人に歴史あり。バスケにスーパースターあり。スーパースターにシグネチャーモデルあり。シグネチャーモデルにBOXあり!

 近年バッシュ業界では、中国歴の正月(春節・旧正月)を祝い1〜2月にかけてスペシャルモデルのリリースが定番化しています。アジアの中でも中国市場は群を抜いており、富裕層がこぞってシューズを買い求めるため、メーカーにとってはまたとない販促の機会になっているわけです。

 今年の春節は2月11日。そこで今回は、春節のお祝いにスペシャルモデルの中でも、とりわけ価値の高い1足を紹介します。



「ZOOM LEBRON IV」は、その名の通りレブロン・ジェームズのモデルで、2006−07シーズン(当時はクリーブランド・キャバリアーズに在籍)に着用。この前のシーズンに21歳の若さでオールスターMVPに輝き、スーパースターの仲間入りを果たしたレブロンは、この年に初めてNBAファイナルへ勝ち進みます。サンアントニオ・スパーズにスウィープ負けを喫しましたが、ほぼ独力でチームをファイナルまで導き、その力を如何なく見せつけました。
 

 シューズは4500足限定で発売され、春節を表すような光沢のあるバーシティ・レッドとホワイトメット・ゴールド、アッパーを覆う素材は、高価な『Foamposite』(フォームポジット)を採用。そして最も特徴的な変化は、ミッドソールがないこと。溝付きのソールとフォームポジットの剛性、インナーソックライナーが醸し出す構造でシューズシルエットを形成しています。

 もうひとつのポイントが『Zoom Air』。現在のレブロンシリーズは『Max Air』のイメージが強いですが、初代モデルから6までは、『Zoom Air』を基調としていました。当時のレブロンは20代前半で、体重も現在より軽かったこともあり、機動性を重視した設計になっていたのでしょう。



 シューズの装飾には、シュータンにライオン、その上にゴールドの「LJ23」をマーク化したアクセサリー。アウトソールにも背番号、ヒールカップ部分の溝にはWITNESS(証人)の文字。レブロンシリーズには珍しく、全体の造形を崩さないようにアクセントとして施されています。
  BOXはなんと木製。これまで多くのバッシュを購入してきましたが、木に入ったモデルは初。その木箱の上にチャイニーズレッドを丁寧に塗装し、上蓋には三国志の時代の甲冑を想起させるかのような82本の鋲が打ち込まれています。さらに蓋には、鬼のような獅子のようなモチーフで形作られた取手も付いており、ゴージャス感あふれる作りになっています。



 リング型のつまみ蓋を開けると内装はチャイニーズイエローで彩られ、上部に「LJ23」マークが入っています。なお、黄色は中国において皇帝しか使うことが許されていない色で大地のシンボルカラー、さらに“中央”を示すことから国を中心で統治する意味を持っています。



 また、赤はお正月や結婚式などめでたい日に使用する色で、春節を祝うモデルとして最もふさわしいカラーリングと言えるでしょう。
 

 20代前半でNBAの“キング”となり、昨年12月に36歳を迎えたレブロン。しかし彼は依然としてリーグのトップを走り続けており、シグネチャーも進化を続けています。

 彼がユニフォームを脱ぐ日はもうしばらく先でしょうが、レジェンドのマイケル・ジョーダンやコビー・ブライアントと同様、彼の引退後はこのモデルをはじめ、多くのシグネチャーの価値が上昇するでしょう。

文●西塚克之

【著者プロフィール】
西塚“DUKA”克之/日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ!せきトリくん」の作者として知られる人気イラストレーター。入手困難なグッズやバッシュを多数所有する収集家でもあり、インスタグラム(@dukas_cafe)では、自身のシューズコレクションを公開中。ダンクシュートでは名作シューズ列伝『SOLE&SOUL』を連載している。

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