ちても、ネガティブな気持ちにはならなかったと。

尾野:“悔しい!”とは思うけどね。

川島:それぐらいの時期に言われた言葉で、覚えているものはありますか?

尾野:ずっと売れなくって“全然アカンやん!”って思ってた頃、たぶんNHKの人だったと思うんですけど、その人から「真千子は30歳になったら仕事があるよ」と言われて(笑)。言われたのがね、20代の前半。

川島:そこで“なぜですか?”とは聞かなかった?

尾野:そのときは笑って済ませていた。冗談だと思っていたから。でも、頭のなかでは“30歳になったら仕事がある!”っていうのがずっと残っていて。

川島:インプットされちゃったんですね(笑)。

尾野:その言葉で頑張ってこれたような気がします。そうしたら、30歳になったときに本当に仕事が来たんです。

川島:それがNHKの!

尾野:そう。NHK連続テレビ小説の「カーネーション」ですよ。それまでにちょこちょことお仕事をいただけるようにはなっていたけれど、まさか30歳になる年に、こんなに大きな仕事が飛び込んでくるとは思いませんでした。「カーネーション」もオーディションを受けて勝ち取ったものだったから、余計に嬉しかったです。

川島:その方には“何か”が見えていたんですかね? その方とは「カーネーション」以降にもお会いしているんですか?

尾野:たまに会っていますけど、その人は私に言ったことを忘れています。だから、“あんた、こんなこと言ってたで”とは言ってないです。

川島:(笑)。

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次回7月3日(土)のお客様は、梶裕貴さんです。お楽しみに!

<番組概要>
番組名:SUBARU Wonderful Journey 〜土曜日のエウレカ〜
放送日時:毎週土曜 17:00〜17:55放送
出演者:川島明(麒麟)
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/wonderfuljourney/