C・ロナウドとメッシが台頭した2000年代後半までは、このセクションでも頻繁に第一人者の顔ぶれが更新されていた。バッジョ、リバウド、ギグス、ロナウジーニョ……。その歴史を振り返ろう。

■1990年代
◆リバウド(元ブラジル代表)
 頭の中のイメージを即座に具現化する能力に長けた〝レフティーモンスター〞。バルサ在籍時の01年6月、バレンシア戦の終了間際に胸トラップから決めた伝説のオーバーヘッドは、あまりにも有名だ。

◆ロベルト・バッジョ(元イタリア代表)
 イタリアの〝北の3強〞を渡り歩いた90年代を代表するファンタジスタ。W杯やCLといったビッグタイトルとは縁がなかったものの、繊細な個人技で周囲を魅了し、93年にはバロンドールに輝いた。
 ◆ライアン・ギグス(元ウェールズ代表)
 〝ジャックナイフ〞の異名をとる、切れ味鋭い突破が魅力のウインガー。逆足が主流となった現代ではあまり見られなくなった「サイドを抉るドリブル」で、最強を誇った赤い悪魔の攻撃陣を支えた。

◆ラウール・ゴンサレス(元スペイン代表)
 極上の得点嗅覚を誇った当時のマドリーの象徴。世界屈指のスター軍団で長年定位置を守り、豪華MF陣から届けられる好パスを、とことんゴールに結びつけた。サッカーと向き合う姿勢も模範的だった。

◆ルイス・フィーゴ(元ポルトガル代表)
 ポルトガルが生んだ天才の全盛期は、銀河系軍団の一員になる前のバルサ時代にあったと言うファンは少なくない。余計なフェイントを入れずに間合いと緩急だけで敵を抜き去るドリブルの達人だった。
 ■2000年代
◆ロナウジーニョ(元ブラジル代表)
 目を疑うような超絶技巧で世界中のサッカーファンを虜にし、低迷期にあったバルサに勝利と笑顔を取り戻した。マドリーの本拠地で受けたスタンディングオベーションが才能の偉大さを如実に物語る。

◆デニス・ベルカンプ(元オランダ代表)
 エレガントな動きと高度なボールスキルは、同胞の先輩ファン・バステンを彷彿とさせた。98年W杯の準々決勝でアルゼンチンを葬り去った“神トラップ”からの鮮やかすぎる決勝弾はいまも語り草に。

◆リオネル・メッシ(アルゼンチン代表)
 05年のU−20W杯で得点王とMVPを獲得し、アルゼンチンの優勝に貢献。そこから一気にトッププレーヤーへの階段を駆け上がり、バルサでも不動のエースに。32歳になったいまも、進化を続けている。
 ◆フランク・リベリ(元フランス代表)
 マルセイユでワールドクラスの実力を証明し、母国フランスのファンからは「新しいジダン」と呼ばれた。バロンドールにもっとも近づいたのは、バイエルン在籍時の13年。前評判は高かったが3位に。

◆アリエン・ロッベン(元オランダ代表)
 快足を飛ばし、左サイドを直線的なドリブルで突破したチェルシー時代を経て、バイエルンではその後の代名詞となる右サイドからのカットインシュートが武器に。プレー精度の高さはメッシにも匹敵。

◆クリスチアーノ・ロナウド(ポルトガル代表)
 驚異的なジャンプ力とキック力、そしてスピードを武器に、ベッカムからエースナンバーの「7番」を受け継いだマンUでブレイク。得点力も発揮した08年には、自身初のバロンドール受賞を成し遂げた。
 ■2010年代
◆ウェイン・ルーニー(元イングランド代表)
 技術、スピード、パワーに加え、抜群のサッカーセンスも備える万能型で、全盛期を過ごしたマンUでは、歴代最多得点記録(253ゴール)を樹立。イングランド代表で奪った53ゴールも、歴代最多だ。

◆アントワーヌ・グリエーズマン(フランス代表)
 世界的な実力者であることを強く印象付けたのがEURO2016。フランスの準優勝に貢献し、個人でも大会得点王とMVPを獲得した。2年後には、エースとして母国を2度目の世界王者に導いている。

◆トーマス・ミュラー(ドイツ代表)
 20歳で出場した10年W杯で、得点王とベストヤングプレーヤー賞に輝く衝撃の世界デビューを果たすと、10歳から所属するバイエルンでも、12−13シーズンのトレブル(3冠)達成の原動力となった。

◆エデン・アザール(ベルギー代表)
 重心が低く緩急のきいたドリブルを武器とするベルギーの至宝。チェルシー時代は持ち前の技術を駆使し、小柄な身体でプレミアの屈強なDFを翻弄した。大一番で結果を残す勝負強さも魅力のひとつ。
 ◆モハメド・サラー(エジプト代表)
 スピードとゴール前での冷静さを武器に、リバプールの大エースに成長。同僚マネとともにプレミア得点王に輝いた昨シーズンは、PFA年間最優秀選手賞やアフリカ最優秀選手賞など個人賞を総なめに。

◆ネイマール(ブラジル代表)
 11年から2年連続で南米最優秀選手賞に輝き、13年に入団したバルサでは2年目に3冠達成に寄与した。17年夏には、フットボールの移籍史上最高額となる2億2200万ユーロでパリSGに引き抜かれる。

◆サディオ・マネ(セネガル代表)
 リバプールに加入した16年当時は、まだ好プレーヤーの域を出なかったが、昨シーズンはしっかりと守備のタスクをこなしながらプレミア得点王に輝き、CL制覇も経験。一気にその価値を高めている。

構成・文●ワールドサッカーダイジェスト編集部

※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年5月21日号より転載