マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)、コビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)、レブロン・ジェームズ(現レイカーズ)――。この3人は「NBA史上最高の選手」をテーマに議論がなされる際、必ず名前が挙がるメンバーだ。

 回答は人によってそれぞれ異なるが、指導者として全員と対戦したブレンダン・マローン氏は、“ジョーダンが№1”“コビーが肉薄”との見解を述べている。

 現在デンバー・ナゲッツで指揮を執るマイケル・マローンの父親であるブレンダン・マローン氏は、1986〜2016年の30年間でニューヨーク・ニックスやデトロイト・ピストンズなどNBAで計5チームのアシスタントコーチを歴任。1995−96シーズンにはエクスパンションチームとして誕生したトロント・ラプターズの初代HCを務め、2004−05シーズンにはクリーブランド・キャバリアーズでアシスタントコーチと暫定ヘッドコーチ(HC)を担当した。

 キャブズ時代は当時20歳のレブロンを指導。若き日の“キング”を知るマローン氏は、2年目ですでに絶対的エースを担っていた新鋭についてNBA公式サイトで当時を回顧している。

「彼は非常に競争心が強く、ハードワーカーで、若くしてスマートだった。どんなドリルでも勝ちたがっていたよ。成長過程にあったけど、当時は今ほど優れたローポストプレーヤーではなかった」
  マローン氏は、“バッドボーイズ”の異名で恐れられたピストンズでリーグ2連覇を経験している。“ジョーダン・ルール”と呼ばれた徹底マークでブルズの前に立ちはだかったのは有名な話だが、それにかけて「“ジョーダン・ルール”ならぬ、“レブロン・ルール”はある?」との質問にはこう答えている。

「NBAのどのコーチもまだその答えは見つけられていないと思う。おそらく、彼(レブロン)はオープンコートでベストプレーヤーだからね。強くて速く、フィニッシュができるが、彼のベストスキルはパスだ。私だったら、ドライブさせないようにして3ポイントを打たせる。彼がゴールに向かって来たらファウルをする。決してフリースローは高確率(キャリア通算成功率73.4%)ではないからね」

 捉え方によっては、レブロンはアンストッパブルな存在だと語っているようにも聞こえる。しかし、「レブロンはジョーダンよりも優れていることを意味する?」との問いには、マローン氏はジョーダンの比較対象はレブロンではないと明確に主張した。
 「マイケル・ジョーダンとレブロンのどちらが優れているか、とよく聞かれる。私はいつも『間違った質問をしている』と言っているよ。正しくは、コビーとジョーダンのどちらが優れているか、だ。レブロンをコビーよりも上だと評価する人はたくさんいるし、なかにはマイケルよりも上にする人もいるだろう。ただ、私はマイケルのとてつもない競争心を目の当たりにした。レブロンももちろん競争心はあるが、マイケルほどのレベルには達していない。その意味では、マイケルに一番近いのはレブロンではなくコビーだ」

 ともに“ジョーダンの後継者”として大きな期待を背負いながらプレーしてきたコビーとレブロンだが、マローン氏からすれば、コビーこそがジョーダンに最も近い存在だという。
  比較時の“障害”として時代によるスタイルの違いが再三指摘されてきたが、もしジョーダンが2004−05シーズンから導入された「ハンドチェック禁止」の下でプレーしたらどうなるかに関しては、「もしマイケルに自由を与えたら、彼が望めば毎試合50点はできただろう」と推察している。

“バスケットボールの神様”の進化の過程、そして全盛期を知る者からすれば、やはりジョーダンの歴代最強の座は揺らがないようだ。

構成●ダンクシュート編集部

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