マイケル・ジョーダン、コビー・ブライアント、レブロン・ジェームズ――。“ジョーダンの系譜”の3人は近年、「NBA史上最高の選手」を巡る議論において常に名前が挙がってきた。

 そのなかで、レブロンが2019−20シーズンにロサンゼルス・レイカーズを10年ぶり17度目のリーグ制覇に導き、自身4度目となる優勝&ファイナルMVPを達成。35歳にして今なお衰え知らずのパフォーマンスを見せていることで、「ジョーダンvsレブロン」の構図がより色濃くなってきた。しかし、3人全員と対戦経験のあるジャマール・クロフォード(ブルックリン・ネッツ)は、コビーへの熱い思いを口にしている。

 ジョーダンはシカゴ・ブルズで最初の3連覇(1991〜93年)を達成した直後の1993年10月に現役引退を電撃発表。その後、野球挑戦を経て95年3月に電撃復帰を果たし、96〜98年に2度目の3連覇、2度目の引退を経て、2001−02シーズンからワシントン・ウィザーズで2年間プレーすることになるが、“ジョーダンの後継者探し”は一気に加速していった。
  アンファニー“ペニー”ハーダウェイ(93年ドラフト1巡目3位)、グラント・ヒル(94年1巡目3位)、アレン・アイバーソン(96年1巡目1位)、コビー(同1巡目13位)、レブロン(03年ドラフト全体1位)……。ペニーやヒルなどケガに泣いた選手や、プレッシャーに押しつぶされた選手も多数いた一方で、コビーとレブロンはキャリアを通じてジョーダンに匹敵するスタッツを残し、キャリアを通じて比較されてきた。

 コビーは今年1月にヘリコプター墜落事故に遭い、不慮の死を遂げてしまったが、その功績は色褪せることなく、今年バスケットボール殿堂入りが決定。ただ、レブロンが悲しみに暮れるレイカーズに優勝をもたらして株を上げており、ファイナル終了後は脚光を浴びる機会が増えている。そのなかで、コビーについて語ったのが、2000年のNBA入りからキャリア20年の大台に乗せたクロフォードだ。

 40歳の大ベテランは、ジョーダン、コビー、レブロンの全員と対戦経験を持つ数少ない選手だ。ポットキャストのホストやコメンテーターを務める“See Hendo”ことクリス・ヘンダーソン氏の番組『Always WRKN』に出演した際、「我々はコビーを正当に評価していなかったかもしれない。世間はMJが去ったあとに、“次のMJ”を求め、文字通り(MJの)カーボンコピーのように扱った。君にとってコビーはどんな存在だった?」と問われると、ジョーダンが「ベストプレーヤー」と断ったうえで、2歳年上のコビーにも触れている。
 「俺はジョーダンと対戦したことがあるけど、(晩年の)ウィザーズ時代だった。ジョーダンのことは小さい頃から大好きで、俺の中でのベストプレーヤーだ。対して、コビーは俺が今まで対戦したなかでベストのバスケットボールプレーヤーだった。全盛期のコビーを見ているし、チームだけでなく、アリーナ全体を支配する姿に恐怖を感じた」

 クロフォードは、いわゆる“マンバメンタリティ”を含めたオーラとスキルは歴代のなかでもトップクラスだったと絶賛。コート上での姿には恐怖さえ感じたという。
 「コビーのオーラはスターが揃うリーグのなかでも別次元のものだった。彼とは(16年の)引退前の何年か、たくさん話をさせてもらったけど、今でもよく覚えているし、学ぶことは多かった。振り返ってコビーを紹介するとしたら、『彼は俺たちの世代のマイケル・ジョーダンだ』と言うだろうね。疑いの余地なんてあるかい? 精神力、飽くなき向上心、ストイックさ、才能、スキル……、どれを取ってもコビーは俺が対戦した中でベストで、唯一無二の存在だ。歴代でもトップ5のうち、2〜3番目に入るのは間違いない。コビーは心を鬼にして襲い掛かってくる。50点、60点、コートに立った時の彼はいわば殺し屋みたいなもんだ。でも、彼の人柄を知るチャンスがあるのはコート外に限られる」

 今は亡きコビーに対して、クロフォードは最大限のリスペクトを示していた。

構成●ダンクシュート編集部

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