いよいよ明日から開幕する2020年甲子園高校野球交流試合。独自大会が終わっていない地域もあるが、やはり甲子園で行うということで、この大会への意気込みが強いチームも多いはずだ。そこで今回は全16試合の中から特に注目のカード5試合について見どころを探ってみたいと思う。

▼第1日第1試合(10日・10時〜)
大分商(大分)×花咲徳栄(埼玉)
 初日の第1試合からいきなりの好カードとなった。最注目は大分商のエース・川瀬堅斗と花咲徳栄の主砲・井上朋也の対決だ。川瀬は太腿の肉離れもあって大分の独自大会では本調子ではなかったが、145キロを超えるストレートと大きいカーブを生かした投球は高校生ではトップクラス。井上も長打力と確実性を兼ね備えた右の強打者で対応力も高い。勝っても負けても1試合しかないということで、花咲徳栄の岩井隆監督は井上を1番で起用すると明言しており、いきなり初回から二人の対決が見られそうだ。試合展開としては、花咲徳栄打線を川瀬がどこまで抑えられるかがポイントとなるだろう。
 ▼第3日第1試合(11日・10時〜)
智弁学園(奈良)×中京大中京(愛知)
 この夏で高校ナンバーワン投手となった感のある中京大中京のエース・高橋宏斗が最大の注目。愛知大会では毎試合150キロを超えるスピードをマークし、抜群のピッチングを見せている。野手にもキャッチャーの印出太一、ショートの中山礼都、センターの西村友哉など好素材は目白押しで、チームの総合力は大会でもトップと言えるだろう。対する智弁学園は2年生に面白い選手が多い。特に1年夏から中軸を打つ前川右京は今大会でも屈指の強打者でパンチ力は十分だ。高橋相手に智弁学園打線がどこまで食らいつけるかに注目したい。

▼第4日第1試合(15日・10時〜)
履正社(大阪)vs星稜(石川)
 昨年夏の甲子園決勝戦のカードの再来となった。履正社は昨年から中軸を打つ小深田大地、新チームから4番に座る関本勇輔など今年も力のある打者が揃っている。昨年の優勝投手である岩崎峻典が故障で出遅れたのは気がかりだが、他にも140キロを超える投手を複数揃えており、チーム力は大会屈指だ。一方の星稜も内山壮真、知田爽汰と旧チームから中軸を打つ二人を中心に得点力の高さが光る。奥川恭伸(ヤクルト)のような絶対的なエースはいないだけに、昨年とは違い点の取り合いになる可能性も高そうだ。
 ▼第5日第1試合(16日・10時〜)
明石商(兵庫)×桐生第一(群馬)
 1年時から甲子園で活躍してきた明石商の中森俊介、来田涼斗にとっても最後の大舞台となる試合。兵庫大会では二人を温存して、まさかの敗戦で終えているためこの試合にかける思いは強いだろう。特に中森は先に登場する高橋宏斗(中京大中京)に負けないだけのパフォーマンスを見せられるかに注目だ。一方の桐生第一も久しぶりの甲子園となるが、粘り強い好チーム。左の技巧派である宮下宝と右の本格派の蓼原慎仁とタイプの異なる二人の継投で臨むことが予想されており、上手くロースコアの展開に持ち込んで勝機を見出したいところだ。
 ▼第6日第1試合(17日・10時〜)
大阪桐蔭(大阪)vs東海大相模(神奈川)
 最大の注目はやはりこの試合になるだろう。東西の横綱対決とも言えるカードで、この両校は例年夏の地方大会前には練習試合も行っている。大阪桐蔭は西野力矢、仲三河優太の中軸を中心に切れ目のない打線を誇り、投手陣も左右の本格派を揃える。先発は3年生の藤江星河が予想されるが、2年生ながら150キロを超えるスピードを誇る関戸康介の登板にも期待したい。東海大相模も鵜沼魁斗、加藤響、山村崇嘉、西川僚祐など下級生の頃から活躍している野手が揃い、打力は引けを取らない。比較的サウスポーに抑えられることの多い大阪桐蔭だけに、エース左腕の諸隈惟大の投球が勝負のカギとなりそうだ。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材し、全国の現場に足を運んでいる。ドラフト、アマチュア野球情報サイト「プロアマ野球研究所(PABBlab)」を2019年8月にリリースして多くの選手やデータを発信している。

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