マイケル・ジョーダンは長年、多くのバスケットボール選手の憧れとして君臨してきた。その座はコビー・ブライアント、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)らに引き継がれているが、“神様”の存在感は今なお際立つ。現役時代に“エージェント・ゼロ”の異名をとったスコアラーのギルバート・アリナスは、ジョーダンとの珍エピソードを明かしている。

 アリナスはカリフォルニア州ロサンゼルスのグラント高を卒業してアリゾナ大に入学した1999年、2度目の引退をしていたジョーダン主催のキャンプに参加したという。『Fubo Sports』で「MJとの関係は?」と尋ねられた際、「俺たちの関係が始まったのは1999年だ」と17歳当時の出来事を明かしている。

「(キャンプでは)夜にピックアップゲームをやるんだけど、MJは自分のチームの仲間に5人を選び、他の15〜20人の参加者はもうひとつのチームのメンバーだった。MJは無名だった俺を選んだ。俺、ブライアン・スカラブリニ、ショーン・ランプリー、MJ……、あとの2選手は忘れたけど、基本的にはMJが全部のシュートを打つために構成されたチームだ。俺はMJのチームの一員になったんだ。『マジかよ』って興奮したよ」
  アリナスは“バスケットボールの神様”とプレーする機会に恵まれて興奮しつつも、ジョーダンへの“引き立て役”になるつもりなかったという。

「俺はMJのチームの“6番目の男”だった。MJは俺の高校での経歴を見ていないと思う。俺がパスをしないって(笑)。最初の8本のシュートすべてを俺が打った、しかも3ポイントだ。1週間同じチームだからMJは俺を外せない。3日目には(俺は)ずっと言っていたよ。『MJじゃない。ギルバート(自分)のほうが優れている』ってね(笑)」

 アリナスによれば、40得点以上の試合を連発するなかで、ジョーダンから声を掛けられたことがあったという。ただ、“神様”からの予期せぬ言葉に納得できなかったとあるエピソードを回顧している。
 「MJは俺が朝6時から練習して、他の参加者がランチで休憩している時も練習、試合の後にも練習しているのを見たはずだ。MJは俺に言ったよ。『君は俺のチームの選手を思い起こさせる』ってね。その選手の名誉を傷つけるつもりはないけど、MJが選手の名前を口にした時、俺は本気で憤慨した。(彷彿させるのは)スコッティ・ピッペンかと思っていたら、MJはランディ・ブラウンだって言うんだ。思わず『えっ、誰?』って聞き返したよ。ランディ・ブラウンなんて冗談じゃない。第一、俺はハイレベルな相手に40得点を取ってる。その俺を守備職人のランディ・ブラウン? 何の話をしてるんだって感じだったよ」

 1996〜98年のシカゴ・ブルズ後期3連覇を控えガードとして支えたブラウンとの比較は“心外”だったと、ジョークを交えながらアリナスは言及。ジョーダンもその時点では、アリナスがのちにNBAでオールスター選手になるとは想像がつかなかったようだ。
  ちなみに、数十年の時を経て、アリナスの息子もジョーダン・キャンプに参加。ウィザーズの練習着を着ていてジョーダンの目にとまり、「名前を訊かれたらしい。サインを持ち帰って来たよ」と“親子二代”で同じ体験をしたことも明かしている。

 もしジョーダンがスコアラーとして鳴らした“NBA選手アリナス”を誰かに例えるとしたら、どの選手を挙げたのか興味深いところだ。

構成●ダンクシュート編集部

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