1月8日(日本時間9日、日付は以下同)、ワシントン・ウィザーズは敵地TDガーデンに乗り込み、ボストン・セルティックスと一戦を交えた。

 試合は第1クォーターから点の取り合いとなるも、ウィザーズは第2クォーターに19−33と失速し、前半を終えて47−66と19点のビハインド。先発パワーフォワードとして出場した八村塁も、前半は存在感を示すことができなかった。

 序盤に左ローポストでシェミ・オジェレイに仕掛けた1対1は、ショットまで持ち込めずにパスアウト。第2クォーター残り約7分にも右ローポストからジェイレン・ブラウンと1対1に臨んだが、ボールをファンブルしてしまいターンオーバー。その後も226cmのタコ・フォール相手にショットを打てずパスを選択。前半残り約3分には、左ローポストでマーカス・スマートと対峙したものの、リングとは反対方向にドリブルし、ジャンプしてからパスコースを探すなど、シュートまで辿り着けないシーンが目立った。
  残り約30秒にはゴール下でボールを受けるも、ダニエル・タイスの前にシュートを決め切れず。結局前半はラッセル・ウエストブルックとの2メンゲームから決めたレイアップ、スマートをパワードリブルで押し込み、ファウルを誘って得たフリースロー2本を成功させたのみの、わずか4得点に終わった。

 前半終盤、ウィザーズは司令塔のスマートへ八村をぶつける策を講じたが、点差はなかなか縮まらず。それでも、ハーフタイムでスコット・ブルックス・ヘッドコーチ(HC)と会話し「ディフェンスの部分で、前半にミスが多かったので、後半はもっとアグレッシブにディフェンスをやろうと話しました」と前半を振り返った八村は、徐々にエンジンを上げていく。

 第3クォーター、八村はジェイソン・テイタムやブラウンのドライブを警戒してペイントエリア近くにポジショニングしたことが裏目に出て、オジェレイに左コーナーからオープンの3ポイントを2本も被弾。残り8分28秒、ウィザーズはこの日最大となる28点ものビハインド(49−77)を背負ってしまう。
  しかしそこで目が覚めたのか、ブラッドリー・ビールのプルアップジャンパーや3ポイントを皮切りに、八村もフリースローライン付近から得意のミドルレンジジャンパー、ファーストブレイクから左レイアップを決めて追い上げ態勢に入る。

 守備ではギャリソン・マシューズ、モリッツ・ヴァグナーのハッスルプレーでセルティックスのターンオーバーを誘発。第4クォーター残り約10分でウエストブルックと八村をコートへ戻すと、ヴァグナーのスティールから八村がクイックダンク、ウエストブルックのパスから八村が3ポイントをリングに突き刺し、残り7分36秒、ついに4点差と射程圏内まで持ち込む。

 だがその後、セルティックスはウィザーズの追い上げを許さず、最後は107−116で敗戦。八村は残り約3分、テイタムに1対1を仕掛けられ、ペイントエリアまで持ち込まれるもパスアウトに追い込む好守備を披露した。
  また、マッチアップしたスマートにはバックコートからしつこくマークしたことでその闘争本能に火をつけたのか、試合終盤には“洗礼”も受けた。残り1分31秒、リバウンド争いで八村と左腕が絡んだスマートは、お家芸ともいえるフロッピングのようなリアクションを見せて八村のファウルを誘発。「えっ…」というような反応を見せていた八村へ話しかけ、涼しい顔でフリースロー1本を沈めてウィザーズにとどめを刺した。

 その時点で試合の勝敗は決まっていたものの、八村は残り36.4秒に左ローポストでボールを持ち、スマートへ“お返し”とばかりにターンアラウンドジャンパーをヒット。リーグ最高級のディフェンシブガードを相手に、見事なムーブを披露した。

 セルティックスはテイタムが32得点、ブラウンが27得点、13リバウンド、5アシスト、スマートが13得点、5リバウンド、5アシストをマーク。この日は新型コロナウイルスのヘルス&セーフティプロトコルのため、トリスタン・トンプソン、グラント・ウィリアムズ、ロバート・ウィリアムズ三世らビッグマン勢が揃って欠場したものの、タイスとフォールが奮闘を見せた。
  一方のウィザーズは、ビールが41得点を叩き出したほか、ダービス・ベルターンスが13得点、ウエストブルックが12得点、8アシストを記録するも2連敗。八村は「3クォーターはディフェンスから入っていって、オフェンスも流れよく、いい感じで入っていったんですけど、4クォーターにしっかりフィニッシュできなかったと思いました」とこの試合を振り返った。
  その八村は、今季最長となる37分12秒のプレータイムで17得点、5リバウンド、3アシスト、2スティールを奪取。フィールドゴール成功率58.3%(7/12)、3ポイント成功率33.3%(1/3)、フリースロー成功率100.0%(2/2)と、前半の不調を見事に挽回し好成績を残した。

 後半に13得点を稼いだことについては「ディフェンスから勢いが乗っていったなと自分では感じます」と話し、試合中にシュートタッチが良くなっていったとのこと。翌9日にホームで行なわれるマイアミ・ヒート戦に向けて「しっかりと切り替えて、ヒートもイーストで上のチームなので、勝てるように頑張ります」と語った。

文●秋山裕之(フリーライター)

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