近年は低迷が続いているシカゴ・ブルズだが、1990年代は名将フィル・ジャクソンの下、マイケル・ジョーダンとスコッティ・ピッペンという名コンビを中心に、1991〜93、96〜98年と2度の3連覇を成し遂げた強豪チームだった。

 6度の優勝をすべて経験したのはジョーダン&ピッペンの2人だけだが、最初の3連覇時にはホーレス・グラント、ジョン・パクソン、BJ・アームストロング、ビル・カートライト、2度目はデニス・ロッドマン、トニー・クーコッチ、ルーク・ロングリー、スティーブ・カー等、脇を固めるメンバーも強力で、彼らの活躍なくしてチームの栄冠はなかった。

 そのなかでも強烈なインパクトを残したのが、95年に加入したデニス・ロッドマンだ。201㎝とパワーフォワードとしては小柄ながら、ボールへの嗅覚と抜群のポジショニングで軽々と2桁リバウンドを奪った奇才は、当時ブルズが採用していた難解なトライアングル・オフェンスをすぐに理解。在籍3年間で平均15.3リバウンドを奪ったほか、攻撃では潤滑油としてチームメイトのチャンスを作り出し、ディフェンスでも自分より大きな相手を抑え込み、優勝に大きく貢献している。

 さらに元チームメイトをこき下ろした自伝の発売や人気女優との交際、プロレス参戦などオフコートでも大きな注目を集めた。

 その一方で、相手選手との口論やレフェリーに対する暴言、罰金処分や出場停止は日常茶飯事。今年4月に公開されたドキュメンタリー『ザ・ラストダンス』ではシーズン中にもかかわらずチームに休暇を要求し、ラスベガスでパーティーを行なっていたことが明かされるなど、その行動は予測不能で自由奔放だった。
  そんななか、90年代後半のチームでシックスマンを務めていたクロアチア出身のクーコッチが、ロッドマンのパーティーに参加した際のエピソードを「basketballnetwork」で明かした。

「それは特別な話で私は彼(ロッドマン)についていくことができなかったよ。その後、7日から10日の回復期間が必要だったから、彼と一度だけパーティーをした。彼が最初に注文したのは、ウォッカ40ショットとビール10杯だった。もっと人が来るのかと聞いたら、彼はバーを開いたままにしておくためだと答えた。その夜バーにいた誰もが、ロッドマンが注文した無料の食べ物と飲み物を持っていたよ」

 クーコッチはロッドマンとチームメイトになる前、彼について様々な話を聞いていたが、実際に会って素晴らしい人間だと気付いたという。また、ロッドマンのようなパーティー三昧のライフスタイルは危険だが、それ以外の面では良いチームメイトであり、良い人間だと語っている。

 ロッドマンはレギュラーシーズンだけでなく、プレーオフに入ってもパーティーを開催。宴は明け方まで続くことも珍しくなかったが、それでも試合になればスイッチを切り替え、チームの勝利のために全力でプレーし、攻守でブルズを支えた。

 コート内外での奇行ばかりがクローズアップされ、“暴れん坊”や“問題児”の印象が強いロッドマン。本人は『ザ・ラストダンス』内で「そのイメージを自分で作った」と明かしている。しかし、彼を良く知る関係者のデニス・ロッドマン像は、世間のイメージとは正反対だったようだ。

構成●ダンクシュート編集部

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