2020年のスポーツ界におけるトピックスを『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回はWBAスーパー&IBF同級王者・井上尚弥の登場だ。ジェイソン・モロニーを相手に7回KOと圧巻の強さを披露した井上。この劇的一戦を、海外メディアはどのように称賛したのか。

記事初掲載:2020年11月2日

――◆――◆――

 圧巻の防衛戦に海外メディアからスポットライトが当てられ続けている。

 現地時間10月31日、ラスベガスのMGMグランドガーデンで、WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)が、WBA同級2位ランカーのジェイソン・モロニー(オーストラリア)に7回2分59秒でKO勝ちした。

 序盤から鋭いジャブをコンスタントに繰り出し、主導権を握った井上は、6回に最初のダウンを奪取。7回終盤にモロニーの左ジャブをかわすと渾身の右ストレートを炸裂させ、鮮やかなKO勝利を収めた。

 モロニーが膝から崩れ落ち、試合直後に病院へ直行したほどの強烈な一撃を見舞った井上。コロナ禍の影響で海外からスパーリングパートナーが呼べない難しい練習環境を強いられたなかで、巧みな調整能力と地力の強さを見せつけた格好だ。

 そんな“モンスター”の出色のパフォーマンスは、今年4月に対戦予定だった“宿敵”WBO王者のジョンリール・カシメロの地元フィリピン・メディアでも反響が拡大している。
  日刊紙『Philstar』は、「イノウエはオーストラリア人を執拗に攻め続け、2本のベルトを強調。カシメロとの統一戦を訴える」と伝えれば、フィリピンのボクシング専門メディア『PhilBoxing』は、「イノウエはスリリングなノックアウトでチャレンジャーを打ちのめした」と絶賛した。

「今日のボクシング界で最もエキサイティングな戦士である“モンスター”は、優れたボクシングスキルと驚異的なスピード、爆発的なパワーで、ジェイソン・モロニーを圧倒した。そして日本人は、黄金の右腕で相手を打ち崩した」

 そして『PhilBoxing』は、マッチサマリーの最後にこうも綴っている。

「フィリピンをはじめ、全世界のボクシング・ファンが見たいと思う戦いは、経験豊富なWBO世界チャンピオンのカシメロとの戦いだ。おそらく来年に実現するだろう」

 米スポーツ専門放送局『ESPN』は、興行をプロモートした「トップランク」社のボブ・アラムCEOの話として、来年3月にWBO王者カシメロとの対戦が予定されていると報じているが、井上の次なるターゲットは誰になるのか。マッチメークの行方に世界が注目している。

構成●THE DIGEST編集部