開幕から約1ヵ月。セ・リーグの開幕投手6人はここまでどんなピッチングを見せているのか。各投手の働きぶりを4段階(よくできました・まずまずです・可もなし不可もなし・がんばりましょう)で評価した。※QS率=先発して6イニング以上&自責点3以下のクオリティ・スタートを記録した割合

●菅野智之(巨人) 
登板:4 勝-敗:3-0 防御率:2.36
投球回:26.2 奪三振:28 QS率:50.0%
評価:よくできました

 3年連続6度目となった開幕マウンドで、阪神を7回2失点に封じて4年ぶりの開幕戦勝利。自らの体のタイプに合った「腕から始動する」新投球フォームがハマり、ここまでリーグトップタイの3勝、奪三振もリーグトップの28個を記録している。特に7月3日の中日戦では、被安打はわずかに1つのみで11三振を奪い相手打線を圧倒、今季ここまで両リーグ唯一の完封勝利を挙げた。自身が登板した全4試合でチームは勝利しており、リーグ首位の原動力となっている。
 ●石川雅規(ヤクルト)
登板:4 勝-敗:0-2 防御率:6.05
投球回:19.1 奪三振:14 QS率:25.0%
評価:がんばりましょう

 現役最多タイとなる9度目の開幕マウンドは、史上5人目となる40代での開幕投手としてのマウンドでもあった。降りしきる雨の中で5回3失点と試合を作り、リードを保ってリリーフにバトンをつないだものの、チームは逆転負け。ここまで下馬評を覆す好調ぶりが目立つヤクルトだが、石川自身は今季いまだ勝ち星なしとその後も波に乗れていない。セ・リーグの開幕投手のうち、規定投球回に到達できていないのも石川だけだ。15日に一軍抹消となってしまったが、多彩な変化球を低めに集める老獪なピッチングで巻き返しに期待したい。
 ●今永昇太(DeNA)
登板:4 勝-敗:2-1 防御率:2.88
投球回:25.0 奪三振:27 QS率:50.0%
評価:まずまずです

 2年連続2度目の開幕投手の大役を任されたが、今年は大瀬良に投げ負け、白星を手にすることはできなかった。ここまで4登板中3試合が雨天での登板だったことで、本来のパフォーマンスを発揮できなかったか、QSを達成したのは2試合のみ。それでも、悪いなりに試合を作り、開幕戦以外の3試合でチームの勝利に貢献したのは真のエースたる証だろう。ストレート、カットボール、チェンジアップと空振りを奪えるボールを多く備えており、奪三振数は菅野に次ぐリーグ2位。
 ●大瀬良大地(広島)
登板:4 勝-敗:2-1 防御率:2.48
投球回:29.0 奪三振:13 QS率:75.0%
評価:よくできました

 開幕から2戦連続で1失点完投勝ちの活躍で、29.0投球回はリーグトップ。打っても打率5割と好調で、開幕戦では9回にダメ押しの2点本塁打も放っている。7月4日の阪神戦は、前日のナイターが雨天中止になってからの、デーゲームへのスライド登板。慣れない登板で今季唯一5回を投げきれなかった。安定した投球の秘訣は、伝家の宝刀カットボールと対になるシュートの投球割合を大きく増やしていること。現時点で奪三振率が規定投球回到達者の中でワーストなのは意外だが、その代わり1イニング当たり投球数も最も少なく、省エネ投球を実現している。
 ●西勇輝(阪神)
登板:4 勝-敗:1-1 防御率:1.65
投球回:27.1 奪三振:22 QS率:100.0%
評価:よくできました

 移籍2年目の今季は自身2度目、移籍後は初の開幕投手を任されると、チームは敗れるも6回1失点の好投。打っては菅野から先制のソロホームラン、2打席目も勝ち越しのタイムリーツーベースを放ち、投打にチームを引っ張った。西が登板した4試合でチームは1勝3敗となかなか勝利には結びついていないが、全試合でQSを達成。防御率もセ・リーグの開幕投手の中で唯一1点台と、役割を十二分に全うしている。特に空振りを奪うチェンジアップが効果的で、投球割合を増やしたことが奪三振増の一因となっている。
 ●大野雄大(中日) 
登板:4 勝-敗:0-2 防御率:4.88
投球回:24.0 奪三振:21 QS率:50.0%
評価:可もなし不可もなし

 開幕から2登板は変化球の精度に苦しみ、ストレート偏重の配球になったところを狙い打たれ、計10イニングで5本の本塁打を献上。先発投手としての責任を果たせなかった。その後は女房役を加藤匠馬から木下拓哉にスイッチし、心機一転。平均146キロを超える威力あるストレートにツーシームもハマりだし、2試合連続で7回2失点以下に抑える好投を見せた。エースクラスとの投げ合いが続きいまだ勝ち星がないが、調子は取り戻したと言えそうだ。柳裕也が離脱し、若手揃いの先発陣が崩壊気味の中、昨季のようなイニングイーターとしての活躍を今後も期待したい。

文●ロバートさん (@robertsan_CD)

【著者プロフィール】
1988年生まれ。Twitterにて中日ドラゴンズの戦力分析・考察を行う中日ファン。中日新聞プラスにて「データで考える中日ドラゴンズ」を連載中。