直近のラ・リーガ2試合でベンチ入りしながらも、出番なしに終わったビジャレアルの久保建英。これが、以前から噂されていた「1月退団説」に拍車をかけるものとなっている。

 今季、レアル・マドリーからのレンタルで「イエローサブマリン」の一員となって以降、ウナイ・エメリ監督による久保の起用法をめぐってはしばしば論争が巻き起こり、そのたびに契約がシーズン途中で強制解除されるという噂が生じるも、それ以上の動きが見られることはなかった。

 しかし、MFビセンテ・イボーラの長期離脱に端を発し、EU圏外枠をめぐる問題で、久保に放出の可能性が生じてくると、そこから3部リーグのレイオア相手のコパ・デル・レイ1回戦で後半途中出場を果たして以降、彼がピッチに立つことはなくなった。
  マドリードのスポーツ紙『MARCA』は、この19歳の日本人選手について「エスタディオ・デ・ラ・セラミカ(本拠地)でのプレーは終わったようだ」と報じている。

「久保はエメリ監督の支持を失った。ジェレミ・ピノ、フェル・ニーニョ、アレックス・バエナら生え抜き選手らの台頭で、状況はさらに悪いものとなった」と綴る同メディアは、最初はマドリー側だけが満足していなかったのが、この数週間でビジャレアル側も「返却」に合意していると伝えた。

 ここまで公式戦で約700分間プレーした久保のパフォーマンスのクオリティーは「やや標準を下回っている」と厳しく評価する同メディア。若手選手への機会の提供について質問を受けたエメリ監督が、「誰にでもチャンスはある」としながらも、「好パフォーマンスを見せられない選手に10試合も連続でプレーさせるために、我々はここにいるわけではない」と語ったことも紹介している。

 若い久保を借り受けるのに250万ユーロ(約3億1000万円)を費やしたことは、「今季の戦力補強が“わずか”1億1700万ユーロ(約144億円)のビジャレアルにとって大きな努力」であり、これは他のリーガのクラブにとっても厳しいものであるとして、久保がレンタルバックされた場合、新天地探しに苦労する可能性も示唆している。
  この報道は国外にも広く拡散され、アメリカのメディア『El Intra Sports』は「ビジャレアルに捨てられるマドリーの選手」、フランスのメディア『Le 10 sport』は「エメリが『日本のメッシ』に酷いメッセージを送った」という刺激的な見出しで、これを伝えた。

 さて、久保の次なるレンタル先としては、レアル・ソシエダ、ヘタフェなどの名前が挙がっているが、マドリードの日刊紙『LA RAZON』は、なんと昨季の久保の所属クラブであり、彼が「偉大な記憶を残した」マジョルカに言及している。
  同メディアによれば、マジョルカのアルフォンソ・ディアスCEO、パブロ・オルテルスSDは、久保の再獲得について訊かれると、「我々は常に、チームを改善するための、あらゆる方法に対してオープンな姿勢を保ち続けている」と回答。しかし、続けて「日本の少年の頭には別のプランがある」とも語った。

 いずれにせよ、残留するも、退団するも、久保の前途には困難が待ち受けているようだが、果たしていかなる結末になるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部