鉄腕は、健在だった。

 現地時間11月28日、アメリカのロサンゼルスにあるステープルズセンターで開催されたエキシビションマッチで、元世界3団体ヘビー級統一王者のマイク・タイソン(アメリカ)は、元世界4階級制覇王者ロイ・ジョーンズJr(アメリカ)と引き分けた。

 8ラウンドの末にドローに終わったが、試合の主導権を握っていたのは、タイソンだった。2005年6月11日以来、5649日ぶりにリングに返り咲いたとは思えない躍動を見せた“鉄腕”は、ジョーンズJrを防戦一方にし、クリンチに逃げるしかない状況にまで追い込んだ。

 ダウンこそなかったものの、最終ラウンド時には肩で息をするようになっていたジョーンズJrは、試合後のフラッシュインタビューで、こうタイソンの凄みを語った。

「今日は本当に大変だった。ボディーに来るパンチが本当に効いた。こっちは何度もやろうとしたことができなかった。とにかく彼のボディーが効いたんだ。ことごとく体力を奪われたてしまったね」
  一方のタイソンは、「皆が喜んでくれたなら引き分けでもいい」と“復帰戦”に満足感を口にした。

「別にドローという決着でも構わないさ。それでみんなが喜んでくれたならね。15年もブランクがあって、今は8回も戦い抜けたことで喜びを感じている。俺のパンチは効いていたはずだけど、あいつは良く持ち堪えたよ」

 最後まで決定的なヒットは繰り出せなかったが、2年前まで現役だった相手を圧倒した54歳の元ヘビー級チャンピオンには、海外メディアも驚きを隠さない。英スポーツ専門ラジオ局『talkSPORT』は、「あのタイソンが戻ってきた!」とキレのある動きに賛辞を送った。

「決着はつかなかったが、かつてのヘビー級のレジェンドはやはり圧巻だった。とにかく生きて帰ろうとしたジョーンズJrの作戦は結果的に見れば、機能したと言える。だが、もしも、この試合に判定が付いていたならば、タイソンが簡単に勝っていたはずだ。彼は爆発的なショットこそ見せられなかったが、努力の成果と飽くなき闘争本能を見せつけた」

 今後ついては、「またやりたい」と意欲を見せたタイソン。往年の片鱗を見せたヘビー級のレジェンドからは、まだまだ目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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— Dash Radio (@dash_radio) November 29, 2020