ゲイリー・ペイトンは現役時代、9年連続(1994〜2002)でオールディフェンシブ1stチームに選出された守備の名手として鳴らした。96年にはスティール王と、ポイントガードとしては史上唯一の最優秀守備選手賞に輝き、シカゴ・ブルズと激突した同年のNBAファイナルでは“神様”マイケル・ジョーダンとも激しいマッチアップを繰り広げた。

 ブルズが最後に優勝した1997−98シーズンに密着して撮影したドキュメンタリー10部作『ザ・ラストダンス』で、ペイトンは「俺はジョーダンを苦しめた」とコメント。宿敵として“神”を苦しめた自負を覗かせたが、ジョーダンは「グローブ(ペイトンの異名)なんて俺の相手じゃない」と一笑に付した様子が話題を呼んだ。

 ただ、当時シアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)でペイトンとコンビを組み、“ダンクの雨”を降らせてリーグを席巻したショーン・ケンプは、『Inside Buzz』のインタビューでかつての相棒を擁護している。

「マイケルのことは大好きだ。真剣勝負ができたことには感謝している。私の目には、『ラストダンス』というドキュメンタリーがマイケルのためにあるものだと映った。マイケルは、ゲイリーのディフェンスは影響がなかったと言っていたが、それはジョークだ。ゲイリーはマイケルのことを熟知している。我々はマイケルを驚かせたが、仮に動揺した時や、逆に好調だったとしてもそれを表立たせることはない。彼は常に相手を支配しようとしているだけだ」
  ケンプの見解としては、ペイトンは十分にジョーダンを手こずらせていたが、負けず嫌いのジョーダンがそれを認めるはずはないという。ドキュメンタリーが“ジョーダンのためにある”という点に関しても、先日、相棒のスコッティ・ピッペンが「『ザ・ラストダンス』は正確ではなかったと思う」「マイケルがどんなパーソナリティの持ち主かを垣間見る機会があったという点でも、少し裏目に出たと思う」と否定的な意見を述べており、ケンプの目にも同様の印象が残ったようだ。

 もっとも、ケンプはジョーダンの栄光のキャリアには最大限のリスペクトを示している。

「前にも言ったけど、私はどの選手よりもマイケルを一番尊敬している。誰が歴史上最も偉大なプレーヤーかよく聞かれるが、それは分からない。ただ、唯一伝えられるのは、マイケルは常に勝利を追求してきたということだ」

 今年11月には、「マイケル・ジョーダンvsレブロン・ジェームズ」の“史上最高のプレーヤー”議論においても、「マイケルに軍配が上がるよ。レブロン・ジェームズは素晴らしい成績を収めているが、マイケルのキャリアは勝利にのみ彩られている」と語っていたケンプ。相棒ペイトンのことをフォローしつつも、やはり“神様”の存在は特別なものになっているようだ。

構成●ダンクシュート編集部

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