言わずと知れたリーグ屈指のスコアラー、ケビン・デュラント。ブルックリン・ネッツに加入した昨季こそ、2019年のNBAファイナル第5戦で右足アキレス腱を断裂した影響で全休となったが、3年連続(2010〜12年)を含む計4回のスコアリングタイトルを獲得し、キャリア平均27.0点は歴代6位にランクインしている。

 ケガの状態がどこまで回復するかが来季のカギとなるが、アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)やコビー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)と同じ1996年ドラフト組で、攻撃的ポイントガードとして鳴らしたステフォン・マーブリー(元ニューヨーク・ニックスほか)は「ケビン・デュラントみたいな選手は見たことがない」と、その驚異のポテンシャルを改めて強調する。
  デュラントの特徴は、身長208cmのサイズながら、いとも簡単にアウトサイドからゴールを射抜き、通算3ポイント成功数は歴代29位の1570本、その上で成功率も38.1%と高精度。かつてダーク・ノビツキー(元ダラス・マーベリックス/身長213cm)の片足ステップバックジャンパーがアンストッパブルと言われたように、デュラントのリリースが速いシュートも止めるのは不可能に近い。しかも、リバウンドを取って自らドリブルでプッシュし、ゲームメイクまでしてしまうほどのハンドリング力も兼ね備えている。シュート力を生かした得点能力は、“キング”ことレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)以上と言っていい。

 マーブリーは、デュラントが18歳だった2006年の大学1年生の時点で、すでにNBAで活躍でき、将来的にスーパースターになると確信していたという。『Ball Don't Stop』のインタビューで、このように当時を回想している。

「テキサス大での最初の試合を観たことを覚えている。俺は兄貴に電話した。『ケビン・デュラントという名前のフレッシュマン(1年生)がいる。ウェイトが10〜15ポンド(約4.5〜6.8kg)ついたら、すぐにでも(NBAで)プレーできる』ってね。兄貴はすぐにチェックに来て、クレイジーだと言っていたよ」
  現役時代にコビーやアイバーソンらとしのぎを削り、“神様”マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)とも対戦した経験を持つマーブリーは、デュラントのポテンシャルに関して“歴代トップ級”の評価を下している。

「身長が208cmあって、あれだけボールを自在に扱える選手は観たことがない。文字通りポイントガードのスキルだよ。なんでもできるし、他と一線を画すのは彼のシュート力だ。どこからでもシュートを打てるから、すべてが威力を発揮する。彼相手にピック&ロールをすることはない。(ジョーダンやコビーのような)バスケットボールを知り尽くした選手と同じ領域にいると思う」
  ゴールデンステイト・ウォリアーズ時代の2017年、18年に連覇&2年連続ファイナルMVPを獲得した後、ドレイモンド・グリーンとの衝突やネッツ移籍、さらに歯に衣着せぬ発言で矢面に立つシーンも増えているデュラント。しかしプレー面においては、NBAの輝かしい時代を知るマーブリーからしても、舌を巻くほど実力と言わざるを得ないようだ。

構成●ダンクシュート編集部

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