男子テニス世界ランク2位のラファエル・ナダル(スペイン)が海外メディア『ESPN』のインタビューに応じ、全豪オープンの開催に際して行われている検疫制度について、初めて口を開いた。

 今年の全豪オープンでは新型コロナウイルスの感染拡大を懸念し、オーストラリアテニス連盟とビクトリア州政府の取り決めにより、アデレードとメルボルンの二拠点に分ける形で、14日間にわたって全選手に隔離措置を命じている。

 そんな中、アデレードに渡航した上位選手は24時間自由にホテルのジムを使用できるなど、メルボルンに滞在中の選手と比べ、より良い待遇を受けられることから「優遇されているのではないか」と批判の声が上がっていた。

 さらにメルボルンでは、現地着のチャーター機から新型コロナウイルスの陽性者が確認され、濃厚接触と判断された一部の不運な選手たちが、練習すら許されない完全隔離に陥っている状況だ。
  ナダルは一連の批判に対し、「不満を言うのは理解できる」としながらも「だが自分は他の選手とは異なる意見を持っている」とコメント。「アデレードでは、メルボルンのほとんどの選手よりも待遇が良くなっている。しかし、メルボルンでは伸び伸びとトレーニングができる大きな部屋を持っている選手もいれば、小さな部屋しかなくコーチやフィジカルトレーナーとコンタクトが取れない選手もいる」と不平等の根源は別にあると主張している。

 また、「結局のところ、人というのは自分がある立場にいて、他人が違う立場にあるとき、不満をこぼす傾向がある。だが、より良い環境にある人がいて、その人たちは他人が最悪の状況にあるときには文句は言わない。だから彼ら(メルボルンにいる選手たち)は『アデレードの選手たちがより良い環境にいる』と言うが、メルボルンにいる選手でより良い部屋にいる選手たちからは全く『自分には良い待遇が与えられている』という声を聞かない」と持論を展開。

「最終的には、私たちは皆、(どんな状況でも)自分たちの可能性を最大限に引き出し、お互いに助け合おうとする。それが事実だ」と語り、インタビューを締めくくった。

 すなわち、ナダルは選手全員が大局を見て状況に順応していくこと、検疫のプロセスが完璧ではないことを理解するように促している。全選手が残り数日の隔離期間を何とか乗り越え、コート上でベストパフォーマンスを発揮できることを祈りたい。

文●中村光佑

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