11月18日(日本時間19日、日付は以下同)に行なわれるNBAドラフトを約1か月後に控えた10月23日。『NBC Sports Washington』が、過去10年間におけるドラフトの掘り出し物となった10選手を掲載した。

 毎年1巡目から2巡目まで計60人の新人が指名されるNBAドラフト。上位指名選手が活躍を期待されるのは当然だが、なかには数年後に大きな飛躍を遂げる下位指名選手も少なくない。当初のドラフト指名順位から大きく出世した選手は誰なのか。

■過去10年間におけるドラフトの掘り出し物となった10選手
※チーム名は略称、選手名横のチームは現所属、指名順位横は指名チーム

10位.ブランドン・クラーク(グリズリーズ):2019年1巡目21位(サンダー)
9位.アイザイア・トーマス(無所属):2011年2巡目60位(キングス)
8位.パスカル・シアカム(ラプターズ):2016年1巡目27位(ラプターズ)
7位.マルコム・ブログドン(ペイサーズ):2016年2巡目36位(バックス)
6位.カワイ・レナード(クリッパーズ):2011年1巡目15位(ペイサーズ)
5位.ルディ・ゴベア(ジャズ):2013年1巡目27位(ナゲッツ)
4位.ジミー・バトラー(ヒート):2011年1巡目30位(ブルズ)
3位.ドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ):2012年2巡目35位(ウォリアーズ)
2位.ニコラ・ヨキッチ(ナゲッツ):2014年2巡目41位(ナゲッツ)
1位.ヤニス・アデトクンボ(バックス):2013年1巡目15位(バックス)
  ドラフトでは、アメリカの大学リーグNCAAで活躍を見せた選手、あるいは確かな将来性を披露した者が上位で指名されるのが定石だ。一方で、今回のランキングではクラーク(カナダ)、シアカム(カメルーン)、ゴベア(フランス)、ヨキッチ(セルビア)、アデトクンボ(ギリシャ)と、10人のうち5人が外国籍選手であるように、海外出身の選手は評価が分かれやすい。

 10位のクラークは、昨年のドラフトでNBA入りしたルーキーだ。今季は大半がベンチからの出場ながら、平均12.1点、5.9リバウンド、フィールドゴール成功率61.8%を記録してオールルーキー1stチームに選出。前述の海外出身組とはいえ、NCAAで才能の片鱗を見せた1人であり、八村塁とゴンザガ大で同期だったことから名前を覚えているファンも多いだろう。

 175cmという低身長がネックになりドラフト時に評価を落としたトーマスは、卓越したセンスとシュート力を武器にはい上がり、ボストン・セルティックス在籍時の2016、17年に2年連続でオールスター出場。特に16−17シーズンにはリーグ3位の平均28.9点をマークし、オールNBA2ndチームにも選ばれた。
  シアカムは当初はGリーグで経験を積むなど、ラプターズが時間をかけて育成。その成果が花開いた昨季はMIP(最優秀躍進賞)を受賞し、球団初優勝に大きく貢献した。今季は自身初のオールスター出場をスターターで飾り、オールNBA2ndチームに選出されている。

 ブログドンは当時の指揮官ジェイソン・キッド(現レイカーズAC)に認められてプレータイムを獲得し、平均10.2点、4.2アシストで2巡目指名ながら新人王を受賞。今季から加入したペイサーズでも平均16.5点、4.9リバウンド、7.1アシストと、堂々たる成績を残している。

 レナードとゴベアはドラフト当日のトレードで指名チームから即移籍を経験。だがそれぞれ2度の最優秀守備選手賞に輝き、今では同ポジション内でリーグ屈指の地位を確立している。特にレナードは現役有数のオールラウンダーへと成長を遂げ、2度のファイナルMVPを手にするなど、ドラフト時からは予想もつかない大出世を遂げた。
  今年のプレーオフを沸かせたバトラーは、1巡目の最下位指名。だがレナード同様、好ディフェンダーからオールラウンダーへと進化し、オールスターの常連へと飛躍。攻守に秀でたパフォーマンスと魂のプレーで、今季はヒートを6年ぶりの頂上決戦へ導く立役者となった。

 ウォリアーズの主軸として3度の優勝に貢献したグリーンは、2012年のドラフト組でも出世頭の1人と言えよう。先日出演したポッドキャスト番組「The Brownprint」では、当時の指揮官マーク・ジャクソンから「いいか、君には私がこれまで観ていた姿と同じドレイモンドであってほしいんだ。君がこれまでの人生でやってきたのと同じくリーダーとして振る舞ってほしい」と言われたことを告白。「彼にはこれからもずっと感謝していくさ。2巡目指名選手がヘッドコーチからそんなことを言われたんだからな。キャリア初期にあんなことを言われたんだから、俺はすごく幸運だったのさ」と振り返っていた。
  そしてそのグリーンの上を行くのが、現在リーグを代表する選手へと成長したヨキッチ、アデトクンボの欧州コンビだ。ヨキッチはビッグマン離れした柔軟なプレーでナゲッツの大黒柱となり、今季は2年連続でオールスターとオールNBAチーム入り。特に天性のパスセンスは歴代ビッグマンのなかでも最高峰と言っていい。

 練習の虫として知られるアデトクンボは1年目の平均6.8点から年々成長を続け、今では押しも押されもせぬスーパースターに。2年連続でシーズンMVPに加え、今季は最優秀守備選手にも選ばれたことで、マイケル・ジョーダン、アキーム・オラジュワンに続く史上3人目のダブル受賞を達成している。
  新陳代謝の激しいNBAでは、上位で指名された選手が3、4年後にリーグから姿を消していることも珍しくない。一方で、たとえ下位で指名されても、努力の末にスターに上り詰めることができることを彼らは証明している。今年のドラフトでも、数年後に思わぬ掘り出し物が出てくる可能性があるだけに、各チームがどんな選手を指名するのか楽しみに待ちたいところだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!