シーズンの折り返し地点を越え、いよいよ勝負の後半戦へと突入した。各球団の前半戦の戦いを振り返ってチーム状況を整理しつつ、今後の戦いを展望していこう。

■ソフトバンク
37勝23敗2分/勝率.617(1位)/得失点差+52(1位)

 新加入のバレンティンが不振に陥り、デスパイネとグラシアルはコロナ禍の影響もあって合流が大幅に遅れた。にもかかわらず、75本塁打はリーグ最多を誇る。柳田悠岐が怪我に泣いた昨季の分も取り戻すかのように打ちまくり、若い栗原陵矢もブレイク。バレンティンらの打棒が上乗せされれば、強打に一層の拍車がかかる。ただ、1・2番の出塁率が2割台にとどまり、得点力が意外に伸びていないのは問題。後半戦は打線の組み方にも工夫が必要だろう。

 投手陣も、エースの千賀滉大が出遅れたが、石川柊太らの活躍もあってリーグベストの防御率を記録している。特にモイネロから森唯斗につなぐリレーは盤石。怪我人が続出するのも毎年の恒例なら、誰か穴を埋める選手が出てくるのもソフトバンクの定番。他チームと比べれば投打とも戦力は頭一つ抜けている。

■ロッテ
34勝26敗2分/勝率.567(2位)/得失点差−14(4位)

 開幕10試合を8勝2敗で滑り出し、7月に10勝16敗と貯金を吐き出したものの、8月には16勝8敗2分と盛り返し。1点差試合で12勝6敗と強く、首位ソフトバンクにも5勝3敗と勝ち越して3ゲーム差の2位につけている。もっとも、得失点差は−14で5位の西武と同レベル。1試合平均得点は4.32でリーグ5位、平均失点4.55も5位とやや出来過ぎの感も否めない。
  打線は腰の治療で帰国したレアードがシーズン中の復帰を危ぶまれる中、若き4番・安田尚憲の頑張りに期待したい。井口資仁監督の辛抱強い起用に応えることができるか。投手陣では、二木康太がカギを握りそうだ。不振で一時は二軍落ちしたが、再昇格後は復調の兆しを見せており、種市篤暉が不在の先発投手陣で柱となる活躍が求められる。

■楽天
31勝28敗3分/勝率.525(3位)/得失点差+49(2位)

 得失点差49はソフトバンクと同水準で、事実上の対抗馬1番手と言っていい。特に活躍が光るのは新加入組で、ロメロのOPS1.011と鈴木大地の打率.344はいずれもリーグ3位。投手陣では、涌井秀章が開幕8連勝と先発陣をリードすれば、牧田和久はチーム最多の12ホールドポイントを挙げた。打線は打率、得点ともソフトバンクを上回るなどリーグ最高の破壊力を誇る。

 一方、投手陣は則本昂大に以前ほどの支配力はなく、岸孝之も3登板のみと苦しいやり繰りが続く。そんな中で注目したいのは8月27日に先発転向初勝利を挙げた松井裕樹。リリーフから先発への適応に苦しんでいたが、本来の力を発揮できれば優勝争いを左右する存在になり得る。3勝5敗と負け越しているとはいえ、最下位オリックスとの戦いを15試合も残しているのは好材料に数えられるだろう。
 ■日本ハム
29勝30敗3分/勝率.492(4位)/得失点差−10(3位)

 チーム勝率が示すように、これまでの戦いは可もなく不可もなくといったところ。打線は中田翔が本塁打、近藤健介が出塁率でリーグトップに立ち、西川遥輝も盗塁王を狙える位置にあるが、個の力を全体で生かせていない。守ってはリーグ最多の40失策を喫し、投手陣の足を引っ張った。育成上手で知られながら、近年は一軍へ有力な野手を送り出せていない影響が表面化している。

 クライマックスシリーズ進出のためには、いずれも負け越している上位3チームを直接対決で叩く必要がある。得失点差−10はわずかではあるが2位のロッテよりもいい数字。8月に入って打線に勢いが出てきただけに、楽天と6試合、ロッテと8試合戦う9月は重要な月になるはずだ。

■西武
26勝32敗2分/勝率.448(5位)/得失点差−16(5位)

 リーグ3連覇を狙ったが、8月頭に勝率5割を切るとその後も7連敗、5連敗を喫して一気に借金が膨らんだ。飛躍が期待された高橋光成や今井達也が精彩を欠き、先発防御率5.05とQS率33.3%はともにリーグワースト。奮闘しているリリーフ陣の蓄積疲労も懸念される。
  自慢の打線も、秋山翔吾の退団でリードオフの出塁率が下がっただけでなく、破壊力も著しく低下。劣勢を跳ね返すほどの迫力がない。その結果、先発投手に自責点3以上がついた試合は10勝23敗1分と惨憺たる成績。現状を大きく改善させられそうな要素は見当たらず、森友哉や中村剛也、源田壮亮はもちろんのこと、投手陣で誰か救世主的な存在が出てこない限り、3連覇は難しい。

■オリックス
20勝38敗4分/勝率.345(6位)/得失点差−61(6位)

 超大物助っ人ジョーンズが加わったこともあり期待は高かったが、開幕直後に同一カード6連戦6連敗を喫するなど出足から大きくつまずいた。7月は13勝11敗と勝ち越したものの、8月に入って再び負けが込み、20日に西村徳文監督が辞任を表明。投手陣は、開幕投手を務めた山岡泰輔が2試合目で戦列を離れたことを思えば及第点だが、打線はジョーンズが機能せず、1試合平均得点がリーグ唯一の3点台(3.47)と相変わらず点が取れない。

 ソフトバンクに2勝13敗、ロッテに2勝12敗と大きく負け越しているが、裏を返せばその他の3球団には互角以上の戦いができている。中島聡監督代行はつい最近まで二軍で指揮を執っており、後半戦は若手選手のさらなる積極起用が予想されるが、何とか意地を見せて球団ワースト勝率記録(2003年の.353)更新は避けたい。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。

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