全米野球記者協会(BBWAA)は現地時間2日、記者投票によって決定される各賞(MVP、サイ・ヤング賞、新人王、最優秀監督賞)のファイナリスト3名を発表。前田健太(ミネソタ・ツインズ)がシェーン・ビーバー(クリーブランド・インディアンス)、リュ・ヒョンジン(トロント・ブルージェイズ)とともにアメリカン・リーグのサイ・ヤング賞トップ3に入ったことが分かった。

 前田は今季11試合に先発して6勝1敗、防御率2.70、80奪三振をマーク。1イニング当たりに許した走者数を示すWHIP0.75はメジャートップにして、短縮シーズンという面はあっても歴代2位に相当する好投を見せただけに、トップ3入りしたことは十分納得できるものである。

 もっとも、サイ・ヤング賞は満票でビーバーが受賞するのは確実な情勢だ。ビーバーはいずれもメジャー1位の8勝、防御率1.63、122奪三振で投手三冠を達成。文字通り、今季メジャー最高の投手だったことは疑いようのないところがある。
  そしてもう一人の候補、リュ・ヒョンジンも4年8000万ドルの契約に応え、5勝2敗、防御率2.69、72奪三振を記録。アウォード投票で重視される勝利貢献度WARは3.0でビーバーに次ぐ投手メジャー2位とあり、サイ・ヤング賞はビーバー、リュ、前田(1.6)の順になる可能性が高そうだ。

 仮に前田は3位だとしても胸を張っていい。日本人投手で上位3人に入ったのは過去にダルビッシュ有(2013、20年)、岩隈久志(2013年)の2人だけであり、ツインズの投手では2006年のヨハン・サンタナ以来の快挙なのだから。

 ちなみに、前田とリュに一つ共通点があるのはお気づきだろうか。両名とも「昨年までドジャースでチームメイト」だったのだ。前田はトレード、リュはFAで新天地に移ったわけだが、直前のシーズンでチームメイトだった二人が翌年のサイ・ヤング賞投票でトップ3に入るのは史上初の珍事である。ドジャースからしたらつくづく惜しいことをした、と言えなくもないが、彼ら2人がいなくても今年世界一になっているわけだから、そうでもないのだろうか。

構成●SLUGGER編集部