冬の移籍市場最終日にリバプールからサウサンプトンへレンタル移籍した南野拓実は、新天地デビュー戦となったプレミアリーグ第23節のニューカッスル戦でスタメン出場し、30分には見事なゴールを決めるなど、幸先の良いスタートを切った。

 ラルフ・ハーゼンヒュットル監督は、ハイボールが飛び交う困難な状況で効果的なプレーを披露して結果も出してみせた南野を、リーグ5連敗と暗い話題が続くチームの中で唯一とも言える明るい材料であるとして、「我々を助けてくれる存在であることを示した」と称賛している。

 サウサンプトンはその前の2試合(アストン・ビラ戦、マンチェスター・ユナイテッド戦)で完封負けを喫するなど得点力不足に苦しんでいたが、その状況を決して簡単ではないゴールで打ち破った南野は、サウサンプトンの問題を解決するキーマンとして期待を集めつつある。

 しかし英国メディア『Hampshire Live』は、ニューカッスル戦での南野のプレーは新たなボスとなったハーゼンヒュットル監督に対してだけでなく、彼を南海岸のクラブに送り出したリバプールのユルゲン・クロップ監督にも、強いメッセージを送ったと主張している。
  左サイドハーフで試合開始を迎えた南野は、「10番」としての働きで味方にチャンスを提供したが、同メディアは彼のプレーを「ライン間に“浮かぶ”ように存在し、ボールを持つと走るのではなく、“滑る”ように前方に進んだ」と表現。そして彼は、相手守備陣の背後への侵入を狙い、そこからゴールを生み出した。

 その後、DFヤニク・ヴェステルゴーの攻撃参加に合わせて下がり目のプレーメイカーに役割を戻した時、南野は「本当の多様性」を示したと同メディアは綴り、そのプレーはまさに、リバプールのロベルト・フィルミーノのそれと同じものだったという。

 リバプール自慢の「フロントスリー」の一角として、得点、チャンスメイク、前線での守備においても重要な役割を担ってきたブラジル人は、しかし今季はそのパフォーマンス低下をしばしば指摘されており、後継者探しが急務ともいわれてきた。
  リバプール在籍時にもフィルミーノのバックアップとして期待された時期もある南野だが、「ニューカッスル戦で彼が自分で作り出した役割は、フィルミーノのものであり、これはクロップを大いに興奮させる可能性がある」と同メディアは綴っている。

 このように南野のレンタル移籍は、彼にとっても、両チームにとっても正解だったという見方は多い。元イングランド代表GKで現在はコメンテーターを務めるポール・ロビンソンも、「サウサンプトンにとって、お得な補強だった。南野は中盤から多くの攻撃オプションが提供できる優秀な選手であり、創造性ももたらせる」と肯定しているが、彼の場合は別の思いも浮かんだという(専門メディア『Football Insider』より)。
 「彼が(リバプールを)去るのを見て、ショックを受けた。長くベンチを温めていたとはいえ、その存在は相手にとって脅威であり、強力な攻撃の選択肢だったからだ。本当に驚くべきことだった」

 クロップ監督も南野のレンタル移籍に際し、彼を評価しながらも様々な事情によって起用に踏み切れなかったことを明かし、「100%私の責任だ」と語っていたが、日本人選手はこの半年のレンタル生活の中でチームや試合への影響力を高め、指揮官が迷わずに起用できるファーストチョイスへと成長できるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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