8月24日(日本時間25日、日付は以下同)に行なわれたウエスタン・カンファレンス4位のヒューストン・ロケッツと同5位のオクラホマシティ・サンダーによるプレーオフ ファーストラウンド第4戦。

 サンダーは第3クォーター途中で15点ビハインドを背負いながらも徐々に点差を縮め、最後はクリス・ポールとデニス・シュルーダーのショットで抜け出し、117−114で逆転勝利を収めた。

 2連勝でシリーズ戦績を2勝2敗としたサンダーは、シュルーダーが30得点、ポールが26得点、シャイ・ギルジャス・アレキサンダーが18得点、12リバウンド、6アシスト、スティーブン・アダムズが12得点、8リバウンドを記録した。

 サンダーはロケッツ相手に2連敗でスタートしたものの、第3戦を延長の末に119−107で制し、この試合も勝利したことで、シリーズの行方はわからなくなった。

 今季のチームの武器はポール、ギルジャス・アレキサンダー、シュルーダーの3ガードだが、センターのアダムズの献身的な働き、高確率なアウトサイドショットでフロアのスペースを広げるダニーロ・ガリナーリの活躍も光る。

 そんななかディフェンス面でチームを陰で支えているのがルーキーのルージェンツ・ドートだ。
  カナダ出身のドートは昨夏に2WAY契約を結び、今年6月下旬に本契約を勝ち取った190㎝・97㎏と屈強な肉体を誇るシューティングガード。右ヒザの打撲でシリーズ初戦こそ欠場したものの、第2戦から出場し、3シーズン連続で得点王に輝いたジェームズ・ハーデンのマークを担当する重要な任務をこなしている。

 第2戦でドートは8得点、2リバウンド、1ブロックを残し、ディフェンスではハーデンをフィールドゴール14.3%(1/7)の計9得点(試合全体では21得点)と好守を見せた。ファウルトラブルによって出場時間は25分と制限されてしまったものの、翌第3戦ではハーデンに対して3ファウルに抑えることに成功。

 同試合では36分間コートに立ち、9得点、8リバウンド、3ブロックをあげ、初勝利に大きく貢献。第4戦でも約35分プレーして9得点、5リバウンド、2アシストの働きを披露した。

「僕らのディフェンスというのは、できる限り手を広げて視界を遮ること。それを試合全体でやっていくことなんだ。(第3戦で)僕らはいい仕事ができたと感じるね。手を広げていったことで、あまりファウルせずにできたよ」とドートは振り返る。

 第3戦ではファウルトラブルに陥ったが、「大事なのは諦めないこと。常にハードに、最後までプレーし続けることだ」とコメントしている。
  そんなドラフト外ルーキーに対して、シュルーダーは第3戦終了後に「ルー・ドートがディフェンスでの働きを褒めなきゃいけないね。最高だったよ。ものすごく集中していたんだ。あの試合全体、そして延長で鍵になっていたのは彼だったと思う」と絶賛。

 ビリー・ドノバン・ヘッドコーチも21歳の若者に惜しみない称賛を送っていた。

「ルーはこのチームに驚異的な努力を持ち込んでくれた。偉大なオフェンシブプレーヤー(ハーデン)相手だと、どんな方法でも抑え込むことは難しい。だがルーはチームメイトたちのヘルプもあったが、懸命に戦っていたし、最大限の努力を見せてくれた」

 この試合でゲームハイの38得点を残したハーデンだったが、ドートとのマッチアップではフィールドゴール14.3%(2/14)、3ポイント11.1%(1/9)の計9得点と苦しんでいたことからもドートが素晴らしい仕事をしたことが分かる。

 ドートはハーデンがマッチアップ相手に催眠術をかけるかのように繰り出すクロスオーバードリブルに惑わされず、ピック&ロールに対してもファイトオーバーでスクリーナーとの間をすり抜けるなど、粘着気味に食い下がっていた。
  ロケッツ、そしてハーデンの“天敵”となっているドートだが、自身は同じアリゾナ州大の先輩であるハーデンのことを尊敬しており、シーディングゲームでは彼のシグネチャーシューズを履くほどだった。

 だがプレーオフで対決することになったため、ドートはポールと相談してこのシリーズでは一切履かないようにしているという。

 チームのオフェンスを牛耳るハーデンは、26日に開催される第5戦でもアグレッシブにサンダーのディフェンス陣を切り崩しにかかるだろう。そこで“ハーデンストッパー”に名乗りを上げたドートは、どんなディフェンスでリーグ№1スコアラーをスローダウンさせるか注目したい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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