9月28日、メジャーリーグは今シーズンの全日程を終え、プレーオフ進出チームと各タイトルが確定した。日本人選手ではシカゴ・カブスのダルビッシュ有が最多勝を獲得し、ミネソタ・ツインズの前田健太がWHIP(1イニングあたりに許した走者数)でメジャートップの数字をマーク。この両者に加え、田中将大が所属するニューヨーク・ヤンキース、筒香嘉智のタンパベイ・レイズ、秋山翔吾のシンシナティ・レッズ、そして山口俊が所属するトロント・ブルージェイズの計6チームがポストシーズンへと駒を進めた。

 日本時代の実績からすれば、筒香も秋山の数字も物足りないものではあったが、終盤戦にしっかり活躍するなど光るところを見せた。一方、同じくメジャー移籍1年目となった山口は最後に大きく失速するなど、不本意な結果になってしまった。

 巨人で2018年にノーヒッターを達成し、渡米前年には勝利・奪三振・勝率の三冠を獲得して乗り込んだメジャーでは、横浜時代に経験したブルペンへ再転向することになった。久しぶりの立ち回り、またボールへの適応に苦しんだか、初陣では1死も取れずに2点を喫するサヨナラ負けの防御率∞(無限大)デビュー。さらに次の登板も延長タイブレークから登板して4点を失った。

 しかし、その後は徐々に適応してロングリリーフとして活躍。8月26日のボストン・レッドソックス戦では4.0回2安打1失点の好救援で、8登板目にしてメジャー初勝利を飾り、2勝目を手にした9月8日のヤンキース戦の11登板目には防御率も3.98まで改善させたのである。
  だが、次の登板で5連続四死球を出すなど7失点と大炎上。最終2登板も3点以上を喫して、ポストシーズンに不安を漂わせる中でシーズンを終えた。山口のメジャー1年目は17試合に登板し、25.2回を投げて2勝4敗、防御率8.06。巨人での数字が2.91だから5点以上も悪化した形になり、プロ15年間でもワーストの数字だった。

 そして、この防御率8.06はブルージェイズの球団史の中でも歴代ワースト6位(25.0投球回以上)に位置するなど、不名誉な形で名前が残る形となってしまった。もっとも、球団ワーストの数字は、あのロイ・ハラデイである。のちにサイ・ヤング賞を2回、殿堂入りを果たした大投手も、キャリア当初は制球難に苦しみ、2000年は4勝7敗、防御率10.64という滅多打ちにあった。しかしここから投球フォームの改善とメンタルトレーニングに励み、2000年代最強投手の一人にまで成長したわけである。

 山口がハラデイと同じ才能を持っているのかは定かではないものの、奪三振率9.12は悪くない数字であるし、スプリッターも被打率.222、空振り/スウィング率も上々だった。課題は与四球率5.96、被本塁打率2.10という制球力不足からの失投と被弾。ポストシーズンを含めて来年までにどこまで改善できるか。やるべきことは見えている。

構成●THE DIGEST編集部