9月29日(日本時間30日、日付は以下同)、NBAは翌30日から幕を開けるNBAファイナルに出場するロサンゼルス・レイカーズとマイアミ・ヒートの選手たちならびにヘッドコーチ(HC)たちによるメディアデーが行なわれた。

 そのなかで、最も注目を集めたのはやはりレイカーズのレブロン・ジェームズだ。ここ10年間で9度目、通算10度目のファイナル出場は歴代4人目の快挙であり、レブロン個人よりも多くファイナルへ出場しているチームはレイカーズ(32度)、ボストン・セルティックス(21度)、ゴールデンステイト・ウォリアーズ(11度)の3チームのみということからも、この男がどれだけプレーオフを勝ち抜いてきたかが分かる。

 今回のファイナルで戦う相手は、自身が2010年から14年まで在籍し、2度(12、13年)の優勝を勝ち取ったヒート。パット・ライリー球団社長、エリック・スポールストラHCが対戦相手になるのだが、レブロンは「チャンピオンシップを勝ち取るうえで、誰が相手であろうと特別な意味合いはない。ファイナルまでたどり着くことがすでに十分ハードなものなんだ」と口にしていた。

 対戦相手のヒートはプレーオフ1回戦で第4シードのインディアナ・ペイサーズを4勝1敗、2回戦では第1シードのミルウォーキー・バックスを4勝1敗、そしてカンファレンス決勝では第3シードのボストン・セルティックスを4勝2敗と、すべて上位シードのチームを下してファイナルまで勝ち上がってきた。レブロンは今季のヒートの特徴について次のように語っている。
 「ふたつある。ひとつは48分間、リードしていようがされていようが、彼らはものすごくハードにプレーしている。もうひとつは、オフボールでも動き回り、ボールをシェアできているということ。コート上にいる全員がプレーに絡んでいるんだ。それにあのチームはボールなしでもそうだし、ボールをシェアして、カットやパスでとんでもないことをやってのけている」

 7月中旬からフロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにある“バブル”と称される開催地に入ってから3か月が経過。プレーオフながらホームコート・アドバンテージもなく、無観客というこれまでとは異なる環境でプレーすることに、レブロンは「たぶん、プロとしてやってきた中で最も大変なこと」と切り出したものの、最も重要かつフォーカスしていることにブレはなかった。

「俺がここに来た唯一の理由、それはもちろんチャンピオンシップを競い合うこと。バブル入りしてから、それが俺の考えであり、最初の2日間で隔離生活をした時や、チーム練習を始めた時から変わらない」
  これまで、レブロンはヒートでドゥエイン・ウェイドとクリス・ボッシュ、クリーブランド・キャバリアーズではカイリー・アービング、ケビン・ラブといったオールスター選手たちと共にプレーしてきたが、今回相棒を務めるADことアンソニー・デイビスも頼もしい存在だ。

 デイビスはキャリアでプレーオフに28試合出場しているが、キャリア平均29.6点はマイケル・ジョーダン(同33.5点)、アレン・アイバーソン(同29.7点)に次ぐNBA歴代3位という快記録(25試合以上出場した選手が対象)。

 今年のプレーオフでもここまで平均28.8点、9.3リバウンド、3.6アシスト、1.2スティール、1.2ブロックという好成績を残している。ファイナルは初出場ながら、レイカーズの得点源としてヒートとのシリーズでも期待がかかる。
  また、このチームにはダニー・グリーン(2年連続4度目)、ジャベール・マギー(2年ぶり3度目)、クイン・クック(3年連続3度目)、JR・スミス(2年ぶり5度目)と近年ファイナルへ出場した経験を持つ選手たちに加え、ドワイト・ハワードは11年ぶり2度目、ラジョン・ロンドは10年ぶり3度目と、念願のファイナル返り咲きを決めたベテランもおり、優勝への思いは非常に強い。

 だがこのチームを束ねる司令塔はやはりレブロン。キャリア17年目の35歳は心技体に加え、リーグトップレベルのバスケットIQを持つだけに、レイカーズが10年ぶりに王座へと返り咲くことができるかは、この男のパフォーマンスにかかっていると言っていいだろう。

 今年1月にレイカーズOBのコビー・ブライアントがヘリコプター墜落事故により41歳の若さで死去、3月には新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、シーズンが4か月近く中断……。波乱続きだった今季を“キング”は優勝で締めくくることができるだろうか。

文●秋山裕之(フリーライター)

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